2010年09月

2010年09月29日

試作品の日焼け止め

日焼け止めの試作品を10名の方に試していただきました。

概ね良好な反応です。

ただ、一つ問題点も浮き上がってきました。
それは汗を流しにくくすること。

もともとは水に分散しているゲルが肌の上に塗布した後、水分の蒸発に伴い酸化チタンと酸化亜鉛を固定化する膜が出来上がります。

日焼け止めのゲル膜ですが、このゲル膜に皮脂が吸着されると、皮脂量によってはゲル膜が強くなることがあって、汗をうまく蒸散させない現象が生じるようです。

今回は、10名の方のうち2名の方にその現象がありました。

汗をかきやすくなるという現象でしょうか。

この解決法がなかなか難しく、界面活性剤を使っていない日焼け止め特有の問題のようです。

今のところはティッシュで出てきた汗を抑えるというやり方で対応していただくしかありません。

ティッシュで抑えてもほとんど日焼け止めは落ちませんが、何かそんなことをせずに解決できないかと思案中です。

一番簡単なのは乳化剤の配合ですが、そうすると最初の目的である乳化剤不使用という点がクリアできず・・・。

すぐに解決できない問題だけに、頭を悩ましています。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(2)日焼け止め 

2010年09月27日

新しいハゲ治療法

血液から取り出したタンパク質をシワの皮膚へ打ち込んで、シワを治療する治療法が美容皮膚科で行われていますが、ハゲ治療についても同様の治療法が行われつつあるようです。

髪の毛を作るのは、タンパク質の命令によるもので、毛を作る細胞が生きている限り使える治療法です。

育毛剤の多くは、毛を成長させるためのタンパク質を作り出して、育毛に働きかけるものが多いのですが、思うように細胞がタンパク質を作らない場合もあって、その効果は限られます。

そのため、若い人から採取した細胞を培養し、毛を成長させる成長因子を作り出した後、このタンパク質を抽出して、頭皮に打ち込みます。

毛を作る細胞が生きているハゲの場合、この手法はある程度有効となります。

ただ、毛を作る細胞は、皮膚の奥底に存在するため、注射や針のついたローラーで薬剤を打ち込む必要があります。

しわに対する成長因子は多いのですが、ハゲ用の成長因子というのは、意外と化粧品用でもラインアップされていません。

そのため、育毛剤で、成長因子を配合したものは無く、昔ながらの薬剤を使用したものがほとんどです。
医薬品タイプの育毛剤になると、その成分はかなり限られ、開発自体も停滞している状況。
たまたま日本での発売が遅れていたため、新製品のように見えますが、実際にはかなり前に開発されたものがほとんどを占めています。

この新しいハゲ治療法ですが、問題は高価なこと。
1回12万くらいで、これを6回受けなければ効果が出にくく、しかもタンパク質を数ヶ月には一度供給する必要があります。

自分で作れる成長因子が少なく、他人のものを借りてハゲを治すわけですし、しかも医者しか注射を打てませんので、美容皮膚科にとっては美味しい商売のような気がします。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(3)脱毛 

2010年09月24日

石鹸の酸化

石鹸が酸化しにくい状態というのは、遊離の脂肪酸が無い状態です。

石鹸の酸化反応は、石鹸の状態より遊離の脂肪酸の状態の方が圧倒的に早く進みます。

つまり、脂肪酸と同じ分量のアルカリで作った石鹸の方が酸化されにくくなります。

ただ、洗顔に使う化粧石鹸は、泡立ちや泡のキメ重視で過剰の遊離脂肪酸が入っている状態です。この場合は、酸化しにくいラウリン酸やミリスチン酸等を使用するのが一般的で、またキレート剤が配合されているため、酸化も進みにくいのが特徴です。

遊離の脂肪酸があると、石鹸自体の刺激も低減できることから好んで配合されていますが、キレート剤が入っていないのに遊離脂肪酸を増やすと確実に着色の原因となります。

そのため、無添加石鹸メーカーの石鹸ではアルカリを若干過剰として石鹸を作っています。ここが無添加石鹸メーカーと化粧品メーカーの石鹸での相違点となります。

手作り石鹸の場合は、脂肪酸を残し気味で、石鹸を作るために遊離のアルカリは無く、着色しやすくなります。

手作り石鹸もコールドプロセスではなく、遊離アルカリを除去する工程のある塩析法で作れば、酸化しにくい石鹸を作ることも可能ですが、手間がかかりすぎて、難しいため、ほとんど行われていないのではないでしょうか。

