2008年02月

2008年02月28日

アトピーの皮膚

アトピーのスキンケアで難しいのは、どのくらいまでステロイドを使うかということでしょうか。

ステロイドは炎症を防ぐ成分ですが、使いすぎると自分の体内で、
この炎症を防ぐ成分を作ることをやめてしまいます。
また、免疫を抑えるので、雑菌への抵抗力が落ちてしまいます。

ただ、全く使わないと、かゆみのため角層を掻きむしるので、
皮膚が壊れて、アレルゲンが侵入しやすくなり、余計皮膚炎が起こりやすくなります。

アトピーの原因は、人によって様々ですが、共通しているのは、
バリア成分であるセラミドが作られにくくなっており、
炎症を起こす成分を変わりに多く作るようになっています。
(皮膚ではセラミドになる原料からセラミドを作る酵素と
 炎症を起こす成分を作る酵素の2種類があります)

まさか自分の皮膚で、皮膚に炎症を起こす成分を作るなんて、
ありえないと思われがちですが、そのありあえないことが起こるため、
アトピーという病気の根深さがあります。

遺伝子的に炎症を起こす成分を作る酵素の働きが強くなっているので、
その酵素の働きを弱める酵素があればよいのですが、
そういう成分は、他の重要な酵素の働きを弱めてしまうため、
安全に酵素の活性を低下させる成分はまだ見つかっていません。

ただ、自分の皮膚内で炎症を起こす成分を作ってしまうのは諦めるとしても
外部環境から侵入してくるアレルゲンは出来るだけ抑える必要があります。

即時にシャットダウンする効果はワセリンが一番ですが、
いかんせん炎症の起こっている病変部はともかくとして、
正常部位にワセリンを塗るのは、使用感が悪すぎるので問題があります。

アトピーの方は、炎症がないように見える正常部位も
健常人から比べるとバリア能力はかなり劣っているため、
広範囲に塗る必要があります。

使用感の優れたものといえば、セラミドを肌へ供給できるスキンケアとなります。

花王のキュレルクリームなら擬似セラミドを高配合していてお勧めですし、
トゥヴェールのディープトリートメントオイルは擬似セラミド100%で
ホホバオイルやオリーブオイルなどと混合して使用できますので
こちらもコストパフォーマンスに優れた商品となります。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(12)アトピー 

2008年02月26日

アトピーについて

今や生まれてくる子供の1/4は、アトピーと言われる時代。
去年の4月に生まれたうちの子供、去年の9月に生まれた弟の子供も
小児アトピーということが判明しました。

どちらも親から引き継いだものなので、しょうがないものなのですが、
うちの子供は卵アレルギーで、弟は卵と小麦、牛乳にアレルギーを持っているようです。

まあ、子供のアトピーは育つにつれて体質が劇的に変わって
治る可能性もあるため、それほど深刻に考えているわけではありませんが、
弟のところは食べれるものが限られているので大変です。

肌につけるものにアレルギーを持っていても、肌荒れで済みますが、
食べ物にアレルギーがある場合は、最悪ショック死という
命に関わる事態も発生します。

工場で作られた加工食品には、アレルギーを起こしやすい食材を
使用している場合は、その表示を義務付けられていますが、
何故かスーパーの惣菜や飲食店にはその義務はありません。

おそらく飲食店の団体の力が強くて、法律を作るときにアレルギー表示の義務から
外れたんでしょうが、外での飲食には不便さを感じられずにはいられません。

自分が使った材料くらいメニューに表示してくれてもいいだろうに・・(^^;;
(勿論、良心的な飲食店などではアレルギー食材の表示をしているところもあります)



shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)アトピー 

2008年02月25日

寒い日が続いています

この2月は久しぶりに寒い月でした。

雪も結構降って、大阪市内にも雪が積もった日もありましたし、
私が住んでいる北摂地域では、道路が凍結した日も何日かありました。

道路が凍結したらバスは来ないので、原付で出勤するしかないのですが、
それが滑らないよう、こけないように神経を使いながら走るため、
会社に到着する頃には、えらく疲れています・・(^^;;

この季節は肌がとても乾燥します。
人間の皮膚は、空気中の湿気が高ければ、湿気を肌に供給することが
できますが、空気が乾燥すると肌からどんどん水分が蒸発していきます。

