2007年08月22日
トリエタノールアミンが人気なので 3
ニトロソジエタノールアミンに極めて厳格なのは、ドイツです。
ドイツではこれが入る可能性がある化粧品は、製造されることはありません。
ヨーロッパは、こうした微量成分については非常に厳しく対応しています。
ちなみに、トリエタノールアミンは、トリエタノールアミン100%か
ジエタノールアミンが数%ほど混ざっているものの2種類が流通しています。
このトリエタノールアミン自体にニトロソジエタノールアミンが
混ざっているかというと、原料メーカーでは、検出限界以下の証明をしているところもあります。
トリエタノールアミンの製造元というのは、資本金が何千億もあるような企業で、
ニトロソジエタノールアミンの測定も難なく行います。
要するにトリエタノールアミン自体には、発がん性のニトロソアミンは混入せず、
むしろ何も考えずに配合して化粧品を作るとニトロソアミンが発生するわけです。
無知な化粧品屋こそが問題ということでしょうか。
ヨーロッパには、欧州化学物質生態毒性及び毒性センター(ECETOC)という
機関があり、FDAと同じようにヨーロッパで販売されている化粧品の
成分を分析しています。
1990年に防臭剤、ローションなど62製品を調査したところ3製品から
ニトロソジエタノールアミンが検出されたと発表されています。
その最高濃度は53μg/kgです。1gの100万分の1が1μgです。
アメリカの環境保護局では、ニトロソジエタノールアミンの動物実験(1988年)
を行ったデータがありますが、それによると飲料水に1μg/kgを
一生涯飲み続けると、発がん性のリスクは1万分の1と評価しています。
1μg/kgなので、体重50kgの1万人が毎日50μgの
ニトロソジエタノールアミンを一生飲み続けると、そのうちの一人が
癌にかかるという値です。癌にかかるというだけで、癌死を意味しているわけではありません。
ヨーロッパで販売されている化粧品でこのニトロソジエタノールアミンの
最高濃度は53μg/kgで、シャンプーには41μg/kgが
含まれていました。(1990年、ECETOC)
つまり、体重50kgの人がローションを毎日1kg、
シャンプーなら1.2kg一生飲み続ければ、そのうちの1万人に1人は
癌になってしまうという程度の問題です。
(Journal of American College of Toxicology 15(6) 527-542 1996
米国化粧品原料安全性再評価機関報告書より)
ちなみにトリエタノールアミンには、NTPから長期毒性に
ついてのレポートがあります。ねずみのデータです。
TR-449 Toxicology and Carcinogenesis Studies of Triethanolamine (CAS No. 102-71-6) in F344 Rats and B6C3F1 Mice (Inhalation Studies)
http://ntp.niehs.nih.gov/index.cfm?objectid=070A39A5-DFA3-7DD8-D700972EEC03B933
Reportタイトル TR-518 Toxicology and Carcinogenesis Studies of Triethanolamine (CAS No. 102-71-6) in B6C3F1 Mice (Dermal Studies)
http://ntp.niehs.nih.gov/index.cfm?objectid=070B6081-91FD-C657-D4DB0A226B92C06B
血管腫が出来る可能性が示唆されていますが、不確かなので、
まだ、確認のための追試が必要のようです。
ちなみに化粧品には、トリエタノールアミンは入っていますが、
何かとくっついた形となっています。酸を中和する中和剤として使用されるからです。
本来、化粧品にはトリエタノールアミンが遊離して単独の状態で存在
しているわけではなく、何かの塩になっているので、
その形で毒性を調べる必要があります。
クエン酸などの塩になることで、毒性など大きく変化します。
皮膚への浸透性も大きく変わります。
トリエタノールアミンはアルカリ性で皮膚刺激もあって当たり前ですが、
何かの塩となることで、中性となり、大幅に皮膚刺激も無くなってしまいます。
このことには留意しておいてくださいね。
ドイツではこれが入る可能性がある化粧品は、製造されることはありません。
ヨーロッパは、こうした微量成分については非常に厳しく対応しています。
ちなみに、トリエタノールアミンは、トリエタノールアミン100%か
ジエタノールアミンが数%ほど混ざっているものの2種類が流通しています。
このトリエタノールアミン自体にニトロソジエタノールアミンが
混ざっているかというと、原料メーカーでは、検出限界以下の証明をしているところもあります。
トリエタノールアミンの製造元というのは、資本金が何千億もあるような企業で、
ニトロソジエタノールアミンの測定も難なく行います。
要するにトリエタノールアミン自体には、発がん性のニトロソアミンは混入せず、
むしろ何も考えずに配合して化粧品を作るとニトロソアミンが発生するわけです。
無知な化粧品屋こそが問題ということでしょうか。
ヨーロッパには、欧州化学物質生態毒性及び毒性センター(ECETOC)という
機関があり、FDAと同じようにヨーロッパで販売されている化粧品の
成分を分析しています。
1990年に防臭剤、ローションなど62製品を調査したところ3製品から
ニトロソジエタノールアミンが検出されたと発表されています。
その最高濃度は53μg/kgです。1gの100万分の1が1μgです。
アメリカの環境保護局では、ニトロソジエタノールアミンの動物実験(1988年)
を行ったデータがありますが、それによると飲料水に1μg/kgを
