憧れの豊胸と恐ろしい結末・・・憧れの豊胸と恐ろしい結末・・・

2007年11月14日

憧れの豊胸と恐ろしい結末・・・

さて、1964年に豊胸手術において新しい素材が開発されます。

それはシリコーン。触った感触が良好で、オルガノーゲンによる悲劇は
起こらないものと期待されていました。

ただ、その期待は見事に裏切られてしまいます。

シリコーンは流動性の液体でバックにつめ、それを胸に入れるというのが、
豊胸手術なのですが、このバックが何年かすると破れてしまうのです。
長期的にみると20%くらいのバックが破れるというデータがあります。

しかも悪いことに昔のシリコーンは重合度が低い、分子が小さなものでした。
そのため、流動性が高く、一度バックから漏れ出すと、体内へ簡単に
拡散していき、回収は難しいのです。

この漏れ出たシリコーンも残念なことに異物肉芽腫の原因となります。

基本的に異物肉芽腫は、体内に入ってきた異物に対する体内の正常な反応です。

ここで重要なのは、シリコーンだけが異物肉芽腫の原因になるのではなく、
体内に入った異物なら何でも起こる可能性があるということ。

豊胸手術の場合は、望む胸の大きさによりますが、大量にバックへ詰めて
(50〜600cc)も体内へ入れる必要があるため、
一度漏れ出すと量が多く、広範囲の肉芽腫を作ることになります。
(ただし、人によって無反応なこともあります)

1977年、アメリカで破れたシリコーンバックに対する訴訟で、
和解金が支払われました。

そして、1988年に破れたシリコーンバックによって、関節炎が起きた、
つまりシリコーンにより膠原病を発症したとの疑いがかかり、
700万ドルもの和解金が支払われました。

こうなると次第にシリコーンに対する批判が高まってきます。

1991年にはFDAがとうとうシリコーンバックの使用中止を命令しましたが、
50万件もの訴訟が湧き上がりました。

アメリカの大手化学メーカーは訴訟に耐え切れず、1996年に裁判所へ
和解金を預託して、倒産しました。
事業では黒字を出している売り上げ3000臆の企業が倒産したのですから、
当時は大きなニュースでした。

ただ、この企業が運の悪いことに倒産してから、真実が明らかにされたのです。

それはこの当時シリコーンが問題だったのは、膠原病の原因になるのでは
ないかということであり、1988年の訴訟では、ここが争点となり、
化学メーカーは裁判に負けました。

しかし、現在の統計手法でシリコーンと膠原病について再調査すると、
医学的にはシリコーンは膠原病の原因とはならないということが
はっきりしたのです。(Janowsky論文)

要するに病気にかかっていた人が、たまたまシリコーンバックが破れたので
そのせいにしたら裁判所も見抜けずたくさんの和解金を手に入れたということ。
それに気がついた弁護士達がいっせいに群がって、とんでもない数の
訴訟が引き起こされたというのが事の顛末です。

事が重大だけに各国の研究機関も調査に乗り出し、動物実験の結果より
早々にシリコーンが膠原病の原因にはならないということが医学界の
常識となりました。

しかしなら、裁判所が認めないと、訴訟には負け続けます。

しばらくして、米国司法省もJanowsky論文を受け入れ、
司法においても同じ認識となったのです。

この当時、シリコーンバックは2〜300万人の女性に埋め込まれた
ということですから、アメリカでも結構な数の方が豊胸手術を受けていたようです。


shin_chanz at 00:01│Comments(0) 美容外科 

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