とくに注意すべきは子供の肌で、子供は肌に弾力はありますが、
角質層の機能はかなり大人より劣っています。

見た目は肌色にムラがなく、綺麗に見えても
乾燥していることがしばしばなので、安いクリームでよいと思いますが、
お風呂上りに乾燥しやすい部位へ塗ってあげることをお勧めします。

乾燥すると肌がかゆくなり、掻きむしると、
角質が剥がれて余計に乾燥するという悪循環に陥ってしまいます。




shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)プライベート 

2008年02月24日

下地クリーム

よく、普通のクリームがファンデーションの下地クリームにならないかと
聞かれることがあるのですが、なる場合とならない場合があります。

保湿クリームと下地クリームの大きな違いというのは、
保湿クリームは基本的に肌の中へ入っていき、そこで保湿効果を
発揮するのが役割となります。

一方、下地クリームは肌の表面を整えて、ファンデーションをつけやすくするもの。

成分も違って、油分でも保湿クリームは肌の中に入るものが前提となりますが、
下地クリームは肌の表面に留まることが前提となります。

目的を考えれば、このような配合の違いは当然なのかもしれませんが
保湿クリームで下地クリームを代用すると、
仕上がりがうまくいかないことがあるのは、このためです。

また、カルボマーという水をジェルにする成分がありますが、
これでクリームを作るとみずみずしい夏向きのクリームに
仕上がることが出来ます。

ただ、このカルボマーという成分は、大変日本人好みの感触をだすのに関わらず
ファンデーションと相性がわるく、カルボマーが多く入ったジェルや
クリームの後にファンデーションを重ねるとポロポロとカスのようなものが
でることがあります。

逆に、このポロポロ現象を利用したピーリングアイテムもあります。

カルボマーの溶液を肌に塗って、皮膜を作った後、
それをこすって剥がせばピーリングができるというものです。

ケミカルピーリングより肌への刺激が少ないとして売られている
ピーリング化粧品でカルボマーが使われていたなら、
カルボマーの析出現象を利用したものと判断できます。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(3)化粧品 

2008年02月22日

小じわを目立たなくするパウダー

酸化チタンと他の原料を組み合わせることで、
安全に使えたり、酸化チタンの欠点を補えることを書きました。

そのほか、最近小じわを目立たなくする化粧品などがありますが、
その技術にも酸化チタンも使われています。

酸化チタンを内部にいれたシリカの玉を作り、その上からジルコニアを
コーティングすると光を様々な角度で反射するパウダーとなります。

この光を反射するパウダーが何に役立つかといえば、
それは小じわ対策です。

小じわが目立つ原因は、顔に当たった光により、
小じわの部分へ影ができること。

影ができると、しわの部分がより深いという印象を与えます。

それでは、影を作りにくくすれば、小じわが目立たなくなるのではないかと
考えられ、開発されたのが、光を錯乱させるパウダーです。

パウダーに太陽光や蛍光灯の光が当たると、光を錯乱し、
小じわに様々な角度から光を当てるようになります。
そうすると影が出来にくくなり、皮膚表面に凹凸が少ないように
見えるわけです。

ちょうど写真撮影のモデルさんが、レフ板を使って光を集めて、
綺麗に写るのと似たようなものです。
レフ板を使うと様々な角度から光が顔に当たるため、
小じわはかなり目立たなくなります。

実際には、写真のレフ板ほど光を集めれるわけではないのですが、
まあ、女性の顔を綺麗に見せる技術の一つですね。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(1)化粧品原料 

2008年02月20日

酸化チタン その3

酸化チタンはそのまま使うだけでなく、今ではほかの素材と
組み合わせて使うことが一般的となっています。

たとえば、球状のナイロンと組み合わせることで、使用感の向上を図ったものや、
12ミクロンという大きな球状ポリエチレンに微粒子酸化チタンを
くっつけたものもあります。

通常は酸化チタンの周囲をシリコーンやシリカなどで覆っただけですが、
この微粒子酸化チタンを12ミクロンの球状ポリエチレンの表面に
コーティングすると紫外線カット力は向上して、肌の付着量は3倍以上となり、
肌への広がりも2倍にもなります。

