2008年04月

2008年04月30日

保湿できる乳化剤

化粧品の乳化剤というのは、一般的に乾燥するイメージがあるかと思います。

肌の保湿成分を取り去って・・と解説するサイトもありますが、
実際はそうでもありません。

代表的なのは、レシチン。レシチンは卵黄や大豆など含まれ、
動物の細胞を包んでいる細胞膜の主成分ですが、
化粧品の乳化剤として使われています。

このレシチンは、ただの乳化剤と違って、保湿も出来、
また使い心地がよいため、クリームに使われることが多い乳化剤です。

通常は、大豆から抽出したり卵黄から抽出したものを使用します。

ただ、レシチンは酸化に弱いという弱点があって、
この酸化しやすい部分に水素を付加して改良したものが水添レシチンです。

化学構造がレシチンと全く異なるかというとそうではなく、
レシチンといってもいろいろな種類の混合物なのですが、
この中にある酸化に強いレシチンと全く同じ構造であるのが水添レシチンとなります。

ほかには、脂肪酸グリセライド、ステアリン酸グリセリルのような
○○酸グリセリルという名称のものです。
こちらは油に近い乳化剤で、油はグリセリンに脂肪酸が3つくっついたものですが、
こちらはグリセリンに1つの脂肪酸をくっつけただけのものです。
合成界面活性剤に分類する人もいますが、実際は人間の肌にも
存在する界面活性剤で、油と水があれば、油は水により分解して
このタイプの活性剤になりますので、自然に存在するといっても過言ではないでしょう。
工業的には油1に対してグリセリン2を足して、高温に加熱すれば作れます。
あとは分子蒸留という装置で、このモノグリセライドのみとってできあがりです。

化粧品のクリームに使われるほか、食品用、お菓子などの乳化剤として
良く使われます。


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2008年04月28日

DNA修復剤

アメリカでは、紫外線によって起こるDNAの修復酵素を化粧品に応用しようとする動きがあります。

化粧品よりむしろ医薬品ですね。

DNA修復酵素を含むローションを使うことで、
紫外線の害をかなり弱めたという研究結果があります。

その結果を元に新薬として申請を行ったようです。
これから審議され、承認されたなら、なかなか面白いかもしれません。

特に白人の場合は、老化が進みやすいので、DNA修復剤というのは
アンチエイジング市場において、かなりインパクトのある素材だと思います。

紫外線で傷ついたDNAを修復しやすくするという売り文句の生薬エキスがあって、
おそらく手作りしている方には結構メジャーかと思いますが、ユキノシタエキスがそれに当たります。

ただ、これは菌のDNAについてみたものなので、実際に人間の肌で
効能を発揮するかは実証されていません。

菌の場合は、紫外線で簡単に突然変異が起こります。
それで菌を培養する培地にエキスを入れた上で紫外線を当て、
この突然変異が起こるかどうかみるわけです。

まあ、しっかり紫外線対策をされておられるのでしたら、
関係ないかもしれませんが、だいたい紫外線の脅威にさらされるのは子供なので、
子供のUV対策は、ある程度考えておく必要があると思います。


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2008年04月25日

DNAを修復する

真夏の昼間に1時間浴びた紫外線は、表皮の上層部の細胞、1個当たり100万個の傷をつけると書きました。

皮膚には何ら外観上変化はありませんが、内側では大変なことになっています。

よく化粧品添加物や界面活性剤の害が言われますが、
現実的にDNAに傷をつけるものはないと考えられます。

しかし、紫外線は表皮の細胞をいとも簡単に傷をつけます。

皮膚の細胞は、がん細胞並みに増殖率が高い細胞です。

毎日細胞分裂しています。

1個の細胞が2個になるためには、遺伝子情報も正確に伝えなければなりません。

さらに紫外線がつけた遺伝子への傷を細胞分裂前に修復しないと
誤った遺伝子情報が伝えられてしまいます。

ただ、紫外線とは人間が存在する前から生物は長い付き合いをしていました。
そのため、紫外線が遺伝子へ傷をつけることは計算済みで、
その修復を行うための酵素を持っています。

数時間から長くても24時間で、修復を行います。

傷がついた部分の遺伝子をそっくり入れ替えることで、対応していくわけです。

大腸菌から人間まで、この修復酵素をもち、紫外線に備えています。

逆にこの酵素を持たない色素性乾皮症の人は、若くして皮膚に多数の癌が
発生してしまいます。


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2008年04月23日

紫外線の害

紫外線というのは、エネルギーを持った波です。

植物はそれを利用して、光合成などに使いますが、
必要以上のエネルギーを与えられるとおかしくなってしまいます。

人間の体内には、よいのか悪いのか、紫外線のエネルギーによって
化学構造が変わるものがいくつもあります。

紫外線のエネルギーを身近で利用するのは、洗濯物や布団の殺菌でしょうか。

紫外線が菌にあたると、菌のなかのタンパク質が化学変化を起こして、
菌が利用できなくなったり、突然変異を起こして、死滅していきます。

人間の体内でも同じように紫外線が当たると化学構造が変わってしまいます。

とくに影響を受けるのが遺伝子でしょうか。

遺伝子が紫外線のエネルギーによって変化してしまいます。

菌の場合は、突然変異を起こす原因となりますが、
人間は進化していますので、おかしくなった遺伝子を修復する
酵素を持っています。

早老症の中には、この紫外線によって傷つけられた遺伝子を
修復できず老化が進むものもあります。

ちなみに、表皮上層では真夏の太陽に1時間浴びると、
1個の細胞が持つ全遺伝子情報のうち、100万個も傷がつくとされています。

結構な数だと思いませんか?

