クレンジングオイルをリニューアルしました細胞毒性の信憑性って その2

2007年07月25日

細胞毒性の信憑性って

最近は、化粧品の動物実験もだいぶ少なくなってきています。
どうしても動物実験しないとわからないこともありますが、
動物実験というのは、とてもお金がかかります。

現実的に動物実験を行っているのは、数十社くらいかなと思っています。

動物実験するには、動物を飼う施設も要りますし、
なにより動物実験したあとのデータ解析を行う人の年棒がやたら高い(笑)
一人いれば、営業や化粧品の処方開発者の二人くらいは雇えるかもしれません。
(単に皮膚が赤くなったかどうかと見る人ではなくて、
 組織を切り出して、細胞の動向を解析する人です)

中堅どころでも動物実験はお金はもったいないので、
そんなことに人件費を使うなら営業や処方開発にお金を使ったほうが
ましと考えるところが多いと思います。

さて、そんな中でも低コストで出来るのが細胞培養法です。
細胞培養法は、細胞を培養するインキュベーターというオーブンと
ある程度無菌にして、作業する台、そして光の吸収度を測定する機械が
あればなんとかやっていけます。

細胞培養には、主に2種類あって、生きた細胞をそのまま使う方法と
3次元培養皮膚(人工皮膚)を使う方法がそれぞれ使われています。

3次元培養皮膚というのは、その名の通り皮膚の細胞を立体的に
培養して、角質まで出来上がっているものです。

どういうメリットがあるかというと、角質層があるため、
普通の皮膚に塗るのと同じ濃度で実験を行えるというメリットです。
つまりより実際に近い形での実験ができるわけです。

ただ、自社で出来たらいいのですが、それは難しいので、
グンゼやクラボウなどの外部機関から購入する必要があり、
コストがとても高いというデメリットもあります。

shin_chanz at 00:01│Comments(2) 分析・品質管理 

この記事へのコメント

1. Posted by D-PiPi   2007年07月25日 23:45
こんばんは。

厚生労働省が「安全性評価のための動物実験代替法の開発および評価体制の確立に関する研究」というのをずっとやってるんですが、OECDのガイドラインへ収載された代替法は皮膚腐食性の試験法のみで、米国やEUも発がん性や遺伝毒性の試験は動物実験をしていますね。
2. Posted by しんちゃん   2007年07月26日 22:18
D-PiPiさん、こんにちは

動物実験代替試験法の開発は、この10年ほとんど進んでいません。
細胞毒性試験は当初期待されていたんですが、動物実験との結果との乖離もあり、使える分野が限定されているからです。

発がん性は、体のどの細胞が標的になるかわかりませんので、動物実験はたぶんなくならないでしょうね。遺伝毒性も母体から子供への毒性なので、動物実験の代替は難しいと思います。

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