ちなみにキューピーのマヨネーズは油をレシチンで乳化して
水に分散させたものですが、そのサイズは1ミクロン。

いわばマヨネーズの12倍もの大きな粒子で、肌に入る可能性も少なく、
微粒子酸化チタンをうまく使いこなす技術の一つです。

ファンデーションの原料にナイロンやポリエチレンと表示されていると
こうした複合原料である可能性が高いです。

このほか白雲母の表面に酸化チタンをくっつけた雲母チタンというものもあります。
真珠様の光沢を出す素材ですが、これをファンデーションに配合することで、
質感を向上させることができます。
パール顔料をファンデーションに配合するというのは、結構革新的な試みの
ようであったのですが、場合によっては不自然な仕上がりとなることもあって
使いこなしは難しい原料です。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品原料 

2008年02月19日

酸化チタン その2

日焼け止めの酸化チタンは、白くないことが望ましいのですが、
ファンデーションの場合は、違います。

ファンデーションに求められるのは、隠蔽力ですので、
日焼け止めに使われる透明な微粒子酸化チタンより大きなサイズのものが
使われます。

ちなみに酸化チタンはルチル型とアナターゼ型の2種類がありますが、
ルチル型の方が光触媒効果が弱いので、こちらが主に化粧品へ使われます。

なお、酸化チタンはそのままでは化粧品には使えません。

光触媒作用といって、紫外線にあたると、空気中の湿気や酸素を
ラジカルという強力な活性酸素へ変化させます。

まあ、これはこれで使い道があるのですが、
化粧品の場合は、肌が酸化されてしまうので、全くありがたくない作用です。

そこで、この光触媒作用を抑えるために、
シリカや水酸化アルミ、シリコーン、ステアリン酸、レシチンなどを
酸化チタンにくっつけて使用します。

また、酸化チタンはとても伸びが悪く、非常に粉っぽくなるのですが、
ナイロンの球体に酸化チタンをくっつけることで、
酸化チタンの効果を持ちながら、肌の上での流動性に優れた複合粉末などが
あります。

微粒子酸化チタンをそのまま使うのではなくて、大きな球状樹脂に
くっつけて使うというアイデアです。
要はきなこもちみたいなものです。
この場合、きなこは微粒子酸化チタンで、もちはナイロンなどの樹脂です。

微粒子酸化チタンは肌の中に入って危ないという声もありますが、
微粒子酸化チタンの効果を持ちながら、肌に入ることのない大きな粒子で
しかも球状で肌の上でコロコロ転がっていくので、伸びが良いという面白い素材です。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品原料 

2008年02月17日

酸化チタン その1

化粧品の原料で酸化チタンがあります。

主に微粒子酸化チタンと、それ以外の白色顔料として使われる酸化チタン。

日焼け止めには微粒子酸化チタンが使われ、
ファンデーションには顔料サイズの酸化チタンが使われます。

何が違うかというと、その大きさにあります。

微粒子酸化チタンはナノサイズの酸化チタンです。
ここまで小さくするのは、光に対する効果を引き出すためです。

日焼け止めは、いかに顔が白くならずに日焼け止め効果をあげること。

そのための工夫というのはサイズを小さくすることです。

人間の目で色を認識するには、モノに光が当たって
反射してきた光を捉える必要があります。

このモノに当たって、人間の目に色彩を与えるのが、
可視光線なのですが、この可視光線の波長よりモノが小さくなれば、
モノに可視光線が当たっても反射されず、
透明に見えるわけです。

たとえば、水に溶かした洗剤は透明ですが、
これに空気をかまわせるように泡だ立たせると、泡は白色に見えます。

本来、空気は見えないはずで、洗剤も透明なら、泡も透明になるはずですが、
実際には洗剤の泡は白く見えます。
この場合は、泡に可視光線が当たって、跳ね返されたため、
白色の泡と目は認識するわけです。

酸化チタンは微粒子にすることで、可視光線は跳ね返さないため、
透明となりますが、紫外線をよく吸収するようになります。

ちなみに牛乳は油の粒子が水に分散している状態ですが、
油の粒子を微細化すると白い牛乳が透明な牛乳へと変化します。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品原料 

