有効成分の浸透 その2有効成分の浸透 その4

2010年12月19日

有効成分の浸透 その3

超高圧乳化装置の問題は、少量ロット生産にしか向かないこと。

普通の乳液ならたとえ10トンでも大きな乳化釜を使えば簡単に作れますが、高圧乳化の場合は、とても10tは作れません。

装置自体は高圧をかけるために大きい箱。しかし、乳化した液は指ほどの太さのチューブから出てくるだけで、大量生産には向きません。

リポソームクリームの多くは高価ですが、このような生産特有の問題もあります。

ただ、最近は色々なリポソーム調整法ができて、大量生産も可能になりつつあります。

リポソームの面白いところは天然の乳化剤であるレシチンが未だに合成界面活性剤より優れた化粧品を作れるところでしょうか。

結局のところ、好まれる感触というのは、レシチンで作ったクリームが多いですし、その感触のよさは侮れません。

なお、リポソーム化粧品の有効性は医薬部外品の効能効果でも認められています。
動物実験を相当行って安全性と効果を実証しなければならないため、医薬部外品のリポソームというのは、かなり少ないのですが、色々なリポソームが作られています。

実用化されているのは化粧品以外にも医薬品があります。
がん治療薬のいくつかにはリポソームが使われていて、生体親和性や組織への浸透性等が評価されています。

レシチンは2重だけでなく、3重、4重にも膜をつくって包むことができますので、多重層リポソームなどが出来ています。
多重リポソームにすることで、濃厚な使用感とすーと肌になじんでいく浸透感を両立させることもできます。

ただ、安定性が悪いので、如何にリポソームを安定に保つかが各社の腕の見せ所となっています。


shin_chanz at 20:28│Comments(0) 化粧品 

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