有効成分の浸透有効成分の浸透 その3

2010年12月16日

有効成分の浸透 その2

有効成分の浸透は、成分が小さいこと、そして肌との親和性が優れる成分で包んでいることが条件となっていきます。

水添レシチンは、レシチンに水素添加して作ったもの。
レシチンには2重結合があり、これが酸化すると異臭などを引き起こすため、予め酸化しないように水素を添加して、脂肪酸部分をオレイン酸やリノール酸からステアリン酸に修正します。

ステアリン酸を含むレシチンは存在していますので、レシチンが水添レシチンという名称に変わったとしても化学的な成分は変わりません。

このレシチンが化粧品で多く使われるのは、やはり生体の細胞構造と同じ2重膜で有効成分で包み込めるという点です。

通常、有効成分を合成や天然の乳化剤で乳化すると、有効成分の周囲を乳化剤が一重で取り巻くだけです。
しかし、レシチンはこれを2重で取り巻くことができ、全く細胞膜と類似した構造で包みことができます。
これが大きな特徴で、細胞膜に類似しているということで、細胞は成分を取り込みやすくなるというメリットがあります。

レシチン以外に2重で取り巻くことができる乳化剤と言うのはいくつかあるのですが、最もレシチンが多く使われています。

ただ、レシチンは成分と溶かせば簡単に2重で包むわけではありません。
通常は1重でしか包まないため、2重で包み込ませるには相当の技術が必要となります。

レシチン乳化で一番身近なものは、マヨネーズです。
卵黄レシチンを使って植物油を乳化し、お酢でpHを酸性にして菌が繁殖しにくいpHへ設定し防腐を行います。
手で混ぜて作れるほど簡単に乳化できますが、この程度ではレシチンで2重膜を作ることはできません。
あくまで一重で包み込むだけです。

2重で包み込むためにはどうするのか。
一番、簡単なのは高圧で乳化すること。装置さえあれば、簡単に2重膜を作れます。ただ、問題はこの装置は高額であり、超高圧をかけて(1cmあたり1t以上の力をかけて)乳化するため、エネルギーがかなり必要となり、しかも少量しか乳化できないというデメリットがあります。

shin_chanz at 20:04│Comments(0) 化粧品 

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