2008年02月15日

廃油石鹸 その3

廃油を混ぜた石鹸は、地方の石鹸屋が良く作っていましたが、
大手ではミヨシ石鹸のみだと思います。

ミヨシ石鹸は、水素添加する設備を保有しているので、
たとえば回収した植物油に水素添加し、つまりリノール酸をオレイン酸に変えて
洗浄力や臭気などを改善する技術を持ち合わせています。

普通の石鹸屋は、油脂に苛性ソーダを加えて石鹸を作るだけですので、
それを思えば、ずいぶん技術が進歩した石鹸屋さんでしょうか。

昔は、ミヨシさんの石鹸も廃油を高度利用して、エコマークがついていたのですが、
今はついていないものが店頭に並んでいました。
(もしかしたらエコマークつきの粉石けんがあるのかもしれません)

昔、廃油を集めて、石鹸にして使用するという運動がありましたが、
グループの中には、大手の化学会社に廃油を持ち込んで、
水素添加をして廃油を改質して石鹸に使うということが雑誌に載っていました。

食用で使う油をそのまま石鹸にして使うと、洗浄力が悪くなる為、
水素添加することで、洗浄に適した油に改質するわけです。

ちなみに飲食店で出た廃油を回収するシステムは
日本では結構確立されています。

廃油で一番質の良いものは、飼料向けとなります。
ブロイラーや牛や豚のエサに混ぜ合わせます。

その次のグレードは、油脂を分解して、脂肪酸にして、
さまざまな工業用原料にされます。

バイオディーゼルと称して、廃油とメタノールを反応させて
ディーゼル燃料とする用途もありますが、
廃油の値段が上がりすぎて、期待されるほどは進んでいないようです。

むしろ、今は廃油をそのまま重油に混ぜて、ボイラー燃料にして
燃やしてしまうとか。

石油の値段が安いときには考えられませんでしたが、
重油の値段が今ぐらいなら、廃油を混ぜて燃やすほうが
経済的だそうです。

ちなみに同じようにリサイクルが確立している古紙同様に
中国への廃油の輸出が急増していて、国内では品不足のようです。

廃油から作った脂肪酸は何年か前なら、大手の油脂会社も
取り扱っていて、ある程度精製された脂肪酸を簡単に手に入れて
廃油石鹸を作ることが可能となっていましたが、廃油が輸出や燃料用途に
使われるようになってからは、原料不足となり
精製した廃油脂肪酸もかなり量が減っているようです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化学の基礎 

2008年02月13日

廃油石鹸 その2

石鹸の有機物量、すなわち炭素の量が多いと、その分生産地である
東南アジアに負荷をかけます。

たとえばパーム油1Kgから、石鹸は一人分の洗剤を作れるとすると、
合成洗剤は銘柄にもよりますが、3人〜10人分の原料となります。
(合成洗剤は空気中の酸素をくっつけて作りますので、
 単に洗剤としての使用量が少ないというだけでなく、界面活性剤として
 成り立つ為の有機物量も種類によっては少なくなっていきます)

そのため石鹸は植物原料を多量に使う贅沢な洗剤のため、
価格もその分割高で販売されています。

ただ、20年くらい前でしょうか。

その当時から石鹸業者の中には、油が安いからといって、大量に使用して
石鹸を作るのは、省資源化とは逆行するのではないかという危惧がありました。

そこで登場するのが、廃油石鹸です。
廃油石鹸は、食べ物屋から出てくる廃油を集めて、
それを原料にして作る石鹸です。

ただ、廃油100%で作ると、洗濯物に臭いがつくこともあるので、
廃油を50%程度混ぜて作ります。

当然、一度調理に使った油を使う為、省資源化にも役立つため、
廃油石鹸は、地球にやさしいというエコマークがついています。

ちなみに液体石鹸でもパウチ詰めされているものは、地球にやさしいマークが
ついていますが、あれはあくまで容器に使うプラスチック樹脂の量を
減らせた記念でもらったもので、石鹸自体が環境にやさしいから
エコマークがついているわけではありません。

石鹸からエコマークの適用が決まってから、ずいぶん年月が経ちました。
時代というのは残酷なもので、エコマークをつけた廃油石鹸は
ほとんど姿を消し、変わりにエコマークのない石鹸が売り場を占拠しています。

営業力の違いなんでしょうけど、廃油石鹸をずーと使っていましたので、寂しい限りです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化学の基礎