大手のMMU昔のお化粧

2008年07月23日

電子顕微鏡での世界 ルースパウダー その3

さて、MMUをいくつか見ていただきましたが、今度はまたフィッシングパウダーを見てもらいましょう。

このルースパウダーは、大手K社の若い女性に人気なLブランドのものです。

面白いのは、色々なサイズの球が入っていることです。

しわぼかしや毛穴ぼかし、さらには皮脂吸着など、球は色々な効果を発揮するようです。

また、今まで見ていただいた中でも粒度がやたら大きいことに気がついてもらえます。

あまりにも大きいので、300倍、800倍、5000倍でとっています。

顔料はわずかに色をつけるだけ入っていますが、これは5000倍で確認してもらえます。

300倍でみる大きな板状粒子はタルクとマイカです。

念のためですが、タルクやマイカといった粘土は光を反射しません。
ほとんどの光を通しますので、大きな粒子が肌に乗っても
その下にあるシミは全くカバーできません。
シミを隠すことができるのは、あくまで酸化チタンや酸化亜鉛の粒子となります。

中央下のバーが50ミクロンですから、かなり大きなタルクがはいっていることが
わかります。あと、球も色々入っています。

(画像をクリックすれば大きくなります)
18a








こちらは800倍での写真です。

タルクやマイカ、球も色々なサイズが入っています。

18b







こちらは5000倍。
タルクやマイカの表面、球の表面に顔料の酸化チタンや酸化鉄がくっついていることがわかります。
おそらく球の表面にも溝をつけたりして、表面処理をやってそうな感じです。
さらに拡大すればどんな処理を行っているか見えますが、今回はここまで。
(溝をつけると光を乱反射して、毛穴やしわぼかしの効果がでてきます)

あと、顔料が一つ一つばらばらにマイカやタルクについてますが、
これが大手の分散技術です。今までは酸化チタンといっても粒子同士が
くっついているものがほとんどでした。まあ、配合量の違いもありますけど
顔料粒子を一つ一つをばらばらに分散するというのは、結構難しいです。
単にミキサーを回せばよいというものでもなく、顔料を分散させようとして
強くミキサーで混ぜ込むとタルクやマイカの板状粒子が割れて、壊れて
細かくなることもありますから。


18c







ちなみにここに入っている球は主にシリコーンの球を使っています。成分表示では○○クロスポリマーと表示されます。
シリコーンは、油というイメージがありますが、こういった球を配合することで
パフで塗るときに球がコロコロ転がって、非常に塗布感がよくなります。
パッと広がりやすくなるので、大きなタルク粒子を使っていても、「粉が細かく密着する」という印象も与えます。

また、肌の上に光を乱反射してさまざまなぼかし効果が現れます。

メーカーによって、タルクひとつとっても使う粒子の大きさはまるで違い、
実に興味深いものです。


shin_chanz at 00:01│Comments(0) ミネラルファンデーション(MMU) 

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