2007年09月

2007年09月14日

最近の美白成分

美白成分は色々あります。

ただ、実際に効能を認められるのは、ごくわずか。

美白剤として承認されるには、医薬品医療機器総合機構の審査専門協議会での
審査を通らないといけません。

その審査会には、効果を裏付ける基礎試験に関する資料を提出して
審査をお願いするわけですが、審査には長期間かかりますし、
何より最新の知見を元にした成分でないと、なかなかパスしないようです。

自社の基礎試験データだけではだめなので、専門機関に依頼する必要があり
費用と時間がかかわる割には、難易度が高いので、
申請を行うのも一部の化粧品会社と製薬会社のみとなっています。

古くはアスコルビン酸とプラセンタエキスだけだったのが、
リン酸型ビタミンC誘導体(1988年武田製薬)、
アスコルビン酸グルコシド(1994年資生堂と加美乃素)、
アスコルビン酸エチル(2005年資生堂)、
コウジ酸(1988年三省製薬)、アルブチン(1989年資生堂)、
エラグ酸(1996年ライオン)、カミツレエキス(1998年花王)、
ルシノール(1998年ポーラ)、リノール酸(2001年サンスター)、
トラネキサム酸(2002年資生堂)、AMP(2004年大塚製薬)、
マグノリグナン(2005年カネボウ)となっています。

メラニンの酸化反応をとめて美白効果を発揮するのが、
アスコルビン酸(ビタミンC)系成分です。
この効果は他の成分にはないため、ビタミンC系の成分と
ほかの美白成分を組み合わせて使うということも多いです。

コウジ酸は2003年に発がん性の疑いにより、配合が禁止されましたが、
2005年に微量配合なら安全ということで再許可されています。

メラニンを作る酵素の働きを邪魔して美白効果を発揮するのが、
コウジ酸、アルブチン、エラグ酸、ルシノール、マグノリグナンになります。

カミツレエキスやトラネキサム酸は、メラニンを作るように細胞に
働きかける物質を邪魔することで美白効果を発揮します。

リノール酸はメラニンを作る酵素の分解を促し、酵素の量を減らします。
マグノリグナンもメラニンを作る酵素の合成を邪魔して、酵素の量を減らす
働きがあります。

AMPについては、細胞に活力を与えてターンオーバーを早くして
メラニンの排出を高めることで美白効果を発揮します。

ただ、美白効果を発揮するものは、刺激があるものも多く、
ほとんどの人に刺激を感じさせない濃度となると、
優れた成分であってもどうしても効果が限られてしまうところが残念なところでしょうか。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(1) 美白 

2007年09月12日

アミノ酸よもやま話

先週は、大阪で世界陸上がありました。

子供がいなかったら、行っていたでしょうね(笑)

陸上選手がどれだけ早いかこの目で見たかったし、
テレビじゃ味わえない会場の雰囲気も楽しみかったです。

ただ、チケットが高いせいか、テレビに映ったスタンドが
ガラガラだったのが、何ともさびしい限りで、
もう2度世界陸上はやってこないかもと思いました。

さて、その中のマラソンですが、一度走るとしばらくは体を休めないと
だめなんですね。生化学の授業で聞いたときには、
あまり関心はなかったのですが、ダイエットの勉強を始めたときに
アミノ酸を分解して、エネルギーとなるブドウ糖を作るなんてちょっと新鮮でした。

本当は、テスト勉強で覚えたはずなんですが、学生の頃は、
それがどうなるということより、機械的に覚えただけなので、
時間が経つとすっかり忘れてしまい・・・(^^;;

さて、マラソンでは、後半30キロあたりを過ぎた頃から、
スピードが落ちてくる選手が見受けられます。

体内にはグリコーゲンという形で、ブドウ糖が貯蔵されていますが、
このグリコーゲンを使い切るのが、だいたい30キロ付近といわれています。
もちろん、人によっては、グリコーゲンの貯蔵量が多かったり
少なかったりしますので、ペースダウンの場所はいくらかまちまちになります。

筋肉にあるグリコーゲンを使い切ると、次にエネルギー源となるのが、
筋肉そのものです。
脂肪太りの人なら脂肪の燃焼ということもあるかもしれませんが、
一流のスポーツ選手にメタボリックがいるはずもなく、
自分の筋肉を栄養源にして走り続けることになります。

糖新生回路ともいいますが、ブドウ糖を燃やしてエネルギーにしたあと、
筋肉に含まれる分岐アミノ酸を利用してアラニンを合成し、
肝臓でアラニンを分解してブドウ糖を作り、それを燃やすという回路です。

分岐アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)はBCAAとして、
最近のスポーツドリンクにも含まれていて、メジャーになりつつあるアミノ酸です。

マラソン選手が飲むドリンクにもBCAAがしっかり入っていると思います。

ブドウ糖を燃やすと乳酸ができ、その乳酸は筋肉を硬くして、痛みを生じますが
それに耐えて走る姿には、大変感動を覚えますね。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(1) 化粧品原料 

2007年09月10日

天然成分の口紅は安全?

