古代のナノ技術光合成について その2

2006年11月23日

光合成と太るということ

この世界にはいろいろな種類の植物がありますが、
その中で最も光合成の能力に優れているものは何だと思いますか?

ハロウィンに使われる大きなかぼちゃでしょうか、
それとも大きなスイカでしょうか。

実は光合成の能力は、野菜の大きさには関係ありません。
ほとんど毎日重い野菜を買われているかと思いますが、
たとえば1kgのキャベツであっても900gは水分で
水を買っているようなものです。

光合成は、二酸化炭素と水から紫外線を使って
ブドウ糖などの糖を作る反応です。

そして糖がいくつも連なってポリマー構造となり、
植物を支えるセルロースなどができあがります。

童話で「お菓子で出来た家」がありますが、
木の家というのは、人間にセルロースを分解する酵素があれば
砂糖より甘いブドウ糖の塊に変身します。

セルロースは食べれませんが、身近なでんぷんも
糖が連なったポリマー構造で、糖を貯めこむのに都合がよい形です。

種にでんぷんが含まれる場合は、発芽するときにでんぷんを
分解してエネルギーにしていきます。

われわれの主食である米や小麦などは、主にでんぷんを
貯め込むタイプの植物です。

それではでんぷんを貯める植物が最も光合成に長けているのでしょうか?

実は、でんぷんよりさらに貯蔵するのに適しているのが油です。

人間にしても他の動物にしても、植物にしても
エネルギーは、炭素を酸化したときにでるエネルギーを
使って生命を維持しています。

炭素は酸化されて、二酸化炭素になります。
人間が呼吸で酸素を取り入れて、二酸化炭素を吐き出している
ということは、ご存知だと思いますが、
これはまさに炭素を酸化してエネルギーを取り出している証拠です。

油がどうして、でんぷんに比べて炭素を貯蔵するのに
適しているのかと言うと、糖は多くの酸素が分子内にくっついているのに
対して、油は酸素割合が少ないという点です。

つまり、炭素は酸化される割合が多いほど、エネルギーが多く発生するので、
酸素の割合が少ない油の方が、貯蔵に適しています。

植物は糖から油を合成する酵素を使って、油を貯め込んでいきますが、
その油を貯めこむ能力に優れているものが、最も光合成能力を
持っていることになります。

植物油というと、菜の花の菜種油、大豆の大豆油、オリーブのオリーブ油
パーム油、やし油など色々ありますが、最も油を作る能力を持っているのが
パーム油を作るパームやしとなります。

種に油を貯めこむ植物は、発芽するときに油を糖に戻すことで
貯めこんだエネルギーを効率よく取り出していきます。

光合成で得たエネルギーをいかにコンパクトに種子へ納めるか
植物が出した結論が、糖からさらに酸素をとって
油へ変えて貯蔵するということです。

ところで、ダイエットで砂糖やでんぷんなどの炭水化物より
油の方が太るというのが、常識ですが、なぜかわかりましたか?

上記の理由から、油の方が1分子中の炭素の割合が多い分、
エネルギーを多く取り出せることができるためです。

エネルギーをすべて運動で使えば、太りませんが、
余ったエネルギーは糖や脂肪に変えて貯めるように出来ています。

当然、エネルギーが多く出る脂肪を取ったほうが
太りやすくなるわけです。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 植物の知識 

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