後、もう一つの対策が石鹸中の水分を減らすこと。
石鹸にはだいたい15%前後の水分が含まれていますが、これを少し減らすと酸化しにくくなります。ただし、少なすぎると割れてしまうため、加減が難しく工場で石鹸を作る場合ならともかく、手作り石鹸では水分調整は難しいというより出来ないかもしれません。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2010年09月23日

石鹸の酸化

手作りで石鹸を作られた方は経験されることが多いと思いますが、石鹸の酸化というのは、無添加石鹸において避けることはできません。

市販のものでも無添加石鹸というものが作られていますが、ポイントは石鹸を構成する脂肪酸を如何に酸化しにくいものを使用するかに尽きると思います。

石鹸はラウリン酸やミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪酸のほかに、オレイン酸、リノール酸、パルミトオレイン酸のような不飽和脂肪酸から成り立っています。

この脂肪酸の中で酸化されやすいというのは、不飽和脂肪酸。
非常に反応性が高くて、空気中の酸素とくっつこうとしています。

つまり、不飽和脂肪酸をできるだけ入らないようにすれば、無添加であっても酸化しにくい石鹸となります。

ここが一番大事なポイントで、不飽和脂肪酸が入っているのに酸化しないよう努力するのは大変で、いわゆるEDTAのようなキレート剤を必要とします。

石鹸を作るときには油脂由来の鉄や銅などの微量金属が混入し、これが石鹸の酸化進行を加速させます。

キレート剤は金属にとりつくと、金属が悪さできないようにするため、石鹸の白さは常に保たれたままとなります。
ただ、キレート剤は金属のイオンを無力化するだけで、酸化防止剤としての効果はなく、いずれ石鹸は酸化されて、着色するようになります。

問題は、この着色が一様に起こらないことで、斑点のようなシミが出現したり、色々な酸化の形態をとっていきます。

常温で固化しているようなオイルより液状のオイルを使用した方がこういった酸化は起こりやすくなります。

酸化すると、変色するのも問題ですが、臭気も変化し、せっかくの香りが重たい香りへと変化することもあります。

原料の脂肪酸にも気をつける必要がありますが、酸化しにくい状態へおいておく必要もあります。


shin_chanz at 00:02|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2010年09月21日

界面活性剤は体内で分解される?

植物原料を使った界面活性剤の場合は、体内で分解されることも想像に難しくないと思います。

それでは合成系の界面活性剤の場合は?
様々な研究データがあるのですが、ねずみや犬だけでなく
人間を使ったデータも公表されています。
アメリカ軍が何の研究目的はわかりませんが、データを収集しています。
また、水資源が乏しく、下水を飲むしかない閉鎖的な町のデータ
(下水に含まれる洗剤を微量飲む必要がある)など、
様々なデータが収集されています。

アメリカ軍のデータでは、放射能を放出する炭素を利用して
界面活性剤を合成していて、どの臓器に放射能が分布していき、
排出するかを見ています。

その結果では腸や膀胱を通しての排出以外にも肺からの排出も結構あります。
つまり、合成界面活性剤は飲み込んでも大部分は便として排出されますが、
体内に入ったものは、尿として、そして分解された上で呼気ガスからも排出されます。

臓器への蓄積性があるかといえば、実際にはありません。
油に溶け易い界面活性剤が、脂肪組織に蓄えられるということはなく、
体内で分解・排出されます。
それは、界面活性剤の油に溶ける部分は植物油を原料にしていることが多く、
体内でも分解する回路が備わっているからです。

また、シャンプーに良く使われる硫酸エステル系の界面活性剤になると、
皮膚浸透性は乳化剤に比べて、悪くなります。タンパク質へくっつく性質があり、
皮膚表面のタンパク質へ結合するため、皮膚内への浸透が進まないためです。
飲み薬にも硫酸エステル系界面活性剤は使われますが、
腸からの吸収はほとんどなく、腸のタンパク質と結合して、
そのまま排出されていきます。

意外と蓄積せず分解されたり、排出されるのは植物起源の炭素骨格を持っているからです。

ただ、ここに塩素やフッ素のようはハロゲン元素が入ってくると、
大きく様変わりして脂肪組織に蓄積されるだけでなく、様々な問題を引き起こします。
近年では液晶テレビ製造に使われるフッ素系界面活性剤が、
アメリカの国立公園の野生動物から検出され、この界面活性剤の製造が
世界的に禁止もしくは自粛されはじめています。

化粧品では使われないものの、産業用として使われるものがあり、
それがどういうわけか野生動物の体内で濃縮されていたので、問題となりました。
基本的にこのような界面活性剤は化粧品に使われることは無いので、
ヒトには問題ないと思います。

なお、フッ素系界面活性剤の奥深さは、人工血液にもなるところで、
他の界面活性剤では絶対に人工血液にはなりませんが、
血液の代替品にもなるという点は評価に値すると思います。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(5)界面活性剤 

2010年09月17日

界面活性剤は体内で分解される?

