2009年05月27日
インフルエンザ対策 その2
インフルエンザ対策として推奨されているのが、石鹸での洗浄。
30秒ほど手指を洗うことが推奨されています。
食品工場でも、手指を洗うときにはだいたい30秒ほど時間をかけて、
爪が長ければ、器具を使って爪まで念入りに洗浄します。
ここで知っておきたいことは、インフルエンザウィルスの特徴は、
たんぱく質と脂質で出来た膜によって、ウィルスの表面が覆われていること。
この膜が破られると、ウィルスは死滅します。
つまり、膜のたんぱく質を変性させるものが、ウィルスを殺すことができ、
防疫対策に効果がでるわけです。
石鹸で30秒間の洗浄が推奨されるのは、念入りにウィルスを手指から
取り除くだけでなく、ウィルスの表面のたんぱく質を変性させて殺菌する目的があるからです。
ただ、表面をたんぱく質や脂質で覆われているのは、ウィルスの一部です。
冬場に発生して問題を起こしたノロウィルスは、インフルエンザと違って
膜で覆われておらず、石鹸で洗浄しても殺菌することはできません。
(手指から洗い流す効果はあります)
ノロウィルスを殺せるのは塩素系の次亜塩素酸ソーダくらい。
一方、インフルエンザは殺せる薬剤が多く、まだ対策が立てやすいウィルスになります。
たんぱく質を変性させるのは、石鹸洗剤のほか、病院で良く臭うクレゾールなどの
フェノール系殺菌剤、ヨード剤やオキシドール(過酸化水素)、エタノール等があります。
この中で安全性が高いのはエタノールでしょうか。
すぐに揮発してしまうというデメリットはありますが、
それは薬剤が残らないというメリットもあります。
食中毒菌などにもエタノールの殺菌効果は期待でき、
わずかな時間で殺菌できるため厨房などでよく使用されています。
ただし、濃度が低いエタノールに蛋白変性効果は期待できませんが、
濃度が高くなるにつれ、蛋白変性効果が強くなります。
具体的には食中毒菌には70%くらいの濃度で使われています。
しかしながら、菌に対してはこれ以上の濃度になると、殺菌効果は逆に落ちていきます。
本来、濃度が高ければ、高いほどエタノールの効果は高くなると思うのですが、
実際にはそうなりません。たとえば、70%エタノールでは1分で死ぬ菌が
100%エタノールなら100分かかるという具合です。
この濃度が高くなると殺菌効果が低くなるという理由は、長らく不明でしたが、
日本人研究者によって、ちょうど70%くらいが殺菌効果の高い分子配列になることが明らかにされています。
濃度が高くても菌に接触する部分の分子配列に無駄が出来て、
菌のたんぱく質を変性しずらくなるようです。
では、ウィルスに対しては、その効果はどうなるのかというと
菌と違ってこの70%というのは、関係なく、濃度が高いほど効果が出てきます。
ウィルスと菌とは表面構造が大きく異なるためですが、
かといって、無水エタノールで手指の消毒を行うと、あっという間に肌が荒れてしまいます。
ウィルスのみに蛋白変性作用が効けばよいのですが、そうはいきません。
角質の蛋白変性まで引きこすため、手荒れが生じ、そのため消毒用エタノールと
同じ70%程度まで、無水エタノールを薄めて使う必要があるでしょう。
ちなみに、手指の消毒には、エタノール濃度が重要なため、手を洗ったあと、
さらにエタノールで消毒する際には、かならず手指をタオルで拭いて、
水気をきってからでないと殺菌効果は下がりますので、ご注意ください。
30秒ほど手指を洗うことが推奨されています。
食品工場でも、手指を洗うときにはだいたい30秒ほど時間をかけて、
爪が長ければ、器具を使って爪まで念入りに洗浄します。
ここで知っておきたいことは、インフルエンザウィルスの特徴は、
たんぱく質と脂質で出来た膜によって、ウィルスの表面が覆われていること。
この膜が破られると、ウィルスは死滅します。
つまり、膜のたんぱく質を変性させるものが、ウィルスを殺すことができ、
防疫対策に効果がでるわけです。
石鹸で30秒間の洗浄が推奨されるのは、念入りにウィルスを手指から
取り除くだけでなく、ウィルスの表面のたんぱく質を変性させて殺菌する目的があるからです。
