菌というもの その2菌というもの その4

2008年09月19日

菌というもの その3

抗生物質は医薬品で細菌にとても効くものですが、あくまで効く菌の種類が限られており、化粧品の防腐剤には使えません。

私の例を話しましたが、特定の菌に強い抗菌力を持っていても意味がないのです。
身の回りにいる菌に対して、ある程度の抗菌力が必要となります。

それでは、人間の体では、どうやって殺菌しているのでしょうか?

細菌は常に飢えており、水分や養分が豊富な人間の体へ如何に侵入しようかと
知恵を巡らせています。

基本的に人間の皮膚は乾いているため、細菌が大量に繁殖できるほどの水分はありません。
肌は水分が多いほうが柔軟性が高くなるのですが、水分が多いと細菌が増えるというデメリットが生じます。

たとえば、夏場など汗をかきやすい時期に体臭が強くなるなら、あきらかにそれは肌に必要以上の水分が供給され、細菌の繁殖に使われていると考えて差し支えありません。

また、皮膚には常在菌という菌が存在していて、風でふらふらっと飛んできて
肌に付着しても人間の免疫機構の前に最初の一撃を与える役割を持っています。

つまり、病原菌が肌へ侵入するには常在菌との戦いに勝たねばならず、
しかも皮脂などを分解して栄養源にできる菌でないとなかなか勝てません。

ただ、皮膚に傷がついたときは、別です。
様々菌が傷口へ殺到して、生体内への侵入を試みます。

生体は菌が繁殖するのに適した温度や水分、栄養分が供給されているため、
菌にとっては地上の楽園といったところでしょうか。

ただし、菌の侵入を検知すると、人体はすぐに免疫機構を発動させ、
白血球などの菌と闘う免疫細胞を傷口へ送り込みます。

たいていの菌は、白血球による活性酸素の攻撃やマクロファージという菌を
食べる白血球により処理されていきます。

美容上問題となるのは、この殺菌過程です。

美容上と書きましたが、白血球は、菌をいかに殺しまくるかというために存在する細胞で、美容のことなどいちいち考えずに処理していきます。

活性酸素の攻撃の対象になるのは菌ですが、このとき菌の周囲にある生体組織も一緒に壊れていきます。

たとえるなら、銀行強盗が立てこもった銀行に拳銃で応戦するのではなく、
戦車が大砲を打ち込んで、銀行ごと壊してしまうという感じでしょうか。

ニキビ跡と言われるアクネクレーターは、肌を支えている土台であるコラーゲンを
白血球が壊していくので、生じると考えられています。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 化粧品 

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