2010年08月

2010年08月30日

キュレルと花王

私は花王という企業は好きではないのですが、アトピーの方に簡単に手に入り手軽にケアしてもらえる化粧品として、キュレルはお勧めできる化粧品と考えています。

キュレルは、擬似セラミドをそれなりの高濃度で配合されている割に、安価だからです。
とはいってもお買い得なのはクリームだけかもしれませんが、あれだけの高濃度で配合してもあの価格で大手メーカーで出せるのは花王ぐらいでしょうか。

通販ならもっと安いものもありますが、手軽に近くのドラッグストアで買えるとなるとキュレルしかありません。

昔は資生堂もアトピー肌向けのブランド化粧品を作っていたのですが、ブランド統合によって消えてしまいました。赤字だったのかもしれませんが、ワセリン以外で安くて、手軽に買える化粧品といえば、資生堂か花王のアトピー肌用ブランドだけなので、残念に思います。

もちろんある程度の金額を出せばいくらでもアトピー肌用のものはありますが、全身に低コストで保湿できるものといえば、かなり数が限られます。

ちなみに私が花王を好きではないのは、リストラをどんどんして人を辞めさせていくところです。
同じ業界でライオンがありますが、ライオンと花王の社風は全然違います。

ライオンは老舗でどちらかというとゆっくりとした時間が流れているというか、おおらかという感じです。

花王は逆にガツガツやっていくというのが前面に出すぎていて、成績が良くないと容赦はありません。リストラで人をどんどん入れ替えていきます。
おかげで会社はどんどん成長していきますので、停滞気味のライオンとは差がどんどん開くばかり。

もちろん、時代は変わりますので、それに見合う経営をしていかないといけないのですが、もう少し情というものがあればと思います。

ライオンと花王、もとは釜焚き石鹸屋でしたが、企業誕生から100年後には大きく変わりました。


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2010年08月27日

本日はお休み

今日は家族旅行のため、ブログはお休みです。

旭川〜美瑛・富良野〜トマム〜千歳といって帰ってきます。

昨年は消防団の旅行で札幌・旭川へ行ってきましたが、
今回はお盆休みを遅くに振り替えて旭山動物園へ行ってきます。

いずれは道南、道東へも行ってみたいですが、チビが大きくなるまでお預け。

北海道も今年は暑いようで、少し心配な面もありますが、大阪よりは断然過ごしやすいと思いますので、期待しています。



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2010年08月25日

水に溶ける油 その2

タンパク質をうまく利用することで、油を水に溶かすことが出来ます。

ただし、化粧品には使えません。余りにも使用感が悪すぎて、使う意味が無いからです。

しかし、食品では別です。タンパク質のうまみやコクが出て、食品の風味改善にも役立ちます。しかも、合成乳化剤を使わなくて済む。

タンパク質で乳化した油というのは、食品分野では非常に拡大を続けています。
少しお高い加工食品などには結構入っているようです。

この乳化した油は味を感じる舌の部分の細胞へ入っていきやすい粒子の大きさということで、味の表現力に幅を持たせます。

調理は技量によってその差が反映されてしまいますが、水に溶ける油を使うことでその技量の差を縮めることができます。

達人が食品中のタンパク質などを利用して油を上手に微粒子化するところを素人が手軽にやってのけるわけです。

牛乳は油をタンパク質で乳化した水なので、牛乳を使うことで油の微粒子を食品に入れ込むことが出来ます。ただ、何でも牛乳を使うわけにも行かず、また、牛乳の脂肪分はせいぜい5%程度。牛乳より濃い油の濃度で風味付けをしたい場合もあります。
そういうときにはこういった加工原料が重宝されます。

また、素人が水をいれるだけで手軽に食品を作れるプレミックスの粉原料にも使われます。ホットケーキの粉などがそうです。
ただ、コストが高いので使える食品は限られています。

正月の特番で、芸能人が目隠しして料理を食べて、偽者と本物の真贋を問う番組がありました。その中で、安いステーキ肉を高級肉に見せかけるために確かグレープシードオイルを使っていました。牛脂ではなく、植物油を使うのがポイントなのかもしれませんが、あえて違う油を肉の中へ入れ込むだけでかなり風味が改善されるのも事実のようです。

油というのは使い方によって様々な味を作り出せるので、実に面白い素材だと思います。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)食品の科学 

