2008年01月

2008年01月30日

肌にはどのくらいの菌がいるのかな?  その3

下は年齢別でみたものです。

とくに若いからといって菌が多いわけではないし、
年齢を重ねてもさほど菌の数は変わりません。

肌質別のデータはありませんが、ニキビなど病変部がある場合ならともかく
さほど肌質でもかわるものではありません。

どのくらいの菌数がベストなのかは難しいですね。
前にも書きましたが、常在菌が少なすぎたら、
ややこしい菌が顔に繁殖することもあります。
多すぎると臭いや皮膚病の原因にもなりかねませんし。

ただ、菌の多い人と少ない人ではとんでもない数の差はあるのは事実。
なぜ、菌数が少ないのかということや、菌の数が多い人が
どんな生活を行っているのかという研究は今のところないようです。

(図をクリックすると大きくなります)
年齢別菌数















こちらは、洗浄剤で菌がどれだけ落ちるかみたものです。

かつて石鹸で体を洗うと常在菌が落ちすぎて問題と言われた時期も
ありますが、せいぜい菌の数を半分にするだけです。
ニキビなどの原因となる嫌気性菌の洗浄率は、たかだか51%にすぎません。
(善玉菌の表皮ブドウ球菌は好気性菌に分類されます)

78万個の菌が38万個になったところで、しばらくたてば
元の菌数に回復します。

殺菌剤が入った洗浄剤は別にして、普通の石鹸や洗顔料で
菌は思っているほど取れていないという現実があります。


洗浄別菌数

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2008年01月29日

肌にはどのくらいの菌がいるのかな?  その2

顔にいる菌というのは、皮脂の多い男性の方が なんだか多いような気がしますが、実際は個人差が多いようです。 下のグラフは男女48人から採取した菌の分布を示しています。 空気のあるところで繁殖する好気性菌を237種類、 空気のないところで繁殖する嫌気性菌を138種類検出しています。 好気性菌の中で最も勢力が強いのは、表皮ブドウ球菌で 逆に嫌気性菌の中では、アクネ菌が最も強くなります。 なお、下のグラフの縦軸は対数となっていますので、 1が10個、2が100個、3が千個、4が1万個、5が10万個、 6が100万個、7が1000万個となります。 男性の頬で嫌気性菌が10万〜1000万個、好気性菌が500〜50万個、 これに対して女性の頬は嫌気性菌が1万〜1000万個、好気性菌が100〜10万個の範囲となっています。 500個から50万個なんて非常に大きなばらつきですが、 それだけ肌にいる菌は個人差が大きいということです。 多ければ、ニキビが出来やすくなる可能性もありますが、 少なければ外部から菌が肌に取り付いたとき、 常在菌だけで排除できなくなることもあります。 図をクリックすれば大きくなります。 顔の菌

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2008年01月27日

肌にはどのくらいの菌がいるのかな?

人間の肌にはどのくらいの菌がいると思われますか?

