石鹸の品質管理 アメリカの石鹸会社より その2最近の防腐剤

2008年11月07日

石鹸の品質管理 アメリカの石鹸会社より その3

石鹸を分析するための最後の化学テストは、グリセリン量です。
通常、化粧石鹸には、0.2〜1.0%程度のグリセリンが含まれます。
ただ、透明石鹸など、しっとり感を優先させる石鹸には7%程度まで含まれることがあります。

さて、化学分析の他に行うテストは物理テストとなります。

一番重要なのが、重量で、消費者が購入した時点で、表示重量以下でないことが求められます。実際には、包装の気密度により水分の蒸発量が違うため、気密度が低い包装だと、水分が蒸発した分、表示重量以下となり、消費者からのクレームの原因となることもしばしばあります。

次に石鹸の外観で、色は均一で、顔料の分散不良があってはなりません。
石鹸の白さを強調するために白色顔料として酸化チタンを加えられることもありますが、当然、酸化チタンの塊が見えるようでは、外観不良となります。

時間経過と共に色の変化がないことも重要で、40℃や日中放置で3週間程度、色の変化がないことが求められます。(このためにキレート剤が使われます)
表面仕上げも重要で、滑らかで、光沢があり、ひび割れがないことが求められます。

他には香料の問題もあります。通常0.5〜数%の香料が配合され、使用後快い香りが残るように添加されています。当然、いつも同じよな香りの量が求められます。

洗浄テストも行われ、その第一は石鹸の感触です。
通常の洗浄中に石鹸の表面は滑らかで、ざらつきを感じなければ品質は良好です。
ざらつきは少量の固い石鹸の存在によって引き起こされます。
この固い塊は水分の蒸発によって生じるものですが、石鹸の製造機械の調整により取り除くことが可能です。
石鹸表面を0.2mmほどの深さまで、取り除いて、30℃、20℃、15℃の水温で、それぞれ15分程度洗浄し、ざらつきを確認します。
ざらつきの程度で、1〜5のランクに分けますが、ざらつきがないほど品質が良好な石鹸と言えます。

また、ひび割れについてもテストを行います。
石鹸の表面から0.8mmほど削り取り、室温で4時間、浸漬した後、25℃で16時間乾燥し、ひび割れの程度を確認します。
ひび割れの数や深さを計測して、評価を行います。

この他、石鹸の泡立ちをみたり、泡の持続性や軟らかさ、泡の量、泡の安定性を評価していきます。

こうして、出来上がった石鹸の評価を行うことで、よりよい石鹸作りに向けて各工程の最適化が行われていきます。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 分析・品質管理 

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