2010年08月23日

水に溶ける油

食品分野では水に溶ける油というのが、業務用分野でものすごく流行っています。
植物油のような液体の油から牛脂のような常温では固まっているような油まで。

油は水に普通は溶けません。

水と油は化学的に違うため、交じり合うことができません。

この境界を壊すのが界面活性剤。

界面活性剤は油と水の境界面に取り付いて、お互いが混ざり合うようにそれぞれの性質を兼ね備えたものが選ばれます。

低分子のものもあれば、高分子のものも。

化粧品の場合、使用感という大きな問題があって、安全なものなら何でもいいというわけではありません。

一方、食品の場合は味が問題となります。化粧品で使うたいていの界面活性剤は苦くて不味いです。それはそれで誤飲防止に役立つのですが、美味しくても下痢を起こさないなど色々制限があり、食品添加物として使えるものは限られています。

ちなみに人体を見つめてみると、血液という水の中には油が細かい粒子となって運ばれて、各組織で利用されたり蓄積されたりしています。

このときに使われるのがタンパク質。タンパク質は水に溶けるタンパク質と油となじみやすいタンパク質の2種類があります。
アミノ酸は水に溶けるものと溶け難いものの2種類があり、すべてのアミノ酸が水に溶けやすいというわけではありません。
たまたま、水に溶けやすいアミノ酸が飲料などに利用されていて、水に溶けて当たり前というイメージがありますが、実際はそうではありません。

人体はうまくアミノ酸の組成をコントロールすることで、油を水に分散させるタンパク質などを作っています。
外側は血液になじみやすいアミノ酸組成にして、内側は油になじみやすい組成にするという具合。
タンパク質だけで溶けているわけではありませんが、油の粒子を安定に水へ分散させるため大いに役立っています。

身近な例では牛乳もレシチンやタンパク質の複合体によって水へ油の粒子が分散しています。

shin_chanz at 00:00|PermalinkComments(0)食品の科学 

2010年08月20日

水、その3

イオン交換水を高圧をかけてろ過した水は超純水と言われていますが、これは面白い特徴を持っています。

それは非常に溶解性が高いこと。

半導体工場や医薬品工場など、ほとんど無人で動く工場でも空気中の微粒子の管理は極めて厳しく行われているのですが、それに使われるのが超純水です。

超純水をどのようにつかうかというと、容器に入れて一定時間室内に保管して、そして時間がきたらこの超純水を検査します。

普通の空気なら簡単に分析ですが、ほとんど塵が飛んでいない状況で、さらに塵が何個あるかと調べるのは大変です。

そこで活躍するのが超純水で塵だけでなく、空気中の微量気体も吸収し、超純水を検査することで、適切な環境になっているのかを判断しています。

汚れを溶解する力が強いというのは、他にも応用できて、クリーニングの染み抜きにも使われることがあります。
ガンコなシミには難しいと思いますが、超純水を使うことで軽いシミ抜きに応用されるくらい面白い特性を持っています。

ただ、超純水は作る装置が高すぎるので、水自体も高価となり、また、保存するのもやっかいです。
うかうかしているとすぐに空気が溶け込んで超純水ではなくなってしまうからです。

作るのも保存も大変な超純水ですが、半導体産業では膨大な量を使用しています。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)分析・品質管理 

2010年08月18日

開発中の日焼け止め。

日焼け止めについてのたくさんのコメントありがとうございます。

現在の進捗状況ですが、ようやく界面活性剤を使用せずに酸化チタンやオイルの乳化に目処が立ちました。
レシチンなども一切使っていません。

ただ、界面活性剤を使わないとなると少々問題が出てきて、それは使用前に振って頂く必要が出てきたということ。

普通のオイルなら問題ありませんが、さすがに酸化チタンになると重たい金属ですので、徐々に沈降していきます。
乳液状を想定していますので、粘度はある程度ありますが、完全な沈降防止となると界面活性剤が必要になります。

しかし、今回は界面活性剤を使いませんので、ボールを容器に入れて使用前に振ることを前提にしています。

ほぼボールは無くても大丈夫というところまで開発が進んでいるのですが、安定性をじっくりチェックしながら、春先には発売したいと考えています。

この界面活性剤を使わずに乳化するという技術自体は以前からあるのですが、普通のクリームに応用すると、感触がいまいちという問題がありました。
みずみずしくなり過ぎて、日本人の好みに合いづらいものでした。

しかし、ノンシリコーン型の日焼け止めのような感触のものに使うと、酸化チタンのようなキシミ成分が多くてもキシミが出にくいというようなものとなります。

ある程度、処方が固まれば、モニターを募集していきたいと思いますので、そのときはよろしくお願いします。

日焼け止めとしてのスペックはSPF30 PA++くらいを想定しています。


shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(20)日焼け止め 

2010年08月16日

物質の循環

食料品の廃棄について色々調べていると、パン工場や牛丼チェーン、その他多くの外食産業はかなりのリサイクルを行っています。
たとえばラスクが未だに流行っていますが、パンの耳は捨てられる運命にあります。
膨大な量のパンの耳が捨てられていますが、それは豚の餌となり、無駄にはされていません。とことん利用されています。