いわゆる常在菌の話です。

人間の皮膚は乾燥しているため、簡単には菌が生息できません。

空気中にはたくさんの菌がいて、風に乗って肌へ付着しますが、
たいていは常在菌との生存競争に負けてすぐに去っていきます。

それだけ常在菌の能力は強いのですが、
人によってこの菌の量はまちまち。

基本的には、洗顔時に菌の大部分は洗い落ちてしまいますが、
しばらくするともとの菌数に戻ります。

ちなみに、食べ物がくさったりすると大量の菌が沸いた状態ですが、
肌の場合は、そんな大量には繁殖しません。

水気がないのと、菌の食べ物が皮脂など限られた成分となるからです。

ただ、わきや足などは水気が多くなるため、菌が繁殖しやすくなり、
それによって、菌が中途半端に分解したたんぱく質や皮脂のにおいが
きつくなることもあります。

菌は繁殖しやすい条件が整うと一気に増殖するため、
体臭が急激に出るはめになります。

菌による体臭防止は、清潔に洗浄するのがまず第一ですが、
そのつぎは銀などの抗菌剤を塗布するしかないですね。

いくら清潔であっても汗が出て、水気が皮膚に長時間
含まれる状態になると、すぐにアウトですから。

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2008年01月25日

界面活性剤を組み合わせること その2

さて、シャンプーも同じように複数の界面活性剤を混ぜて作ります。
これは容器の成分表をみればよくわかりますよね。

残念ながら1つのもので、泡立ち、泡切れ、泡質、洗った後のしっとり感や
さっぱり感、髪の毛のコンディショニング性や安全性・・など
すべての性能を満たす界面活性剤はありません。

泡立ちに関しても、単なる水では、泡立ちが良くても汚れが入ると
急に泡立ちが悪くなるものもあります。

そこでいろいろな界面活性剤を組み合わせることで、
汚れが入ってきたときもそれなりに泡立ち、汚れを落とせるように
処方を組むわけです。
(実際には、泡立ちが悪いと使用量を増やしたり、2度洗いなどで
 対処されている方が多いかと思います)

一番シャンプーでよく使われるのは、ラウレス硫酸ナトリウムでしょうか。
泡立ちや泡量も多くシャンプーの基材として使われます。
泡立てて髪の毛を洗っているときは良いのですが、
お湯で髪の毛をすすぐとき、びっくりするほどギシギシって感じとなります。。

一般的には、コカミドプロピルベタインやココベタインなど他の界面活性剤も
ギシギシ感がでます。

単に水で髪の毛を洗い流したときと、界面活性剤の水溶液で髪の毛を
洗い流したときを比べると、ギシギシ感が出るものの方が多いのです。

ただ、ラウロイルグルタミン酸やココイルグルタミン酸のような
アミノ酸系界面活性剤はギシギシ感がでません。
(ただし、泡立ちが悪いです)

ちなみにいまどきのシャンプーはラウレス硫酸ナトリウムを配合していても
すすぐときギシギシするようなものはありません。

ひとつはプラスにイオン化する高分子ポリマーを配合することで、
髪の毛同士の摩擦を減らし、ギシギシ感を喪失させているからです。

通常、シャンプーの基材にはマイナスのイオンとなる界面活性剤を
使用するのですが、これがすすぐときにプラスのイオンとなる高分子と
くっつくと、潤滑油に変化するのです。

そして、この潤滑油が髪の毛の表面に付着することで、
髪の毛同士がこすれても摩擦が少なくなるため
ギシギシ感が出てこないのです。

石鹸の場合は、水の中のカルシウムやマグネシウムとくっつくと
ワックス状となるのですが、これが髪の毛表面に付着すると、
髪の毛同士が余計くっついて同士の摩擦を増やすように働くために
ギシギシ感がでてきます。
(逆にこのくっつきやすさをメイク化粧品は利用していて、
 酸化チタンなどの粉原料の肌への 付着性を改善するために
 金属石鹸で粉をコーティングすることがあります)

また、残念なことに、石鹸に高分子ポリマーを配合しても
ミネラルとくっつく方が優先されるため、合成界面活性剤のように
潤滑油にはなりません。

洗うときには界面活性剤として汚れを落とし、
すすぐときには潤滑油に変化して、髪の毛同士の摩擦を減らす。
これがシャンプーの基本となります。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2008年01月24日

界面活性剤を組み合わせること その1

石鹸にしてもシャンプーにしてもいろいろな種類の界面活性剤から
できています。

たとえば、石鹸。椰子油とパーム油を混ぜて作っていますが、
界面活性剤の種類でいえばラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、
パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、
リノール酸ナトリウムなどから成り立っています。

