2007年02月

2007年02月27日

セラミドというもの 2

セラミドは水にも油にも溶けにくい性質のため、
バリア効果を発揮します。

外界からの異物侵入だけではありません。
肌からの水分蒸発阻止にも威力を発揮します。

ただ、効果的なバリア膜を作るのには、セラミドだけではだめで、
コレステロールや遊離脂肪酸などが必要です。

細胞間脂質という、細胞と細胞の間に入っている脂質は
セラミドが50%を占めますが、コレステロールが40%、
脂肪酸が10%となっています。

これらの細胞間脂質はラメラ液晶という層を作って規則的に並んでいます。
ちょうどセラミド、コレステロール、脂肪酸が混ざった層と
水だけの層と交互に上下に幾層も重なっています。

ケーキのミルフィーユのようなものとお考えください。

化粧品でセラミドを補うというものがありますが、
このラメラ層をコレステロールや脂肪酸と共に作れるかどうかが
ポイントとなります。

擬似セラミドは、セラミドとは化学構造は違うものですが、
基本骨格が似ているため、天然のセラミドと同様に
このラメラ液晶を作ることが出来、肌のバリア能力アップにも寄与します。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(3)化粧品原料 

2007年02月26日

セラミドというもの 1

セラミドという言葉は、耳にされることも多くなったと思います。

セラミドが存在しているのは、細胞と細胞の間です。

角化した細胞というのは、硬くなり柔軟性も乏しくなってきます。

お風呂で体験されることも多いと思いますが、水分を吸うと角質は柔らかくなる
一方で、乾燥すると非常に硬くなります。

水分量によって角質細胞の大きさも若干変わるため、
肌の水分量が少なくなると、細胞も少し小さくなります。

そうすると隣の細胞との間に隙間ができるわけで、
何かでこの隙間を埋めてやらないと、その隙間を通って
いろんな物質が肌の中に入っていきます。

この場合、化学物質だけでなく、微生物や微生物が作る毒素も
入っていく可能性が出てきます。

そのため、角質の細胞と細胞の間を何かで埋めて、ガードする必要があるのです。

外界からの異物侵入を防ぐには、油にも水にも溶けないものの方が
効果的です。

水に溶けるものなら、汗や入浴、泳ぐだけで成分が流出してしまいますし、
油に溶けるものなら、油に溶ける有害物質の侵入を防ぎきれません。

そこでセラミドに求められる性質というのは、油にも水にも溶けにくいという
ことがあげられます。

この性質は、バリア能力を発揮するのには申し分ないのですが、
化粧品に配合しようとすると、この性質はかなり使用感に影響を与えます。

水にも油にも溶けないものですから、配合量が多いとざらつき、
あまりよい感触にはなりえません。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品原料 

2007年02月25日

卑しい金属?

貴金属というと何を想像されるでしょうか?

金、プラチナ、銀、色々あるかと思います。

オリンピックでは金、銀、銅の順になっていますよね。

そもそも金属になぜ「貴い」という字を当てるのかご存知でしょうか?

「貴い」を辞書で引くと「地位・身分などがきわめて高い。」
「非常に価値がある」などと出てきます。

面白いことに英語でも金やプラチナはnoble metalと表現します。
nobleは貴族の意味ですよね。

貴金属は単に希少価値があるという意味ではないです。
化学元素で金や白金より希少価値があるものは

いくらでもありますし、単に値段が高いとかそういうのではないのです。

実は金や白金というのは、電子を与えたり奪ったりすることを
通常起こさない元素です。つまり非常に化学的に安定なものです。

一方、鉄などは酸素とくっついた方が化学的に安定となります。
そのため、鉄は時間が経つと赤茶色く錆びていく、つまり酸素とくっつくわけです。

金や白金などは酸素とは反応しないため、
ほかの元素と交わることがない「貴い存在」であるからこそ
貴金属(noble metal)と表現されるわけです。

では、逆に他の元素とくっつきやすいのは何と言うのか?