口紅というと、タール色素の害が良く持ち出されてきます。

実際のところ発がん性を示すのは、タール色素の中でも
赤色228号やだいだい色203号が大量摂取で癌を誘発するレベルと
されています。

合成エステルやその他の着色料を問題にする自然派化粧品の口紅もありますが、
困ったことに大手メーカーが危険だと考える成分と自然派メーカーのそれとは
大きく乖離しています。

一番の違いは、基材でしょうか。

大手の敏感肌ブランドでは、口紅の基材にひまし油を使わないことが多いです。
ひまし油不使用という大きな広告を皮膚科向け雑誌に出す大手メーカーもあるほど。

これはひまし油による接触皮膚炎の報告が多いためで、
わざわざ皮膚炎を起こす確率の高い原料を配合する必要はないとして、
多くのブランドではひまし油の配合をやめています。

一方、自然派メーカーは天然油脂配合が売り物なので、
相変わらずひまし油を配合しています。

ひまし油は色素の溶解力に優れるため使用されるのですが、
どうして自然派メーカーが接触皮膚炎の報告が多い原料を
わざわざ配合するのかは謎なので、誰かに教えてほしいところですが・・(^^;;

ラノリンも良く使われますが、吸着精製ラノリン以外のものは、
アレルギー性が高いので注意が必要です。

その他基材では、ゴマ油やキャンデリラロウも感さ源となります。

天然油脂による皮膚炎が多いため、合成エステルの使用が増えていますが、
リンゴ酸エステル系成分も皮膚炎の原因となっています。

色材では、カルミンや赤色219、赤色201、赤色202、赤色223も
感さ源となります。

口紅は、発色が命ですから、色材の制限がありすぎると
自分がイメージして仕上げたい唇の色と口紅の発色が乖離して
メイクしても不満足なものとなってしまいますが、
ただ、最近の技術では、これらの色材をアミノ酸誘導体でコーティングして、
直接色材と唇が触れないような素材も開発されていて、
安全性が高まるようになっています。

唇は顔の肌とちがって、角質層が薄く、皮脂腺もなく、メラニンを作る細胞は
顔の肌と同じくらい存在していますが、メラニンを作る活性は低いため、
強い紫外線にあたっても肌のように日焼けは起こりにくくなっています。

一方、アレルギーの原因となる抗原提示細胞は、他の皮膚と同じくらいのため、
角質層が薄い分、刺激を受けやすくアレルギーも発生しやすいという特徴があります。



shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(7) 化粧品原料 

2007年09月09日

アミノ酸たっぷりの植物エキス

アミノ酸というと肉を思いがちですが、植物もアミノ酸をたくさん作ります。

動物は体内で作れないアミノ酸を植物を食べることで
必要なアミノ酸を補います。

たんぱく質をたくさん含んでいるものは、大豆や小麦などが有名ですね。

でも、たんぱく質だとアミノ酸まで何らかの方法で分解しないといけません。
企業ならともかくたんぱく質の分解までは手作りではできないので、
それではどういう方法があるかというと、アミノ酸をたくさん含んでいる
植物エキスを使うということです。

一番、アミノ酸含量が高いと思われるのが、オタネニンジンエキス。
もともと滋養強壮として人気が高い生薬ですが、頭に使っても
育毛効果があり、植物プラセンタエキスの主成分でもあり、
アミノ酸以外にも有用な美容成分を多く含んでいるのが特徴です。

アミノ酸含量は、エキス固形分の3%ほどとなりますが、
それでもフェニルアラニンやアラニン、スレオニン、バリン、
ロイシン、ヒドロキシプロリンなど肌の天然保湿成分と似たアミノ酸を
含んでいるのが特徴です。

なお、ニンジン系のエキスは、エタノール35%もしくは50%BGで
抽出するのが良いのですが、ニンジンをそのまま漬けこむより
フードプロセッサーなどで砕いたものを漬け込むのがよいでしょう。

粉末状のものがあればなお良いです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) お勧め植物エキス 

2007年09月07日

アミノ酸と乾燥肌 その4

肌は乾燥する硬くなります。

たとえば、冬場のかかとは乾燥すると非常に硬くなる部分でしょうか。
かかとの場合は、顔の肌と違って、角質が積み重なりすぎて
剥がれなくなるのが問題となります。

毎日の入浴で、角質層の中の保湿成分は流出し、
保湿剤がない角質がたまっていくためにかかとは硬くなります。

そのため、軽石などで角質を削ることで、保湿成分に富んだ新しい角質層を
露出させ、かかとの柔軟性を保っている方も多いのではないでしょうか。

さて、アミノ酸のなかで硬くなった皮膚に柔軟性を与える能力に
優れたものは、アルギニンとグリシンとなります。

肌をやわらかくするアミノ酸





(アミノ酸メーカーによるデータ)

