インフルエンザ対策 その2レチノールと癌

2009年05月29日

レチノール その2

レチノールは酸化されやすくて有名な成分ですが、末端のみうまく酸化されると
レチノイン酸となり、胴体が酸化されると健康にとって百害しかない過酸化脂質に変貌します。

レチノイン酸も酸化されやすいリスクはあり、胴体が酸化されることで効果がなくなります。

酸化されやすいというのは、それだけ生物にとって、利用価値がある成分を意味しています。

たとえば、レチノールは、不足するとまず夜に目が見えにくくなります。
つまり、夜盲症を発症します。

これはレチノールが視覚なかでも明暗に関して中枢を担う物質であることに由来しています。

また、欠乏が深刻になると生殖機能が衰え、全身に異常が発生します。

小児で欠乏症になると、角膜が乾燥し、失明に至ることもあります。

保湿で有名なヒアルロン酸の合成にレチノールは関わっており、この合成が低下することで、肌が乾燥するだけではなく、粘膜が侵されてしまいます。

ただ、ヒアルロン酸を合成するからといって、過剰に摂取すると、
急性中毒や慢性中毒を引き起こします。

急性なら嘔吐や頭痛が発生しますが、慢性になると、抜け毛や筋肉痛に悩まされることになります。

何事も過ぎたことは、良くないということでしょうか。

一般にも広く知られていますが、妊娠期においてのビタミンAの過剰摂取は
胎児奇形の可能性が高まります。

人間は高度に進化しており、どうしても生まれてくるときにはプログラムの些細な
ミスなどで、一定の胎児奇形の危険性はありますが、ビタミンAの過剰摂取は
この危険性を高めます。

ただ、ビタミンAは欠乏すると、生殖作用をはじめ、全身に作用を及ぼす成分です。
ビタミンAを避けすぎると、母体の中で胎児が成長できない危険性もあるため、全く摂らないわけにはいかない成分でもあります。

shin_chanz at 00:01│Comments(2) 化粧品原料 

この記事へのコメント

1. Posted by nacca   2009年05月29日 23:26
はじめまして。
購入を考えていたところで、「本当に安全なのだろうか?」と思い調べてみたところ、こちらに辿り着きました。豊富な知識に感動しながら読ませて頂きました。特に、ミネラルファンデーションを使用することで放射能廃棄などによる環境汚染が広まる事実を知れたことは、貴重でした。個人にとってメリットのある商品ではあるかもしれないけど、地球環境的にはデメリットが大きすぎるのではないか、と購入を思い悩んでいます。

また、酸化チタンの目や肺に対する危険性について理解できたのですが、オン○ーミネラルなどは、アイライナーなど目に入る商品も販売していますよね。そんな危険な物質をアイライナーとして使用することに関して、管理人様はどうお考えになられますか?
さらに、”ミネラル”と謳いながら酸化チタンの危険性や放射能廃棄について一切表示していないのは何故なのでしょうか?1%以下なら表示義務は無いとのことですが、酸化チタンが1%以下とは考えにくいように思います。一体どういうことなのでしょうか・・・。

管理人様のお考えを聞かせて頂ければ幸いです。

突然のコメント失礼いたしました。
2. Posted by しんちゃん   2009年05月30日 15:47
naccaさん、こんにちは

昔は、酸化チタン製造の際の放射能廃棄物については、むちゃくちゃなことになっていましたが、今はさすがに監視されているので、問題ないものとお考えください。

アイライナーについては、粉がさすがに目に入るとまずいので、
何らかの方策をとって、目にはいりにくくしているものと思いますが、
日本のメーカーでは、まず粉が目に入る可能性がある製品は作らないでしょうね。
作る理由より、作らない理由のほうが大きいと思いますから。

酸化チタンが危険と思うかどうかは、そのメーカーの考え方一つ。
危険と思わないのなら、何もしませんが、危険と思うなら
酸化チタンを安全に使えるよう工夫するのが、化粧品屋の務めだと思います。
また、放射能廃棄物についても、きっちと管理できている原料メーカーから
購入することで、いい加減な原料屋は淘汰されていくと思います。

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