くっつきやすい元素の代表であるナトリウムは単体だと、
非常に不安定で簡単に水とも反応していきます。
そのため保存は灯油中で行う必要があります。

ナトリウムは水と反応すると水素を放出して苛性ソーダへと変化します。
爆発的に反応することもあり、金属ナトリウムを
取り扱うときには慎重にしなければなりません。

会社の先輩がこの金属ナトリウムを試験管に入れて
何気なく振っていたら、爆発を起こし、
体中に試験管の細かい破片が突き刺さったという事故がおこりました。

全身血だらけでメガネをしていなかったら、失明しているところでした。

ナトリウムだけでなく、石鹸の中和剤に使われる金属カリウムも
水と強烈に反応する元素で取扱に注意が必要なものです。

このように他の物質とくっつきやすい金属を卑金属と化学用語では表現します。

まあ、誰ともくっついていくようなものだから
昔の人は卑しいと思ったのでしょうか・・(^^;;

そういえば、手作り石鹸を作るときに油脂と
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を混ぜるだけで、石鹸ができます。

油脂は脂肪酸とグリセリンがくっついたもの。
これに苛性ソーダを混ぜると脂肪酸とグリセリンを別れさせ、
ナトリウムと脂肪酸がくっつきます。

仲良くくっついているもの同士(グリセリンと脂肪酸)を別れさせて、
自分自身(ナトリウム)がくっつくのだから、
やはり卑しいという表現はあながち間違っていないのかもしれませんね。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化学の基礎 

2007年02月23日

サプリメントは有害である。

サプリメントの売り上げに大きな影響力を及ぼす団体があります。

実際にこの団体の勧告により、ビタミンEのサプリメントが大幅に落ちました。

それまではビタミンEというと心臓によいとされていましたが、
数々の報告によりビタミンEを必要以上にとると死亡率が上がるという
報告が認められ、栄養指針に取り込んだためです。

ベータカロチンにしてもそうです。

その団体の名はアメリカ心臓病協会(AHA)です。

あまりなじみがないかもしれませんが、アメリカでは絶大な影響力を
誇っています。

2000年に公表した栄養指針が2006年には大きく改定されていて
内容が厳しくなっています。

まず、ビタミンEやベータカロチンなどの抗酸化ビタミンは、
サプリメントではなく、食事からとることを推奨しています。
サプリメントから摂るべきでなく、あくまで食事からと強く主張しています。
サプリメント有害説に大きく舵を切りました。

また、大豆イソフラボンは人気のサプリメントですが、
動脈硬化の予防効果はきわめて小さく、有効な証拠もないとしています。
ただ、動物性食品を大豆食品に置き換えるのは、有益であるとされています。

1日2gの植物性ステロール摂取でLDLコレステロールが15%低下
することも記載されています。

魚は心臓病には有効ですが、子供や妊婦がEPAやDHAを多く含む魚を
食べることは避けるべきともあって、日本の常識とは違う側面もあります。
子供は頭を良くするためにDHAを多く含む魚を親は食べさせる傾向にあります。

原文はこちらから読めます。

まあ、知人に高いサプリメントを売りつけられそうになったら、
馬鹿な商売やっていないで、これを読んでまともな仕事をしろといってやってくださいな。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(3)抗酸化ビタミン 

2007年02月22日

合成界面活性剤 

ポリグリセリン脂肪酸エステルはこの季節活躍する乳化剤です。

面白いことにこのポリグリセリン脂肪酸エステルは
カビに対する抗菌効果に優れています。

缶コーヒーは、冬の間自動販売機で温めて販売されています。

だいたい50〜60℃くらいでしょうか。

60℃というとお酒の火入れなど代表されるように
大抵の菌なら死滅する温度です。

ただ、困ったことにコーヒー豆には熱に強いカビがついています。
このカビは面白い性質があって、室温や冷蔵庫での温度では
ほとんど増殖しませんが、60℃になると増殖を開始します。

ほかの微生物が死んだときにこのカビが繁殖して、
缶コーヒーの変質を促すため、ホットコーヒーが出始めた時には
非常に問題となりました。

たとえばレトルト食品のように121℃で殺菌すれば、
このカビは死滅するのですが、缶コーヒーでそんな温度まで
加熱するとコーヒーの風味が著しく劣化してしまいます。

そのためレトルト殺菌することはできず、
食品添加物での静菌を検討したところ、ショ糖脂肪酸エステルや
グリセリン脂肪酸エステルにその効果があることが見いだされました。

グリセリン脂肪酸エステルの方が価格的にメリットがあるため
ホット専用の缶コーヒーによく使われています。

グリセリンと脂肪酸のくっつき方を変えるだけで、
抗菌効果が出るというのは面白いですよね。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2007年02月20日