たとえ、オイルの種類は1つでも、オイルを構成する脂肪酸は
いくつもあります。

そのため、単なる椰子油から作った石鹸でも、炭素数が8から18までの
脂肪酸が混ざるため、少なくても7種類程度の界面活性剤から
成り立っています。

ちなみに石鹸に含まれる界面活性剤はそれぞれ特徴がぜんぜん違います。

ラウリン酸ナトリウムやミリスチン酸ナトリウムは水温が30℃くらいでも
水に溶けますが、パルミチン酸ナトリウムやステアリン酸ナトリウムは
溶けにくくなります。

水への溶解性も変わりますが、あわ立ちも違います。

ラウリン酸ナトリウムは大きな泡で、泡の量も多いですが、
パルミチン酸ナトリウムやステアリン酸ナトリウムは泡の大きさは小さく、
泡量も少ないのが特徴です。

一般的には、泡の大きさは小さい方がキメが細かくよい印象があるのですが、
パルミチン酸ナトリウムなどだと泡量が少なくて、モコモコたってくるような
泡にはなりません。

泡のきめ細かさと泡量の豊富さを両立させたのが、
ミリスチン酸ナトリウムです。余談ですが、ミリスチン酸はパーム核油や
椰子油にしか含まれないため、ラウリン酸の2倍以上の価格となっていて
とても高い脂肪酸です。

面白いのは、泡の量は特定の脂肪酸一種類で作るものより
複数の脂肪酸を混ぜ合わせて作る方が泡立ちが良くなるということです。

これは同じ種類の界面活性剤で、分子の大きさが違う種類のものを混ぜると
界面活性剤として能力を発揮するのに必要な濃度が下がるということから
由来しています。要するにステアリン酸とラウリン酸やミリスチン酸を
混ぜるとこの効果がでて、あわ立つのに必要な量がラウリン酸単独のときより
少なくなるわけです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2008年01月22日

腐る化粧品

最近、TV CMでも話題ですね。 腐るということを売り物にした化粧品会社が出来たみたいです。 インターネットでも大きく広告を出していますし、 相当、広告費をつぎ込んでいます。 ただ、化粧品の内容は、手作り化粧品のような・・・。 ハイテクでどうのとは違うでしょうね。 防腐剤は、エタノールやヒノキチオールを使用していますが、 ヒノキチオールは動物実験でも催奇性が確認されている成分ですし、 まだそういう妊娠した子供に奇形を発生させる毒性がない 合成防腐剤の方が安心して使えるような気がします。 とくに妊娠中の方は。 高価な割りに化粧品の容器は防腐剤が少なくて済むような 逆流防止チューブやエアレス容器ではありませんし・・。 防腐剤無添加といえば、牛乳屋は防腐剤無添加なのに常温で1年保存できる 牛乳を100円程度で作りますし、未だに防腐剤無添加というだけで 高く売れるのは化粧品が特殊な業界だからでしょうか・・(^^;;

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(4)化粧品 

2008年01月20日

再生医療とEGF その6

再生医療では、どのようにEGFなどの細胞成長因子を
応用しようとしているのでしょうか。

前の記事のとおり、細胞成長因子を皮膚に直接塗る薬はすでに存在しています。

体のほかの部位にも広げられないか検討中です。

皮膚はがん細胞並みに細胞が増殖する部位なので、全身の細胞に比べても
再生しやすい部位となります。

ほかには気道や食道、抹消神経などの再生も行われています。

ただ、外から薬剤を塗れる皮膚ならともかく体の内側に細胞成長因子を送り込み
なおかつ一定濃度にコントロールするのは大変です。

そこで細胞成長因子をコントロールするのに使われるのが
生分解性ポリマー類です。

美容外科のしわとりに使われるポリマーで、細胞成長因子を絡めジェルとして
それを体内に埋め込みます。

ポリマーは徐々に分解し、中の細胞成長因子を放出するため、
一定濃度にコントロールすることが可能となります。

動脈や頭蓋骨などの再生もこの手法で検討されています。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品原料 