ただ、表面をたんぱく質や脂質で覆われているのは、ウィルスの一部です。
冬場に発生して問題を起こしたノロウィルスは、インフルエンザと違って
膜で覆われておらず、石鹸で洗浄しても殺菌することはできません。
(手指から洗い流す効果はあります)
ノロウィルスを殺せるのは塩素系の次亜塩素酸ソーダくらい。
一方、インフルエンザは殺せる薬剤が多く、まだ対策が立てやすいウィルスになります。
たんぱく質を変性させるのは、石鹸洗剤のほか、病院で良く臭うクレゾールなどの
フェノール系殺菌剤、ヨード剤やオキシドール(過酸化水素)、エタノール等があります。
この中で安全性が高いのはエタノールでしょうか。
すぐに揮発してしまうというデメリットはありますが、
それは薬剤が残らないというメリットもあります。
食中毒菌などにもエタノールの殺菌効果は期待でき、
わずかな時間で殺菌できるため厨房などでよく使用されています。
ただし、濃度が低いエタノールに蛋白変性効果は期待できませんが、
濃度が高くなるにつれ、蛋白変性効果が強くなります。
具体的には食中毒菌には70%くらいの濃度で使われています。
しかしながら、菌に対してはこれ以上の濃度になると、殺菌効果は逆に落ちていきます。
本来、濃度が高ければ、高いほどエタノールの効果は高くなると思うのですが、
実際にはそうなりません。たとえば、70%エタノールでは1分で死ぬ菌が
100%エタノールなら100分かかるという具合です。
この濃度が高くなると殺菌効果が低くなるという理由は、長らく不明でしたが、
日本人研究者によって、ちょうど70%くらいが殺菌効果の高い分子配列になることが明らかにされています。
濃度が高くても菌に接触する部分の分子配列に無駄が出来て、
菌のたんぱく質を変性しずらくなるようです。
では、ウィルスに対しては、その効果はどうなるのかというと
菌と違ってこの70%というのは、関係なく、濃度が高いほど効果が出てきます。
ウィルスと菌とは表面構造が大きく異なるためですが、
かといって、無水エタノールで手指の消毒を行うと、あっという間に肌が荒れてしまいます。
ウィルスのみに蛋白変性作用が効けばよいのですが、そうはいきません。
角質の蛋白変性まで引きこすため、手荒れが生じ、そのため消毒用エタノールと
同じ70%程度まで、無水エタノールを薄めて使う必要があるでしょう。
ちなみに、手指の消毒には、エタノール濃度が重要なため、手を洗ったあと、
さらにエタノールで消毒する際には、かならず手指をタオルで拭いて、
水気をきってからでないと殺菌効果は下がりますので、ご注意ください。
shin_chanz at 00:01│Comments(7)│
│病気
この記事へのコメント
1. Posted by アイノティー 2009年09月14日 06:28
しんちゃんさん、こんにちは。
洗面台に、泡で出てくる薬用ハンドソープをおいています。
このハンドソープの場合は、インフルエンザ対策・バイキン対策は、どうなのでしょうか?
有効成分:ベンザルコニウム塩化物 0.05w/v% 添加物:DL-ピロリドンカルボン酸Na、クエン酸、クエン酸Na、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エタノール
また、以前は泡で出てくる液体石鹸をおいていました。純石鹸成分で、液体ポンプ式です。
純石鹸の液状泡タイプと、薬用泡ハンドソープ、
どちらが良いのでしょうか??
(また、冬場は手荒れもきになるところです。)
洗面台に、泡で出てくる薬用ハンドソープをおいています。
このハンドソープの場合は、インフルエンザ対策・バイキン対策は、どうなのでしょうか?
有効成分:ベンザルコニウム塩化物 0.05w/v% 添加物:DL-ピロリドンカルボン酸Na、クエン酸、クエン酸Na、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エタノール
また、以前は泡で出てくる液体石鹸をおいていました。純石鹸成分で、液体ポンプ式です。
純石鹸の液状泡タイプと、薬用泡ハンドソープ、
どちらが良いのでしょうか??