合成界面活性剤 

グリセリン脂肪酸エステルですが、これの油の部分が乳化剤として働くより
小さな脂肪酸だと抗菌効果を発揮します。

とはいっても一部の菌だけですが、食中毒菌に対して効果が出ますので、
加工食品にはよく使われます。ただ、量が多いと苦味がでるので、
ある程度の量しか配合できません。

直接菌を殺すのではなく、菌の表面に存在する酵素を活性化する、
つまり表面には新陳代謝を促す酵素があるのですが、
それをぐ〜んと一気に活性化することで、体の表面に穴を開けて、
自己溶解させることで殺菌効果を発揮します。

ただ、乳化剤として使おうとすると、グリセリンが一つだけだと
水溶性はそれほど高くありません。
水に溶かしても透明に溶けるというわけではなく、
白濁しているような感じでしょうか。

どちらかというと油に溶けやすい界面活性剤となります。

そこで水溶性を増やすには、水に溶ける部分を大きくすればよい。

そういう発想で出来たのが、ポリグリセリン脂肪酸エステルです。

こちらはグリセリンがいくつもくっついているので、
水溶性が高くなります。

製造法はまずグリセリンを加熱すると、グリセリン同士が
くっついていき、ポリグリセリンとなります。

できたポリグリセリンと脂肪酸を混ぜてさらに加熱すると
ポリグリセリン脂肪酸エステルができるわけです。

この界面活性剤の特徴は原料が脂肪酸とグリセリンしか必要としないことです。

たとえば石鹸は油脂と苛性ソーダが必要で、苛性ソーダを何らかの方法で
製造する必要はありませんが、グリセリン脂肪酸エステルや
ポリグリセリン脂肪酸エステルに関しては、原料は油脂と水だけです。

即ち油脂と水を混ぜて加熱すると、脂肪酸とグリセリンに別かれます。
別れたものを取り出して、グリセリンと油脂を加熱すると
グリセリン脂肪酸エステルとなりますし、
グリセリンだけまず先に加熱してから脂肪酸をいれると
ポリグリセリン脂肪酸エステルとなります。

油と水だけで、界面活性剤を作る。
面白いと思いませんか(笑)?

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2007年02月19日

合成界面活性剤 

食品用乳化剤ではショ糖脂肪酸エステルがかなり多く使われています。

生チョコやチョコレートにはこのショ糖脂肪酸エステルの使いこなしで
味が変わるほどです。うまくクリームをチョコに練りこませるためには
ショ糖脂肪酸エステルを使う必要があります。

また、口溶けがいまいちな油を改良することにも
ショ糖脂肪酸エステルは効果を発揮します。

さて、砂糖系ともう一つよく使われるものは、グリセリン系の界面活性剤です。

作り方は色々ありますが、油とグリセリンを混ぜて加熱してできるのが、
グリセリン脂肪酸エステルです。

グリセリン脂肪酸エステルはグリセリンと脂肪酸が1つくっついたもの。
3つくっついたものはただの油です。

そのため、油の分子1個にグリセリンの分子を2個混ぜて温度をかければ
グリセリンに3個くっついてる脂肪酸が何もついていないグリセリンに
移動して、グリセリン脂肪酸エステルが3個できる具合です。

実際は、グリセリンに1個もしくは2個脂肪酸がついたものができますので、
分子蒸留というグリセリンが1個ついたもののみを取り出します。

ちなみにグリセリンが2個ついたものはジグリセリン脂肪酸エステルで
健康エコナの主成分となります。脂肪酸が1個減るだけで、
体脂肪になりにくいというのは面白い発見ですよね。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(2)界面活性剤 

2007年02月18日

合成界面活性剤 

界面活性剤は、油と水に溶けるものがくっついたもの。

そのため、水に溶ける成分は界面活性剤にすることは可能です。
どうやってくっつけるかという工夫一つです。

ただし、くっつけても性能が思うように出ないことはしばしば。
既存のものより何か優れていなければ、使う理由がありません。

さて、食品によく使われる界面活性剤としては、グリセリン系と
糖系があります。

ご存知のように砂糖は水に溶けるものです。
これと油脂の脂肪酸をくっつけたものはショ糖エステル系として
食品によく使われています。

ただ、脂肪酸と砂糖を混ぜてもうまくいきません。
反応しやすくするために脂肪酸を加工します。

加工といってもメタノールと反応させて脂肪酸メチルエステルという
ものにするだけです。これは油とメタノールと苛性ソーダを60℃で
かき混ぜればできるものです。

こうやって作った脂肪酸メチルエステルと砂糖とごくわずかの石鹸を
水に溶かして混ぜて加熱すれば、ショ糖脂肪酸エステルという
界面活性剤ができます。

食べても胃の中で砂糖と脂肪酸に分かれるだけなので、
安全性が高く、食品用乳化剤としてよく使われています。

面白いのは、ショ糖脂肪酸エステルは抗菌効果を持っていることで、
食品に繁殖する菌に効くため抗菌効果を期待して配合されることもあります。

shin_chanz at 16:22|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2007年02月17日