荒れて硬くなった肌を健常肌の柔らかさまで戻すのは至難の業ですが、
アミノ酸の中でも柔軟性を与えるのは、アルギニンとグリシンということが
わかります。

アミノ酸と一口でいっても色々な種類があり、
その中でもスキンケアで有用な効果を発揮するのは、それほど多くありません。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 化粧品原料 

2007年09月05日

アミノ酸と乾燥肌 その3

ピロリドンカルボン酸ナトリウムは、保湿性は高いのですが、
高濃度で配合するとべたつきがあり、刺激性が出てくるのがネックです。

ちなみにピロリドンカルボン酸ナトリウムより、
低湿度で保湿力が高いものには、プロリンがあります。

プロリンはコラーゲンの原料となる重要なアミノ酸です。
肉製品を食べるとたっぷりプロリンを摂ることになりますが、
こちらのデータを見ていただくと、ピロリドンカルボン酸ナトリウムや
グリセリンより皆さんが何とかしたいと思う低湿度環境での
保湿効果が高いことがわかります。
ちなみに低湿度でも保湿力を発揮するのは、ヒアルロン酸が有名でしょうか。

グリセリンなどは、湿度が低いと、空気中の湿気より肌の湿気を吸って
肌を乾燥させる方向に進ませることがありますが、プロリンには
そういう心配はありません。
(グリセリンとヒアルロン酸を組み合わせて使うことにより、
 このグリセリンの低湿度下での問題は解消されます)

低湿度下での保湿剤の能力


保湿剤の保湿能その1









(アミノ酸メーカーのデータより)
湿度が高いときも低いときも掴んだ水を離さないのがプロリンです。
ほかの保湿剤は、低湿度下では保湿効果が弱くなります。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(1) 化粧品原料 

2007年09月03日

アミノ酸と乾燥肌 その2

アミノ酸は肌の天然保湿因子なので、肌には良いものといわれています。

ただ、アミノ酸といっても自然界には500種類程度ありますし、
どれでも良いわけではありません。

ある程度許容できるコストのうちで作れるもので、
肌をやわらかく保つもの。

保湿を行うには、水と結合できる部分が多いアミノ酸が有利なのですが、
その中でも昔から有名なアミノ酸というとベタインやピロリドンカルボン酸ではないでしょうか。

ピロリドンカルボン酸ナトリウムは肌のアミノ酸の中でもかなり割合が多いものです。
グルタミン酸を脱水することで、ピロリドンカルボン酸となるのですが、
ナトリウムとくっついてピロリドンカルボン酸ナトリウムとなると、
そこそこ強い保湿力となります。

ちなみにナトリウムとくっついていないピロリドンカルボン酸は
さほど保湿力も強くありません。
これはナトリウムとピロリドンカルボン酸がくっつくことで、
水と結合する部分が増えることで、保湿効果を発揮するからです。

ピロリドンカルボン酸は、何の効果かはちゃんと調べていませんが、
アメリカでは健康食品として売られているようです。
(化粧品には、ピロリドンカルボン酸ナトリウムは、
 PCA−Naとして表示されます。)

ベタインは、砂糖大根などの植物に多く含まれるものですが、
保湿力がそこそこあり、髪の毛の保護にも効果を発揮するのが特徴です。
スキンケアだけでなく、ヘアケア化粧品にも髪の保湿剤などして
良く使われていますね。
パーマなど髪に障害を与える薬剤から髪のダメージを少なくする効果を
もつのもの売り物の一つです。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 化粧品原料 

2007年09月02日

アミノ酸と乾燥肌

乾燥肌、敏感肌はアミノ酸の量が少ないため、水分保湿が出来にくいといわれています。

アミノ酸不足は、肌の細胞が死んで、角質層となるときに
肌の細胞の分解が進まないときに起こります。
(たんぱく質が分解されていきます)

たとえば、乾燥肌や敏感肌では、皮膚が剥がれていきやすく、
そうなるとじっくり肌を作り上げる暇もありません。

とくに、一枚一枚剥がれるのではなく、何層かが一気に剥がれると、
その分、肌の熟成が進まず、アミノ酸不足となります。

こちらは敏感肌と健常肌のアミノ酸含量の差です。
(アミノ酸メーカー資料)
熟成不足なのが、一目瞭然です。


乾燥肌と健常肌のアミノ酸組成の違い







不足したアミノ酸は、手っ取り早く化粧品で補うか、
それとも保湿をしっかりしてたんぱく質を分解する酵素の働きを強めて
肌自身でアミノ酸を増やすようにするか色々考え方があるかと思います。

また、アミノ酸を補うにしても特定のアミノ酸にするか、
複数のアミノ酸にするか・・。

ちなみに、アミノ酸を入れると、菌にとっては栄養源になるため、
しっかりした防腐を行わないと危ない化粧品になってしまいます。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 化粧品原料