100%食品由来だと分解しやすいと考えられます。

界面活性剤は色々あり、油に溶ける界面活性剤では、グリセリン脂肪酸エステルというものもあります。こちらもスキンケアクリームには使われます。
主に食品用での用途もあり、でんぷんの老化防止として有用なものです。
無添加だとでんぷんの老化により数日で硬くなってしまうパンが、2,3日程度老化を遅らせる特徴があります。

作り方は油と油の2倍量のグリセリンを高温で混ぜると出来上がり。
あとは真空で加熱すれば、必要な成分のみを取り出します。
もともと自然界には存在する界面活性剤で、油を吸収する際に出来るものです。

それほど強い乳化力があるわけではありません。ただ、食べても油脂同様に消化吸収れていくため、安全性は高くなっています。

食品成分からつくる乳化剤は色々あって、糖と油脂を反応するものもかなりの数が存在します。

界面活性剤というのは、水と油に溶けるそれぞれの部分から成り立っています。

油に溶ける部分というのは、コストから言って椰子油やパーム油から採れる脂肪酸を使うことがほとんどです。
たまに牛脂などもありますが、ほかの油脂を使うというのは余りありません。

むしろ変化に富むのは水に溶ける部分です。
水に溶ける部分を色々変えることで、界面活性剤の性質を大きく変えることが出来ます。

食品由来といえば、砂糖やブドウ糖、でんぷんなどの炭水化物、アミノ酸やタンパク質、グリセリンなどが多くあります。

砂糖から作った界面活性剤は食品に使われますが、こちらも体内で分解されて砂糖と脂肪に分かれて、それぞれ吸収されていきます。
刺激性も低く安全性は高いのですが、泡立ちなどは弱く、化粧品より主にお菓子などの食品作りに使用されています。

shin_chanz at 00:00|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2010年09月15日

界面活性剤は体内で分解される?

通常は、石鹸のように界面活性剤を作るときはオイルを分解して作ります。

食品分野で使われる界面活性剤の場合、よく使用されるのが食品由来のものや原料にしたものです。

大豆から採れるレシチンは良く使われます。
こちらの場合は、チョコレートには製造時に粘度を落として加工しやすく、そして舌触りを改良するために使われます。
もともと大豆に含まれる成分ですから、たべても害はありません。
むしろ栄養となるぐらいです。

ただ、レシチンには問題がひとつ。それは酸化されやすいという点で、酸化すると異臭がします。
食品のように賞味期限が短いと別ですが、常温保存が前提の化粧品には使いづらく、レシチンの中の脂肪酸を酸化されないように水素を付加して、酸化されにくい脂肪酸へと加工します。
ただ、この場合、新規の合成界面活性剤というより、脂肪酸組成をリノール酸からステアリン酸に変えるため、天然に存在するレシチンと変わりません。
(水素添加は植物油からマーガリンや口どけの良い油を作るときに使われます。)

つまり、天然のレシチンは酸化されやすい脂肪酸からなるものと酸化しにくい脂肪酸からなるものが混在していますが、水素添加することで、酸化しにくい脂肪酸のみに組み替えることが出来ます。

化粧品で使われるのは、主に水添レシチンで特有の使用感があり、これが好まれることから多くの化粧品に使われています。

面白いのはレシチン自体が保湿効果を持つことで、保湿と乳化を兼ね備えた乳化剤のため、クリームに採用するメーカーも少なくありません。

レシチンなら、基本的に食べても栄養分となるだけで、チョコレートをはじめとして多くの加工食品に使われており、問題ない成分と思われます。


shin_chanz at 00:00|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2010年09月13日

界面活性剤は体内で分解される?

界面活性剤は体内で分解されると思いますか?
それとも分解されない?

