DMAE(ジメチルアミノエタノール)に毒性?においの分子とは

2007年06月25日

バイオエタノールの害

2年前、世界の砂糖生産量の半分が自動車のガソリンの代替エネルギーとなる
バイオエタノールの生産に振り向けられました。

バイオエタノール関連は補助金が多いため、食料として売るより、
バイオエタノールにしたほうが収入が増えるので、資本主義社会では
当然砂糖だけにしておくのはもったいないということでしょうか。

砂糖だけでなく、もう一つの原料となるトウモロコシも大変な勢いで価格が上昇しています。トウモロコシは家畜の餌として利用されていましたので、
飼料価格が急上昇して、肉の価格にも跳ね返りつつあります。

当然、発展途上国は満足な食料を買うことができなくなり、
飢餓が拡大していくのではという懸念が持ち上がりつつあります。

ところで、ガソリンの代わりにバイオエタノールを使うというのは、
新しいように見えますが、実はかなり古い発想です。

すでに1970年代には、ブラジルでエタノール車が走っていました。

では、ブラジルでは大気汚染が解決したかというと
残念なことにガソリンの割合を減らしても解決せず、
むしろ環境は悪化してしまい、未だに解決できないでいます。

ガソリン車を使うと大気中に、ベンゼンやブタジエンを撒き散らします。
これらは発がん性物質ですし、肺の機能を低下させます。

では、バイオ燃料であるエタノールはどうかというと
こちらはホルムアルデヒドとアセトアルデヒドを増やします。
つまり、E85という(85%エタノール、15%ガソリン)のような
バイオ燃料が普及してもガソリンの排ガスから出てくる発がん性物質による
ガンはとくに減らないということです。

スタンフォード大学の大気学者のマークヤコブセン博士の研究
(07/4/18 Environmetal Science and Technology online news)によれば、
バイオエタノールの最大の問題は、オゾンを増やすことです。

オゾンは一部の洗濯機にも使われていますが、微量でも吸い込むと
肺の機能を低下させるだけではなくて、組織の炎症を起こし、
喘息を悪化させる恐れがあります。

オゾンは上空にいれば、紫外線の害を減らしますが、
地表のオゾンはかなり毒性が強く、WHOの統計ではオゾンや他の
化学物質によるスモッグで毎年80万人が死んでいるとのこと。

E85に全面的に切り替わることはありませんが、
13年後にE85に切り替わった場合のアメリカでの
大気状況のシュミレーションから、
地表のオゾンが増えて、ガソリン車より高い死者や
呼吸器系疾患の入院患者や病院を訪れる人を増やすとの試算が発表されています。

バイオエタノールによる環境への影響はこれから多く研究されていくと思いますが、
単純にガソリンからバイオエタノールに変えても、喘息患者は減らないし、
むしろ増えるだろうというのが、今回の研究結果でした。

ただ、13年も経てば燃料電池車も出てくるので、
そうなると排ガスによる公害もかなり減っていく方向へ進むと思います。

東京では、バイオエタノールを混ぜたガソリンが試験的に販売されていますが、
燃費は悪くなるし、環境汚染もガソリンより多くなる、ついでに食糧の価格を
押し上げるバイオエタノールって、まだまだ課題が多いですね・・(^^;;

shin_chanz at 00:11│Comments(0) 植物の知識 

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