外食での食べ残しも同様に豚の餌になるようです。

外食の場合、食べ残しを家に持って帰って食べてしまうのが、無駄にしない最善策と思いますが、店側が後々のクレームを恐れてか、食べ残しを持って帰るというのは、難しいのが現実。

食料自給率が40%に下がったとかいうニュースを見かけましたが、生産量を増やすより無駄な廃棄や作りすぎを無くすのが上策でしょう。

加工食品の賞味期限間近のものを安く買いたいという人は多くいるのですから、メーカーや卸も焼却処分にせず、柔軟な対応を行っていただきたいと思います。

さて、循環社会という言葉がありますが、できるだけ地球に負担をかけないよう炭素を他の生物と共に循環させて生きていくのが今後、必要になるのでしょう。
日本は人口が減る一方ですが世界レベルでは増える一方。

炭素だけでなく、窒素やリンなどキーになる成分はリサイクルが必要となります。

数年前はリンが中国の輸出規制によって大幅に値上がりしましたが、今は不況のせいでかなり落ち着いています。

循環を考えるとリンはやっかいな元素。
窒素や炭素は一箇所に固定されず、生物から生物に渡り歩いて利用されていきます。
たとえば石鹸や合成洗剤も植物を原料に合成されますが、使用されると水中の微生物によって分解され、大気に戻り、その後植物に吸収されるという運命を辿ります。

しかし、リンの場合は厄介で、肥料として土壌に与えられてもせいぜい数十%の利用率で、土壌の金属と反応して不溶性で植物が利用できない形になって蓄積されていきます。

循環されるからこそ資源は再生されていつまでも使い続けることが可能ですが、リンだけは世界中の土壌に蓄積され、循環効率がかなり悪くなっています。

リンは生物にとってエネルギーを作り出す源の元素であるため必ず必要で、田畑からリンを回収するような植物が必要になるのかもしれません。

畑で同じ作物を作り続けると、土壌中の栄養分が無くなりやがて作物は育たなくなります。
そこで輪作といって大豆などのマメ科の作物を植えると、大豆と共存する細菌が空気中の窒素を固定して、土壌に養分を蓄えていきます。作物も育ち、土壌が回復するので輪作は農業にとって重要なのですが、リンについても土壌から回収して再利用できるような仕組みが必要かもしれません。


shin_chanz at 00:00|PermalinkComments(0)化粧品原料 

2010年08月13日

食品ロスと大阪の事件

食品産業センターによると日本で食品として利用されている農産物は9100万トンで、このうち捨てられる分は食品産業から1100万トン、家庭から1100万あるようです。
2200万トンのうち、焼却処理分は1400万トンでリサイクル分は800万トン。

このリサイクル分のうち、まだ食べられる分はかなりの部分を占めているというのが実情のようです。

日本ではなじみがありませんが、アメリカでは賞味期限切れの商品を引き取って福祉施設に無償で届けるフードバンクが発達していて200万トン程度捌かれているようです。

アメリカは、映画にも良く描かれますが教会や福祉団体が失業者等に無料で食事を与えたりするので、余った食品を有効に使おうという意識が社会に根付いています。

日本の場合は、商慣習というものがあって、加工食品の場合、有効期限の1/3に達したところでメーカーからの出荷が停止されます。
12ヶ月の賞味期限があり、12月1日に賞味期限を迎えるものは4月1日にメーカーから出荷停止になります。
メーカーから卸へ出荷された後、この商品は8月1日には卸から小売店への出荷が停止されます。

つまり、賞味期限が長くても商習慣のため、メーカーや卸で廃棄する食品がとても多いのです。

安全を求めすぎという話もありますが、一方で食中毒は絶えず、保存料についてどう考えるかという問題もあります。
無添加志向が一般的ですが、保存料を使えば賞味期限を延ばせることにより食品ロスを減らすことが出来、廃棄分の無駄な金銭的な負担だけではなく、地球にも負担が少なくなると思います。

