システインというアミノ酸 その3お豆腐の化学とタンパク質同士の結合

2008年03月22日

カーリング剤

さて、パーマはヘアサロンで行うものですが、家庭で出来るパーマ剤
というものがあります。ただ、家庭用の場合はパーマ剤と言わず
カーリング剤といいます。それはパーマ剤が医薬部外品扱いのためで、
内容成分は変わりませんが、法律上そのように区別しています。

昔からありますが、化粧品の規制緩和により、少々問題が発生しました。

業務用パーマ剤と家庭用パーマ剤(カーリング剤)と比べたとき、
一般的には業務用、つまり美容院で行なうパーマ剤の方が
有効成分の濃度は濃いように思えますが、それが必ずしもそうとは
言えなくなったきたのです。

パーマ剤は、システインのようなアミノ酸パーマと他には
チオグリコール酸やチオ乳酸、そして今大ヒット中のスピエラでしょうか。

髪の毛の中にあるタンパク質同士の結合を切って、再結合するのが、
パーマ剤の原理ですが、薬剤の濃度が高いほど、髪の毛の結合を
たくさん切断しますので、ウェーブが出やすくなります。

もちろん、ウェーブの強さや、髪の毛の質によっても
単に濃度が高ければよいということではないのですが、
一般的には、薬剤の濃度が高いほど、ウェーブが出やすいので
好まれる傾向にあります。

ただし、パーマ剤中の有効成分の濃度は国の基準がありますので、
それを守らないといけません。

ただ、困ったことに、美容師さんには受けがよいということで、
この基準を守らない企業もいるとかいないとか。
国の基準量では安全性が第一なので、これだと髪質により
ウェーブ形成が弱い場合があるのです。

薬剤の濃度が高いほうがパーマがよく出来て受けもいいのに
国の規制で作れない。
ところが、この状況が化粧品の規制緩和で急変しました。

つまり医薬部外品である業務用パーマ剤より化粧品である
家庭用パーマ剤の方が合法的に薬剤の濃度が高いものが作れ、
パーマ効果も強くでるのです。

また、単に薬剤の濃度が高いだけではありません。

国は、消費者の髪を守るためにパーマとヘアカラーは同時に
行なってはいけないと決めています。

パーマもカラーも髪の毛を痛めるものですから、同時に行なうと
かなりのダメージを与えます。

通常ヘアカラーを施した髪にパーマを当てると、
パーマ剤の強い還元力によりカラーの色が抜けてしまいます。

つまり、パーマを行うと染めていた毛が白髪に戻るわけです。
国の規制は別にして、これではたまらないとお客さんの強い要望により
パーマとカラーを同日に施術する美容室は多いのではないかと思います。

ところが、業務用パーマ剤ではなく、化粧品扱いのカーリング剤を使うと、
化粧品扱いのため、パーマとカラーを同日に行なっても
法的に問題ないというメリットがあります。

スピエラが髪を痛ませないパーマ剤として美容室向けに大ヒット中ですが、
単にパーマの髪質悪化を少なくしただけではなく、
こうした法律上の問題もクリアしたのが大きいと思います。


shin_chanz at 00:01│Comments(0) 化粧品 

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