2009年06月

2009年06月05日

原子力で動く車

最近、ハイブリット車が売れているようですが、環境対策の本命は「原子力」や「水力」で動く車。

こう書くと特別な車のような感じですが、いわゆる電気自動車が相当します。

電気自動車のメリットは、ガソリンに依存しないこと。
つまり、電気を使用するため、日本では、電力の約3割が原子力発電ですが、
原子力で得た電気をそのまま車を動かすことに使用できます。

ハイブリット車は環境に優しいという触れ込みですが、
モーターを併用して、ガソリンを効率よく使うための車。
あくまで、燃費の改善しかできず、電気だけで動くわけではありません。

ガソリン車は、低速時の燃費効率が極端に悪く、この部分を電気モーターに
置き換えることで、燃費が向上します。

とくに都市部では、信号でよく止まりますから、燃費が悪いことは皆さん実感しておられることだと思います。

一方、電気自動車は、エネルギーを動力に変える効率は90%近くあって、
非常に燃費がよいのが特徴です。ガソリン車はその効率はせいぜい3割で、
しかも高速時にその効率が良くなるのに対して、電気モーターは低速から高速まで
効率が高いのが特徴です。

電気自動車の面白い特徴は、ブレーキを踏むことで、発電することができ、
その分、走行距離が伸びることです。

それゆえ、ブレーキを踏むことが多い、都市部では走行距離が長くなるという特徴があります。

ただ、こんなに電気自動車は良い点があるのに未だ商業化されていないのは、バッテリーの問題があります。

バッテリー1kgに充電して走れる距離がガソリン1Lから走れる距離に比べて、50〜100分の1程度しかないからです。

つまり、大きなバッテリーを積まないと、長い走行距離を走れないのですが、バッテリーは、とても高いというコスト的な問題があります。しかも、バッテリーは永久に持つわけではなく、途中で多額のコストを支払い交換する必要があります。

ガソリン車に比べて、燃費が1/3の電気自動車の弱点が、バッテリー価格の高さで、結局、総合的なコストを見ると、電気自動車の方が高くなってしまいます。

アメリカで環境対策車として、電気自動車の話題が多くなっているのですが、
その電気自動車はプリウスのようなハイブリット車をベースにバッテリー容量を
大きくしたものです。

バッテリーは、たまにしか行かない遠距離のドライブを想定すると、
大きな容量が必要になりますが、普段の買い物や通勤に使用する程度の短い距離なら
バッテリーは、その距離を賄う程度の小さなものでも十分です。

バッテリーの電池が切れたら、ガソリンで走ればいいやというもので、
電気自動車とガソリン車を兼ね備えたものですが、普段は電気で走るというのが、
アメリカで開発が進んでいるハイブリット電気自動車です。

ガソリンがないと全く走らない日本のハイブリット車とは、ちょっと違います。

しかも、バッテリーに充電する電気は、家庭のコンセントで充電できますから、
太陽光発電の電気を充電すれば、ガソリンを全く使わず、太陽光のみで車を走らせることも可能。

スーパーの駐車スペースで充電できる設備も開発中で、都市部なら、電気のみで走れる時代がやってくるのかもしれません。

アメリカの自動車会社は倒産したり、その危機に瀕していますが、したたかに環境分野での一発逆転を狙っているようです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 化学の基礎 

2009年06月03日

ビタミンCの酸化

ビタミンCというのは、人間が体内で有効活用するビタミンの1つ。
その作用は、単なる抗酸化にとどまらず、生命維持に必要なたんぱく質を作るために不可欠な材料としても扱われています。

このビタミンCですが、抗酸化作用を行うと、ビタミンC自体は酸化されます。

2回ほど酸化されても酸化したビタミンCは、体内にある酵素によって
ビタミンCへ再生されます。

人間の体には、ビタミンCを作る酵素はありません。

しかし、酸化したビタミンCを再生する酵素を酸化具合によって、
2段階で用意しているが人間のよいところ。

ビタミンC自体は野菜から摂れますので、進化の過程で
体内での合成はやめて、むしろ使ったビタミンCを再生して再度使うという
「リサイクル」に特化して進化しています。