まだまだ、この点は科学的な視点だけではだめで、消費者の心理、経済成長など色々な要因もありますので、簡単には行かないと思います。

さて、この前あった大阪の幼い子供へのネグレスト事件は衝撃でした。
捨てる食品はたくさんあるのに、子供に食べさせる分がないとは。

なんというか、身内以外の死でここまで悲しかったのは初めてというぐらい。
色々思うことはありますが、それはここで書くような内容ではありません。

会社ではアジアの子供たちへワクチンを寄付するキャンペーンをやっていますが、もっと足元を見ないと・・、大変考えさせられる事件でした。
今回の事件を機に児童擁護施設など寄付先の多様化を進めていきたいと考えています。

継続的に支援が必要な子供たちへ援助することが、あの子達に対しての供養だと思います。

良い支援先があれば教えてください。
寄付できる金額が少ないので、特定の施設というより、施設を支援する団体などを対象にしたいと思います。
お金にクリーンで、運営が明確な団体へ寄付したいです。

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2010年08月11日

動物を傷めない動物原料 その2

プラセンタは牛の場合、中絶して取り出しますが、豚の場合は違います。

豚のプラセンタは、出産した豚の胎盤を集めて抽出します。

ここが牛と豚とは大きな違いです。
牛はわざわざ妊娠させて取り出しますが、豚は出産して出てくる胎盤を集めます。
胎盤自体は産業廃棄物となるだけですので、それが売れるとなると養豚業者も喜んでいると思います。

ただ、プラセンタエキスは、高額なものが多いのですがそれには抽出に手間がかかりすぎるという問題があります。

プラセンタ自体は医薬品になるため、医薬品工場で抽出するため、その分コストがかかります。

胎盤をなんども洗浄して、血管などの付着物を取り除いた後、抽出を行いますが、注意深く抽出しないと有効成分であるタンパク質を抽出できません。

抽出した成分からどうでもいい成分と肌に良い成分を分けるため、コストがかかります。

そのため、プラセンタエキスは高額に成らざるを得ません。
しかも宮崎の口蹄疫のように突然わけのわからない病気が流行する危険性があるため、出産した胎盤をすぐに使うわけにはいかず、冷凍して3ヶ月ほど保管し、リスク管理を行います。
動物原料を扱うための必要な処置ですが、医薬品としても使われる分、ロット管理から農場管理までしなければならず、胎盤の入手コストが高いというより管理コストが高くついてしまうのがプラセンタエキスの宿命です。

管理される分、病気にかかった豚は排除されるため、安全に使いこなすことができます。

プラセンタは日本でも人気ですが、海外の方が日本以上に人気のあるアイテムのようです。

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2010年08月09日

動物を傷めない動物原料

動物原料には2種類あります。

一つは動物を傷めて、もしくは生命を絶って得られる原料。
もうひとつは動物を傷めずに採れるもの。

前者の場合は、牛プラセンタやコラーゲン、エラスチン、スクワラン、エミューオイル、馬油などがあります。
後者の場合は、豚プラセンタ(メーカーによる)、ラノリン、レシチン、動物の毛があります。

たとえば女性に人気がある原料といえばプラセンタ。
若い人というより50代以上の方には人気です。

昔、プラセンタの原料といえば、ヒトもありました。
出産時の胎盤は破棄される医療廃棄物のため、これを回収して化粧品屋がせっせとプラセンタエキスを作っていました。

ヒトから採れるものですので、胎児を成長させる成分に富んでおり、高齢の方には人気があったと聞いています。
しかし、エイズ問題が広がるにつれ、ヒトの胎盤を使うのは、エイズやそれ以外の未知のウィルスに汚染されている可能性が高いとして、化粧品や医薬品への使用は禁止されています。

ヒトの胎盤自体は、漢方でも用いられており、今でもプラセンタの錠剤は人気のようですが、昔から漢方でもなじみがあったようです。

プラセンタ自体はヒトの胎盤使用が禁止されたあと、牛に変わります。
その牛胎盤も狂牛病の発生と共に豚へ代わりました。

この牛プラセンタですが、今から思うと気持ち悪い話で妊娠3ヶ月で中絶し、胎盤と子供を取り出して、この胎盤から抽出しプラセンタエキスにして販売されていました。
出産まで待てないのは、妊娠3ヶ月程度のものが最良ということです。

コラーゲンもまた若ければ若いほど変性していなくて良いということで、子牛の皮が求められます。

牛革で最も高い革は、中絶して取り出した子牛から作られた革で、今でもそのしなやかでキメが細かい革は成牛では得られないとして、高級品に使われているほどです。

もちろん、こんなことは許されないと考える人も多く、コラーゲンでは培養細胞から作り出した純粋なコラーゲンが医療や化粧品にも応用されつつあります。

shin_chanz at 00:00|PermalinkComments(4)化粧品原料