一生涯飲み続けると、発がん性のリスクは1万分の1と評価しています。
1μg/kgなので、体重50kgの1万人が毎日50μgの
ニトロソジエタノールアミンを一生飲み続けると、そのうちの一人が
癌にかかるという値です。癌にかかるというだけで、癌死を意味しているわけではありません。
ヨーロッパで販売されている化粧品でこのニトロソジエタノールアミンの
最高濃度は53μg/kgで、シャンプーには41μg/kgが
含まれていました。(1990年、ECETOC)
つまり、体重50kgの人がローションを毎日1kg、
シャンプーなら1.2kg一生飲み続ければ、そのうちの1万人に1人は
癌になってしまうという程度の問題です。
(Journal of American College of Toxicology 15(6) 527-542 1996
米国化粧品原料安全性再評価機関報告書より)
ちなみにトリエタノールアミンには、NTPから長期毒性に
ついてのレポートがあります。ねずみのデータです。
TR-449 Toxicology and Carcinogenesis Studies of Triethanolamine (CAS No. 102-71-6) in F344 Rats and B6C3F1 Mice (Inhalation Studies)
http://ntp.niehs.nih.gov/index.cfm?objectid=070A39A5-DFA3-7DD8-D700972EEC03B933
Reportタイトル TR-518 Toxicology and Carcinogenesis Studies of Triethanolamine (CAS No. 102-71-6) in B6C3F1 Mice (Dermal Studies)
http://ntp.niehs.nih.gov/index.cfm?objectid=070B6081-91FD-C657-D4DB0A226B92C06B
血管腫が出来る可能性が示唆されていますが、不確かなので、
まだ、確認のための追試が必要のようです。
ちなみに化粧品には、トリエタノールアミンは入っていますが、
何かとくっついた形となっています。酸を中和する中和剤として使用されるからです。
本来、化粧品にはトリエタノールアミンが遊離して単独の状態で存在
しているわけではなく、何かの塩になっているので、
その形で毒性を調べる必要があります。
クエン酸などの塩になることで、毒性など大きく変化します。
皮膚への浸透性も大きく変わります。
トリエタノールアミンはアルカリ性で皮膚刺激もあって当たり前ですが、
何かの塩となることで、中性となり、大幅に皮膚刺激も無くなってしまいます。
このことには留意しておいてくださいね。
shin_chanz at 00:01│Comments(2)│
│化粧品原料
この記事へのコメント
1. Posted by D-PiPi 2007年08月23日 22:52
こんばんは。
2004年のNTPのデータは読みましたが遺伝毒性はないということですね。
マウスが感染症になってしまったのでしょうか。
FDAでは昨年更新されてますがジエタノールアミンはヒトへのがん発生は証明できないとしています。
ttp://www.cfsan.fda.gov/~dms/cos-dea.html
欧州化粧品基準では、ジエタノールアミンは、化粧品に配合してはならない物質になっていますが、トリエタノールアミンはサンスクリーンのみ?8%までOKになっています。
2004年のNTPのデータは読みましたが遺伝毒性はないということですね。
マウスが感染症になってしまったのでしょうか。
FDAでは昨年更新されてますがジエタノールアミンはヒトへのがん発生は証明できないとしています。
ttp://www.cfsan.fda.gov/~dms/cos-dea.html
欧州化粧品基準では、ジエタノールアミンは、化粧品に配合してはならない物質になっていますが、トリエタノールアミンはサンスクリーンのみ?8%までOKになっています。
2. Posted by しんちゃん 2007年08月25日 23:43
D-PiPiさん、こんにちは
動物実験のデータの読み方は難しいです(笑)
なんせ、健康に気をつけている人間様でも
癌やら脳卒中や動脈硬化で死んでいきます。
癌研究は動物の一生をかけて、自然に発ガンするより、何かの物質を与えた方が癌になる確立が高いかどうかを見ていきますので、不適切な飼い方をしていると動物もろくな状態にはなりません。
それでNTPのデータは、追試を行っているようなので、何か問題があったのかもしれません。
FDAは、はっきり書いていますね。
もっと早く表明すればいいのにと思います。
それにしても欧州の化粧品基準は厳しいですね。
昔は、日本の方が厳しかったような気がしますが、
欧州の方が厳しい印象を持っています。
向こうでは、NDELA問題として、ジエタノールアミンを嫌っていますので、化粧品に配合したら環境保護団体からの攻撃を受ける可能性があります(笑)
動物実験のデータの読み方は難しいです(笑)
なんせ、健康に気をつけている人間様でも
癌やら脳卒中や動脈硬化で死んでいきます。
癌研究は動物の一生をかけて、自然に発ガンするより、何かの物質を与えた方が癌になる確立が高いかどうかを見ていきますので、不適切な飼い方をしていると動物もろくな状態にはなりません。
それでNTPのデータは、追試を行っているようなので、何か問題があったのかもしれません。
FDAは、はっきり書いていますね。
もっと早く表明すればいいのにと思います。
それにしても欧州の化粧品基準は厳しいですね。
昔は、日本の方が厳しかったような気がしますが、
欧州の方が厳しい印象を持っています。
向こうでは、NDELA問題として、ジエタノールアミンを嫌っていますので、化粧品に配合したら環境保護団体からの攻撃を受ける可能性があります(笑)