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2008年04月22日

リペアエッセンス

リペアエッセンスがトゥヴェールから発売されました。
20mlで2100円。

セラミド1、セラミド3、セラミド6とフィトスフィンゴシン、
コレステロールなどを含んだ製剤です。

肌のバリア構造に必要な細胞間類似脂質を補えるのが特徴の製剤です。

擬似セラミドは油溶性のため、オイルなどに溶かして使う必要が
ありましたが、こちらは水溶性タイプとなり、水に溶かして使用できます。

ヨーロッパの企業が開発したもので、セラミドだけでなく
細胞間脂質を補うということをコンセプトに作られたものです。

肌に塗ると角質層に浸透して細胞間類似脂質がラメラ液晶を形成します。

すぐに肌の改善というわけではありませんが、じっくりと肌を保護する効果を期待できます。

化粧水に10%程度混ぜることで、セラミドのしっとり感を付与できます。

ビタミンC誘導体とも混ぜれますが、2層に分離する傾向があります。
この場合は、2層式化粧水のように使用前に軽く振って使う必要があります。

このリペアエッセンスですが、実は数多くの化粧品に採用されている原料です。

セラミドを水へ分散させるのに「ウロイル乳酸Na」という珍しい乳化剤を使用しています。
この乳化剤は石鹸の原料となるラウリン酸と保湿剤の縮合型乳酸を
くっつけたものですが、乳化力が弱く用途に乏しいため、
日本の乳化剤メーカーでは製造していない乳化剤です。

そのため、各化粧品の成分表示をみて、ラウロイル乳酸Naと記載され、
なおかつセラミドが1、3、6兇箸△辰燭覆蕁
リペアエッセンスを配合しているものと見なすことができます。

「ラウロイル乳酸Na」で検索すれば、非常に多くの化粧品に
採用されていることがお分かりになるかと思いますが、
それもこの製剤の実力によるものです。


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2008年04月18日

細胞の寿命 その5

細胞の寿命が何で決定されているかは、未だ諸説あります。

その中で一番有名なのは、テロメア説。

細胞が分裂を繰り返すと、テロメア遺伝子が、短くなっていき、
最終的にある一定の長さになると細胞の分裂が停止します。

老齢になるほど、細胞のテロメア遺伝子は短くなっていくことが
証明されていますし、がん細胞は、この短くなるテロメア遺伝子を
元の長さに戻すための能力を持っています。

そのため無限に増殖が可能となっています。

逆にテロメアの短縮速度が速いために老化が早くなることもあります。
ダウン症では、コラーゲンを作る細胞のテロメアの短縮がとても早いことが
わかっています。

また、他にも他人の10倍のスピードの老化していくウェルナー症候群も
このテロメアの短縮が早いことがわかっています。

ただ、このテロメア説も色々な証拠があるにもかかわらず、
まだ、老化の大きな要因となっているという確証が得られていません。

動物実験では、テロメアを短縮するように仕向けても
早老症のような症状はほとんどでなかったりするからです。

テロメアは老化の要因の1つに過ぎないというレベルでしょうか。

ちなみにテロメアは細胞を分裂しなくても短くなることがあります。
それは、活性酸素に襲われたときです。

活性酸素は、様々な害が言われていますが、テロメア遺伝子は
とても活性酸素の攻撃を受けやすい部分となりますので、
攻撃されるたびに短くなっていきます。

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2008年04月16日

細胞の寿命 その4

人間の細胞をシャーレで培養し続けると、中には50回の分裂では止まらず、
70回も100回も分裂できる細胞も出現します。

いわゆる細胞の変異により、不死化細胞に変化してしまうのです。

通常は50回も分裂すると細胞数は急激に減少していくのですが、
不死化細胞は細胞数をどんどん広げていきます。

いわゆるガン細胞へ変化です。

そもそもがん細胞というのは、かなり分裂を経ているため、
細胞自体も老化しているはずです。

そのため、分裂スピードも遅くなるはずですが・・・、
実際は、かなりのスピードで分裂していきます。

分裂にはたくさんのエネルギーを産出する必要があるため、
がん細胞というのは、単に寿命が延びただけではなく、
老化によって機能が落ちたエネルギー算出力もガン化によって
取り戻していることがわかります。

昔は、細胞のエネルギーの製造は、ミトコンドリアという部分で
行なわれるため、老化はこのミトコンドリアの機能が低下して
起こるものと考えられていました。

ところが、ガン化した細胞と老化した細胞を融合させると
老化した細胞のミトコンドリア機能が回復することから、
ミトコンドリアの機能低下によって、老化が引き起こされるのではなく、
細胞の司令塔である細胞核が老化に深く関与していると考えられています。