そもそも合成界面活性剤は分解されないのか。

界面活性剤への批判に体内で分解されない、または蓄積されるというものがあります。
この主張については、申し訳ないのですが勉強不足としか言いようがありません。

理由は界面活性剤は何千という種類があり、一概にすべてだめとはいえないこと、
そもそも多くのものは蓄積しないというデータはきっちりあるのに何故そのデータは無視するのかという点。

怪しげな化粧品会社というのは、売りたいために無理な主張をするところも少なくありません。
一番の差別化は界面活性剤を悪者にするかどうかというところです。

もちろん肌に刺激が強いものを使っているところもあり、
疑問を持つような界面活性剤もあります。

ちなみに界面活性剤は大きく、洗浄用とオイルを水に溶かすだけの乳化用の2種類があります。
この二つの違いは、分子バランスで決まります。

油に溶ける部分はそこそこで水に溶ける部分が大きい場合は洗浄用、逆に油に溶ける部分が大きくて水に溶ける部分が
小さいものは乳化用です。

簡単にはこうして分類していくことができますが、中にはそれに当てはまらないものもあります。

化粧水にたまに使用されるひまし油系界面活性剤がそうです。
ひまし油系はオイルそのものを乳化剤として使います。
そして水に溶ける部分もとても大きく、それでいて洗浄力はありません。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)界面活性剤 

2010年09月10日

紫外線とビタミンC誘導体

なぜか、どこからの情報かわかりませんが、いつもこの季節になると毎年聞かれる質問があります。

それはビタミンC誘導体を朝に使うと紫外線によって肌に良くないのではないか?
ということがちらほら聞かれます。

色々なブログに乗っているようです。
はっきり言ってそれらに根拠はありません。

むしろ論文には様々なビタミンC誘導体が紫外線に対して、抗酸化機能を発揮して皮脂の酸化を防ぐというものがあります。

皮脂だけではありません。髪の毛の退色防止などにも効果があります。
これは紫外線がきついと塩焼けという現象が起こり、髪の毛のメラニンが分解され、茶髪に脱色したようになります。

髪の毛にも使用することで、髪の退色防止になります。
今は少し色を抜いた髪の毛が流行っているので、わざわざ退色防止をする必要はないのかもしれません。

なぜ、ビタミンC誘導体が昼間駄目といわれるのか。
それはビタミンCとビタミンC誘導体の違いがお分かりでない方が多いのだと思います。

ビタミンCの場合は、日光で数時間程度で酸化されていきます。
この酸化の速さが抗酸化剤として有用ですが、日光にあたると酸化されるため、果物でのパックなどは有効でないとされています。

これと同じようなことがビタミンC誘導体で起こりうると考えられるのでしょう。

しかし、実際にはビタミンC誘導体の場合、肌の表面ではビタミンCとならず安定な状態で肌の奥深く侵入したところで、肌の中の酵素によりビタミンCへ変換されます。
必要とされる場所で、ビタミンCを供給するというのがビタミンC誘導体の特徴で、日光の影響をほとんど受けないのが、ピュアビタミンCとの違いです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(6)抗酸化ビタミン 

2010年09月08日

落ちにくい口紅と油脂

チョコレートの分析で植物油とチョコレートを混ぜることで、砂糖の粒子がわかるようになると書きました。

化粧品でも過剰の油脂が問題になることがあります。
一番わかりやすいのは口紅。

口紅は植物油と色素もしくは顔料をワックスで固めたもの。

口紅が落ちやすいのは油脂が多く含まれる食事をしたとき落ちやすくなります。
理由は口紅のワックス成分や油脂が食事に含まれる油脂と簡単に混ざり合うため、口紅が落ちてしまうからです。

落ちない口紅というのは、シリコーンを使ったもの、海藻成分を使ったものなど色々ありますが、共通しているのは油に溶けない素材を口紅の基材としていることです。

口紅を塗った後、口紅の表面にシリコーンポリマーの膜ができて、油脂が口紅についても混ざらなくしたりしています。海藻成分を使う際も同様に海藻成分のゲルの中に色素を分散させることで、食事に含まれる油分と口紅の色素を触れさせないことで、落ちにくい口紅としています。

口紅の上に塗るコーティング剤についても同じような考えた方でシリコーンポリマーで皮膜することで、油脂との接触を絶って、口紅を落ちにくくしています。
シリコーンポリマーは屈折率を変えることも可能で、いつまでもみずみずしい口元を演出するのに役立っています。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0)化粧品