アミノ酸とタンパク質化粧品に使われるタンパク質 その2

2010年05月26日

化粧品に使われるタンパク質

化粧品に使われるタンパク質は主に以下のものがあります。

・コラーゲン
最も有名な成分です。魚由来、くらげ由来などのマリンコラーゲンが最近増えてきました。コラーゲンの問題は、温度が高いと変性してしまうこと。変性するといわゆるゼラチンとなり、保湿力や形態が大きく変わります。
ゼラチンからコラーゲンに戻ることはありますが、その割合はかなり少ないです。
どの動物から採ったかで、この変性温度が変わります。
マリンコラーゲンの場合は、低温で変性する問題点があります。
基本的には豚由来がまだまだ使われています。
魚にしても動物にしても皮から抽出します。
食用ゼラチンは、ある程度成長して大きくなった豚由来のものですが、化粧品向けのコラーゲンは、かわいそうな話ですが、豚は幼ければ幼いほど変性が少なく良いコラーゲンとなります。
(コラーゲンを煮て作るのがゼラチン)

・プラセンタ
こちらもかなり有名。胎盤抽出物です。EGFなどの成長因子を含んでいます。
ただ、狂牛病や口蹄疫など、家畜を狙い撃ちする疫病が流行しているため、プラセンタを加熱滅菌する必要があり、狂牛病が出現する前とは大きく変わっています。
つまり、EGFなどの成分は加熱滅菌時に壊れて、構造が変化します。
タンパク質も死んでしまうということでしょうか。EGFは入っていますが、死んだEGFなので、効き目もありません。EGFや他の成長因子といっても「豚」や「牛」の細胞を成長させるものですが。
狂牛病が流行る前までは、ゆるい加熱滅菌でしたが、今はウィルスを殺すためにかなりの熱をかけます。ウィルスはタンパク質で出来ていますので、とうぜんウィルスが死ぬ条件というのは、生理的なタンパク質の活性も失う条件ということでもあります。
特別に清潔な環境下で育てられたSPF豚由来などがあります。
あと、漢方薬ではヒト由来の胎盤もあるようです。

・シルク
言わずと知れた絹糸です。基本的には農家が養殖している家蚕と野生の野蚕の2種類があります。圧倒的に家蚕ものが流通しています。
主には繊維向けで化粧品への使用はごくわずかです。
シルクを粉状にしたシルクパウダーはファンデーション等に配合されます。
分解物はスキンケア化粧品向けです。

shin_chanz at 00:00│Comments(6) 化粧品原料 

この記事へのコメント

1. Posted by アイノティー   2010年05月26日 06:18
しんちゃんさん、こんにちは。

タンパク質についてです。

「タンパク質を、外側から補うために開発されたのが、タンパクPPT というもので、シルクPPT・ケラチンPPT・コラーゲンPPTなどがある」
と聞いたのですが、成分表には 「加水分解シルク / 加水分解ケラチン / 加水分解コラーゲン」 と表記されているでしょうか?

また、この 加水分解〜 の、3つのそれぞれの特徴は、同じタンパク質でもすごく違うものなのですか?
(質の違い、吸収にかかる時間差、とか、吸着率が違うとか、また用途使用する部位によってとか)

今トリートメントを色々みているのですが、洗い流すタイプのトリートメント剤の場合、効果的な加水分解〜 や、複数入っていてもどれか1種類で充分/または 洗い流すのでアウトバスタイプよりは期待薄、など、あるでしょうか?

以前 髪の補修に アウトバスタイプで加水分解ケラチンが配合されているもの、とすすめて頂きました、ありがとうございました!
2. Posted by アイノティー   2010年05月26日 06:35
しんちゃんさん こんにちは、追記です。

加水分解コンキオリン・加水分解コムグタンパク・加水分解コムギデンプン というのもありますが、同じくタンパク質、補修効果があるのでしょうか?

コンキオリンは真珠が原料のようなのですが。。。
3. Posted by しんちゃん   2010年05月26日 23:09
アイノティーさん、こんにちは

タンパク質ですが、PPTシリーズはすべて加水分解○○というように表記されます。

タンパク質によっても性質は違い、それより重要なのが分子量です。
髪の毛に使う場合はある程度大きいほうが望ましいです。
スキンケアの場合は逆に小さいほうが望ましくなります。

一番髪の毛に良いのは加水分解ケラチンでしょうね。
ケラチンタンパク質を補うのがよいです。つぎにはシルクでしょう。

真珠のタンパク質もありますが、ケラチンかシルクをお勧めします。

洗い流すタイプでも髪の毛が傷んでいる場合は吸着します。
逆に痛んでいない場合は、あまり吸着しません。
髪の毛は傷むと水になじむ親水性となり、ここへたんぱく質が静電気的に吸着していきます。

アウトバスの方がもちろん良いと思いますよ。
4. Posted by 松子   2010年06月05日 00:54
初めまして。
いつもお勉強させていただいております。
ありがとうございます。

少し聞きたいことがあります。
最近「ナノ」は聞き慣れましたが、オングを意識した化粧品が3〜4社あります。。。(数年前から)
興味はあるのですがマスコミにも取り上げられないし、本当にオングの商品ってあるのでしょうか?
「水」がオングサイズの小ささだそうなのですが、凄い!と思いつつもそんなに凄いなら、もっと話題になっていいのでは?とも思ったり(汗)
ちなみに、金やトルマリン入りの化粧品シリーズです。

是非ご意見きかせてください<(_ _)>
お願いいたしします。

5. Posted by しんちゃん   2010年06月05日 11:53
松子さん、こんにちは

水に溶ける成分というのは、単分子状で分散していて、ナノより小さいものもいくらでもあります。たとえば塩水やミネラルウォーターに溶けているミネラルもそうです。
当たり前すぎて特にすごいことでもなく、ネタ不足なのかなという印象です。
いつか話題になるかもしれませんが、萎むのも早そうです。
6. Posted by 松子   2010年06月05日 23:17
しんちゃんサンへ

そういうことなんですね。
参考になりました。
そうとは思いもよりませんでした(汗)
ありがとうございました。

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