合成界面活性剤 

界面活性剤は油を水に溶かすものです。

そのため、油に溶ける部分と水に溶ける部分を持ち合わせています。

たとえば、石鹸は油を苛性ソーダで分解・中和することで作ります。

石鹸の原料となる脂肪酸は油に溶けて、水には溶けませんが、
苛性ソーダで中和すると、脂肪酸の末端がイオン化するようになり、
水に溶けるようになります。

では、この水に溶ける部分を他の身近なものに置き換えたらどうでしょうか?

食卓の上にはグルタミン酸というアミノ酸があります。
うま味を出す調味料として、常備されている家庭も多いかと思いますが、
グルタミン酸は水に溶けるアミノ酸なので、界面活性剤の水に溶ける部分と
することができます。

すなわち油に溶ける部分、工業的に安価に入るものは油脂の脂肪酸となりますが、
これとグルタミン酸をくっつけると水溶性の界面活性剤となります。

ただし、油脂の脂肪酸とグルタミン酸では、そのままでは反応しません。

油脂の脂肪酸をかなり攻撃的になるように変化させてから、
グルタミン酸と反応させる必要があります。

ちなみにどうやるかというと、脂肪酸と三塩化リンという薬剤と水を混ぜて
一晩ほど放置すると脂肪酸クロライドというものが出来ます。

この脂肪酸クロライドは例えると発情したエロイ男のような感じで
街で女の子(この場合はグルタミン酸)を見かけると
すぐに声をかけてくっつこうとするものです。

つまり、グルタミン酸を水に溶かして、ぐるぐるかき混ぜながら、
この脂肪酸クロライドをぽたぽた落としていくと、
脂肪酸とアミノ酸がくっついて、アミノ酸型界面活性剤が出来上がります。

工業的には水より溶剤中の方が、反応がよく進むので、
溶剤中で行います。

案外反応はシンプルなものでしょう(笑)?

油脂の脂肪酸と反応させる時、苛性ソーダの代わりに、
アミノ酸であるグルタミン酸でも使ってみるかと思うかどうかが、
創造力のポイントだと思います。

shin_chanz at 10:37|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2007年02月15日

馬鹿にするにもほどがあるデトックス点滴

アンチエイジング流行で強力なデトックス(キレート)剤である
EDTAを使用した点滴が行われているようです。

髪の毛の金属を分析して、有害金属の量を把握した上で
行うようですが、有害金属排出(デトックス)剤の点滴を
EDTAキレーション法とか色々呼ぶようです。

EDTAの点滴に1万〜2万円とる医者もいて、
アンチエイジングやデトックスがブームとはいえ、
患者をカモにし過ぎていないだろうかと疑問に思います。

点滴はEDTAのカルシウム塩を使いますが、
極上のEDTAでも1キロ1000円はしないです。

極上というのは、EDTAからほんのわずかに残る微量のよくない成分を
精製で抜いたものです。

まあ、欲深い医者からはぼったくてってもいいだろうと商社に
キロ数千円で売りつけられるのかもしれませんが、
点滴で体内に入れるのは、2gも3gも入れるわけでありません。

EDTA代としては数円もないでしょうか。
それを溶かす点滴液の方がよっぽど高いのですが、
それにしても金儲けしか考えていない医者が増えてきたなと思うこの頃です・・。

EDTAを使用したキレート療法はアメリカでもう10年になろうと
しています。データベースで検索して論文を見つければ、
一回の点滴にどのくらいのEDTAが必要で、どういった副作用がある
などすぐにわかります。

手探りで患者を実験台にしてキレート療法を始めるならともかく
すでにどのくらい使えばよいのかわかっているのだから、
今のアンチエイジングブームに乗った一部の医者の行動には
呆れてしまいます・・・(^^;;

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(2)デトックス