(また、冬場は手荒れもきになるところです。)
2. Posted by しんちゃん 2009年09月14日 20:39
アイノティーさん、こんにちは
このハンドソープでインフルエンザ対策や一般のばい菌対策も可能です。
液体純石鹸より殺菌効果は高いとお考えください。
ただ、手はどうしても荒れやすくなります。
単にインフルエンザ対策なら純石鹸で十分です。
なお、ノロウィルス対策になりますと、トリクロサンのような
塩素系の殺菌剤が入ったものでないと効果は弱いです。
ノロウィルスは石鹸やご照会の殺菌剤では洗い落とせても殺菌することはできません。
そのため、ミューズのようなトリクロサン入りの石鹸でないと、ノロ対策としては弱くなります。
このハンドソープでインフルエンザ対策や一般のばい菌対策も可能です。
液体純石鹸より殺菌効果は高いとお考えください。
ただ、手はどうしても荒れやすくなります。
単にインフルエンザ対策なら純石鹸で十分です。
なお、ノロウィルス対策になりますと、トリクロサンのような
塩素系の殺菌剤が入ったものでないと効果は弱いです。
ノロウィルスは石鹸やご照会の殺菌剤では洗い落とせても殺菌することはできません。
そのため、ミューズのようなトリクロサン入りの石鹸でないと、ノロ対策としては弱くなります。
3. Posted by アイノティー 2009年09月17日 06:09
分かりました、ありがとうございます!
あと、普段車移動なのですが(電車がない田舎です(;´_`;))
人混みから戻った後に、車内でジェル状の手洗い製品を使っています。
有効成分:エタノール(76.9〜81.4 vol%)
添加物:ヒアルロン酸Na、グリセリン、トコフェロール酢酸エステル、カルボキシビニルポリマー、トリエタノールアミン
2才弱の子が車内に戻って、このジェルをしておくと、ウイルスやばい菌対策になるでしょうか?
あと、普段車移動なのですが(電車がない田舎です(;´_`;))
人混みから戻った後に、車内でジェル状の手洗い製品を使っています。
有効成分:エタノール(76.9〜81.4 vol%)
添加物:ヒアルロン酸Na、グリセリン、トコフェロール酢酸エステル、カルボキシビニルポリマー、トリエタノールアミン
2才弱の子が車内に戻って、このジェルをしておくと、ウイルスやばい菌対策になるでしょうか?
4. Posted by しんちゃん 2009年09月17日 20:32
アイノティーさん、こんにちは
これはばい菌対策になります。
ただ、エタノールが高濃度で入っていますので、冬場になりますと、手荒れする可能性があります。
その場合は、ハンドクリームを使われたら良いと思います。
これはばい菌対策になります。
ただ、エタノールが高濃度で入っていますので、冬場になりますと、手荒れする可能性があります。
その場合は、ハンドクリームを使われたら良いと思います。
5. Posted by アイノティー 2009年09月18日 12:08
ありがとうございました☆
バイキン対策になるのですね。
ハンドクリームは、この手洗いジェルが乾いた後に使用すると良いでしょうか?
まだ手荒れなどはしていないので、今のところ大丈夫です。
ウイルス対策(インフルエンザなども)にもなるような、手に塗布する製品はありますか?
ちなみに家にはウェルパスを置いています。
100ml中
ベンザルコニウム塩化物 0.2g(0.2W/V%)
添加物:プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、その他
とても大きいサイズで持ち出すにはちょっと、、という感じですが、これは外出時手洗い出来ないときなどウイルス対策になるでしょうか。
バイキン対策になるのですね。
ハンドクリームは、この手洗いジェルが乾いた後に使用すると良いでしょうか?
まだ手荒れなどはしていないので、今のところ大丈夫です。
ウイルス対策(インフルエンザなども)にもなるような、手に塗布する製品はありますか?
ちなみに家にはウェルパスを置いています。
100ml中
ベンザルコニウム塩化物 0.2g(0.2W/V%)
添加物:プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、その他
とても大きいサイズで持ち出すにはちょっと、、という感じですが、これは外出時手洗い出来ないときなどウイルス対策になるでしょうか。
6. Posted by しんちゃん 2009年09月19日 12:45
アイノティーさん、こんにちは
ハンドクリームはジェルが乾いてから使ってください。
なお、インフルエンザ対策は、お手持ちのエタノールジェルで可能です。
また、ウェルパスもインフルエンザ対策になりますよ。
ノロウィルスになりますと、かなりきつい薬剤を使うことになりますので、
基本的には薬用石鹸での対応になるかと思います。
ハンドクリームはジェルが乾いてから使ってください。
なお、インフルエンザ対策は、お手持ちのエタノールジェルで可能です。
また、ウェルパスもインフルエンザ対策になりますよ。
ノロウィルスになりますと、かなりきつい薬剤を使うことになりますので、
基本的には薬用石鹸での対応になるかと思います。
7. Posted by アイノティー 2009年09月19日 18:55
安心しました!
2つとも、車内用と家用で置いておき、ひきつづき使用しようと思います☆
ありがとうございました(*´▽`*)
2つとも、車内用と家用で置いておき、ひきつづき使用しようと思います☆
ありがとうございました(*´▽`*)