NMF成分 その3見直されるグリセリン

2009年04月15日

角化不溶性膜

NMF成分をたっぷり肌の中で作るには、熟成工程が欠かせません。

角質細胞は硬い殻で覆われており、殻の中でしっかり熟成され(たんぱく質が分解され)、NMF成分が作られていきます。

この硬い殻はたんぱく質同士がくっついて出来るものですが、角化不溶性膜(CE)ともいい、ここ数年注目を浴びている成分です。

CEは、時間経過と共に熟成して、健全な角層となりますが、
一部のセラミドはCEとくっつき、バリア機能の発揮に対して重要な役割を担っています。

つまり、CEがしっかり熟成されていないとNMF成分は中途半端な量となりますし、セラミドなどのバリア成分も細胞間に保持されにくくなり、バリア機能も弱くなります。

そのため、バリア機能においても保湿においても角質細胞の一番外側の硬い殻が重要だということが再認識されています。

もし、このCEを早く成熟化させてやれば、NMF成分は早く作られるだろうし、セラミドも角質細胞と早期にくっつき、セラミドが規則正しく整列し、バリア機能もしっかり発揮されるのではないかと考えられ、今では様々なCE成熟化成分が開発されています。

なお、角質細胞自体の成熟には、様々な成分が絡んでいますが、ほかにカルシウムやカリウムといったミネラルも重要な働きをしています。

表皮細胞が形態を変えて、角質層になるためには一定量のカルシウムやカリウムが必要で、細胞はその濃度に応じて、成熟していきます。

バリアが破壊されるとミネラルの濃度がおかしくなり、角質の成熟もうまくいかなくなります。

「何気ない成分」を利用して、細胞は成熟していくので、色々解明されていくのは面白いですよね。


shin_chanz at 00:01│Comments(3) 細胞機能 

この記事へのコメント

1. Posted by えにぃ   2009年04月18日 23:32
こんにちわ、
表皮細胞が形態を変えて、角質層になるためには、一定量のカルシウムやカリウムが必要とありますが、
カリウムやカルシウムをサプリや化粧水なとで補ってもCEは早く成熟化しないものでしょうか?
2. Posted by しんちゃんです   2009年04月19日 17:03
えにぃさん、こんにちは

細胞の成長を促すには単に高濃度ではだめで、細胞にあった濃度が必要です。

皮膚の細胞は下から上に上がるに従い、細胞の形がどんどん変わっていきますが、
それぞれの段階に必要な濃度が違うため、一概にミネラルを大量に与えても
残念ながら効果的ではないのです。

3. Posted by えにぃ   2009年04月27日 06:49
うーん。そうなんですか、、、
やはり簡単にはいかないものなのですね。:
細胞にあった濃度がわからないし・・・

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