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2008年04月15日

細胞の寿命 その3

老人と若者の体を比べたらおわかりになるかと思いますが、
老化とは細胞数が減って、さらに細胞機能の低下の結果、引き起こされるもの。

老化対策に、若いときに細胞を取って、それを冷凍保存し、
年を取ってから細胞を体に戻すというサービスがあります。

安全で効果的なアンチエイジングになると宣伝されていますが、
周囲の老化した細胞と協調して若い細胞がうまくやっていけるかは
未知数が多いのではと考えています。

もし、若い細胞を免疫細胞が「異種のもの」と認識すれば、
攻撃を開始して、アンチエイジングどころか、
体内が大変なことになります。

何の落ち度もない正常に活動している細胞を免疫細胞が敵と見なして、
攻撃する病気は膠原病や円形脱毛症など数多くの病気がありますが、
人口の1%以上の方がこれらの自己免疫疾患で苦しんでいる現状を
考えると果たしてきれいごとだけで済まされるのかどうか。

人間の体の細胞を取って、それをシャーレで培養し、
何世代まで細胞の分裂が可能か、約40年前に調べた実験があります。

面白いのは、人間だけでなく動物の細胞をとって
培養すると、その寿命に応じて細胞の分裂回数も比例したということです。

人間の細胞分裂回数は50回で、2年程度しか生きれないねずみは9回、
100年以上生きるカメは100回とまさに細胞の分裂可能な回数の上限が
その生物種の寿命を表しているということです。




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2008年04月13日

細胞の寿命 その2

長寿遺伝子というのが、2年ほど前でしたか、話題になりました。

この遺伝子はサーチュインと呼ばれ、この遺伝子が活性化したものは
他のものに比べて長寿であることが発見されました。

まだ、線虫やハエ、マウスなどでしか長寿は確認できていませんが、
面白い遺伝子です。

この遺伝子は、下等生物だけでなく、人間にもあることがわかっています。

長寿遺伝子が活性化するのは、カロリー制限をしたときなので、
誰でもこの遺伝子を活性化させることはできますが、
ただ、食欲を抑えるのは、現実的には難しいものでしょう。

赤ワインに含まれるポリフェノールがこの遺伝子を活性化させるので、
一時期注目されましたが、動物実験から得られ結果を
人間の体に換算すると、毎日数百杯ものワインを飲む必要があり
全く現実的ではありません。

ただ、このサーチュイン遺伝子ですが、興味深いのはビタミンの中には
この遺伝子を抑えこむ働きを持つものがあるということです。

ビタミンB3、ニコチン酸アミドがそれに相当するもので、
この成分自体は化粧品によく使われています。

化粧品に配合すると、色素細胞がメラニンを角化細胞への受け渡しを
減らしますので、その結果弱い美白効果が現れます。
また、セラミドの合成を高める作用も持っています。

これらの機能発現とサーチュイン遺伝子がどのように関わっているのか
不明ですが、長寿遺伝子を抑えこむことが良いのか悪いのか、
未だ結論がでていません。


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2008年04月10日

細胞の寿命 その1

老化防止(アンチエイジング)が今後の化粧品のテーマとなるとされています。

疲弊した細胞をどうやったら若い頃のように力強く活力に満ち溢れさせるかが
ポイントですが、なかなかこれといった技術は無く、
とりあえず必要以上に日光に当たらないことが、若さを保つ上で
重要とされています。

人間の細胞というのは、とても分裂能力にすぐれていて、
精子と卵子が出会った頃は細胞は数えるほどだけだったのが、
1年も経たないうちに生まれて世に出る頃には3兆個まで
細胞の数は増えています。

さらに細胞の増殖は進み、猛烈なスピードで細胞が増えていきます。

だいたい18歳で、細胞の数のピークが訪れますが、
そのとき100兆個の細胞で、人間の体は構成されるようになります。

あまりにも数多くてピンときませんが、この100兆個の細胞活動に
影響を及ぼすのが各種ホルモンです。
まあ、ホルモンが変動しすぎると体の調子が悪くなりますが、
一気に何千億個の細胞へ影響が及ぶのですから、全体として
具合が悪くなるのもうなずけるのかもしれません。

アンチエイジングの研究を行なうとき、よく行なわれるのが早老症の研究です。

たとえば、とくに病気を持たない健康的な女性に対して
最も大きい肌の老化の原因は紫外線だとされています。

これは大規模に紫外線の多い地域と少ない地域を比較した結果ですが、
病気でも早期に老化が現れるものがあります。

代表的なのは、遺伝子に異常が起きて40歳頃に一般健康人の60〜80歳
くらいの状態となるウェルナー症候群です。

2本鎖DNAを1本鎖に巻き戻す働きを持つ遺伝子に異常が生じて、
正常な機能が発揮できず早老化が起こります。
この病気の患者のほとんどが日本人というのも特徴の一つです。


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