そもそも野菜やフルーツに含まれるビタミンCは酸化されているタイプも
含まれているため、それらもきちんと利用するため、
実に合理的にできています。

さて、化粧品にはビタミンC誘導体が主に使われます。
当然、ビタミンC誘導体もビタミンCと同様に酸化防止効果があるのですが、
当然、同じように酸化されてしまいます。

生体内に入ると、酸化して効果がなくなったはずのビタミンC誘導体は
同じように再生酵素によって、ビタミンCに変換され、利用されていきます。

なお、ビタミンCが抗酸化剤として使われるのは、酸化反応の伝達を防ぐからです。

たとえば油が酸化し始めると、酸化は健全な油にも伝達していき、
やがて全体が酸化してしまいます。

酸化防止剤というのは、この酸化の伝達を食い止めるのですが、
人間の体で使われる酸化防止剤というのは、酸化した状態でも
特に毒性が強くないことが上げられます。

これはとても重要なことなのですが、酸化した油は癌の原因になったり、
皮膚に沈着してシミになります。60代以降の人の肌では
酸化した油とたんぱく質がくっついたものが、皮膚の表面に出てきて
特徴的なシミとなっています。

ビタミンC自体は油の酸化は食い止めませんが、油溶性ビタミンC誘導体になると
油の酸化を抑えたりします。

ほかの抗酸化剤と違って酸化したビタミンCは体内で再生されるため、
酸化してもビタミンCの効力を失ってはおらず、
栄養成分の表示も酸化したビタミンCと酸化していないビタミンCの合計量を
ビタミンC含有量として表示されています。

酸化しても酸化していないものと同様の効果があると見なされるのは
ビタミンCぐらいなもので、とても面白い成分であります。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(5) 抗酸化ビタミン 

2009年06月01日

レチノールと癌

レチノールは細胞の成長に欠かせない成分です。
そのため、欠乏する問題を起こしますが、過剰すぎても様々な不具合が生じます。

ただ、この強力な細胞成長促進作用が薬になる場合もあります。

皮膚科領域では昔からビタミンA軟膏が使われていました。

近年では、ビタミンAよりもさらに活性が強いレチノイン酸が
しわ治療剤として、アメリカで保険適用となっています。

ただ、レチノイン酸は副作用も激しく、日本人女性には合わない確立の方が高い薬剤です。

そのため、ビタミンEとレチノイン酸を結合させたレチノイン酸誘導体が、化粧品や皮膚外用剤で使用されています。
こちらの場合は、レチノイン酸より刺激が少なく、また、酸化しにくい構造となっているのが、特徴です。
レチノイン酸トコフェリルと言います。

ちなみにレチノイン酸の強力なパワーは、抗がん剤としても使われています。

適用となるのは白血病で、白血病は、白血球ががん化して、無限に増え続ける病気ですが、一部の白血病に特効薬として作用します。

白血球が成長するにはレチノールが白血球の細胞にくっつく必要があるのですが、
がん化するとこのビタミンAを受け付けなくなります。

要するに子供が大人になるには、レチノールという恋人が必要と考えてください。
ところが、がん化するとレチノールは子供の白血球とくっつくことができず、
未熟な子供の白血球ばかりとなります。

ここに登場するのがレチノイン酸で、こちらは強引に子供の白血球へ取り付いていきます。

そうすると、子供の白血球は正常な大人の白血球となり、安らかな死を迎えます。

がん化した未熟な細胞を成長させ、死を迎えさせてやるのが、レチノイン酸療法です。

費用が安い割りに効果も高いレチノイン酸療法ですが、あくまで白血病の一部にしか効かないのが、残念なところです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 病気