2008年01月19日

大阪で勉強会を行います

ご多数のご応募ありがとうございました。
すでに参加募集は締め切っております。


大阪で勉強会を行います。

今回は、肌の水分を測定する機器を持ち込んで、
肌の水分測定を行いたいと考えています。

その他、肌についての勉強会など。

募集は5名です。出来れば全員の方の肌水分を測定したいと考えています。

測定する部位は前腕部となります。片腕をめくった状態で、
そこへ手作り化粧水を塗って、成分による水分量の違いなど、
1時間後でどう違うかなどみていきたいと考えています。

他には、石鹸の洗い方や石鹸の種類によっての違いなど。
(こちらはさほど差はでませんが)

なかなか他にできないことをやってみたいと考えています。

できれば手作り化粧水やクリームなどお持ちよりください。
測定できるのは、2〜3点ぐらいです。
腕をめくれる服装でお願いします。

おそらく測定するのに時間がかかると思いますので、
人数を限定させていただきました。

日時 3/8 土曜日 14時〜16時頃
豊中市 千里中央 千里朝日阪急ビル 14階 6号室
 詳細な地図です

なお、東京については11月ぐらいに行う予定です。
4月にやりたかったのですが、都合がつきません・・(^^;;

水分測定は寒くて乾燥する季節にやらないとうまくデータがとれないので、
東京での開催は時期をずらすことにしました。

shin_chanz at 09:40|PermalinkComments(2)プライベート 

2008年01月17日

再生医療とEGF その5

ただ、再生医療分野では、細胞成長因子を単なる水溶液で与えても
効果は薄いとされています。

つまり、単にEGFを水やグリセリンで溶かした水溶液で与えても
肌への効果は宣伝ほど期待できません。

EGFなどの細胞成長因子は不安定で生体内に入ると速やかに分解されていきます。

細胞に到達して、取り込まれると細胞の分裂や成長を促しますが、
細胞にまでたどり着けなかったものは、寿命がきて分解される仕組みとなっています。

つまり、生体内に入った10個のEGFがそれぞれ、1個ずつ細胞に取り込まれて
残り9個は、自分の番が来るまで細胞外で待機して、
別の細胞を見つけたらまたひとつ取り込まれて、他のものは待機している
というようなものではなく、待機中のものは、寿命がくると、
アミノ酸へとばらばらに分解されてしまうというイメージでしょうか。

細胞に強く働きかける成分であるからこそ、進化の過程で
生体内での寿命が短く設定されたと考えるべきなのかもしれません。

そのため、再生医療の分野では、こうした細胞成長因子を水溶液で
与えても、期待するほどの効果は無く、生体内での細胞成長因子の濃度を
一定に保つ為、徐々にカプセルが壊れて中に入っている細胞成長因子を
放出するような技術が求められています。

まあ、細胞成長因子が生体内で寿命が短いことを知っていれば、
化粧品に配合するなら、何か工夫がないと余り効果的でないということです。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(2)化粧品原料 

2008年01月15日

再生医療とEGF その4

分子量の大きいEGFが果たして肌に有効なのでしょうか?

おそらく正常な角質層なら、EGFが浸透するような隙間がほとんどなく
肌への効果はかなり弱くなると思われます。

もともと人間の皮膚は外界から物質の浸透を遮断しているわけですから
当然といえば当然の結果です。

ただ、肌の状態は必ずしも常に良いというわけではありません。

乾燥したときや肌荒れしたときは、肌のバリア能力が落ちて、
隙間がたくさんできてしまいます。

乾燥したら肌が白く粉を吹いたような状態になりますが、
それは角質細胞がいくつも繋がって剥がれたり、
剥がれやすくなったりしている状態です。

角質細胞は、本来目に見えない大きさで剥がれてもわかりませんが、
粉が吹いたような状態など、いくつもの角質細胞がばさっと剥がれてしまうと
角質細胞間の間隙が大きくなり、肌への進入ルートができるようになります。

そういう状態だと大きな分子であるEGFも浸透しやすくなり、
まあ、いわば緊急時に役立つ成分というようなものとなります。

緊急時が仕事のような消防車のようなものでしょうか。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品原料