皮膚感覚 その1皮膚感覚 その3

2011年05月01日

皮膚感覚 その2

皮膚の感覚というのは、非常に優れていて、質感も敏感に感じ取ることができます。

たとえば、髪をシャンプーで洗うと、界面活性剤の種類ごとに髪の風合いが変わり、微妙にその違いを指先で感じ取ります。

石鹸を含めた界面活性剤の違いだけで、しっとり感やさらっと感、滑り感など、化学構造で言えば数ナノくらいの大きさの部分の違いなのに、それを指先では髪を触るだけで違うものと認識していきます。

目で見えない、電子顕微鏡で判別するような大きさものも認識するわけですから、指先の感覚は侮れません。

指先に存在する刺激を感じ取る受容器を分析して、最高の心地よさを演出する質感を出せれば最高ですが、なかなか今のところそれは難しいようです。

指先の感覚は全て神経を通じて、電気信号として脳へ送られて処理されます。
この処理の段階で、好ましい感触や不快な感触というのは、個人の記憶や学習によっても影響されるため、かなり複雑な処理となるからです。

ふわふわの毛皮が心地よいと思う人もいれば、そうでないと思う人もいて、同じものでも正反対の反応を示すこともあります。

文化の違いも大きいでしょう。
皮膚感覚でよく言われるのが、アメリカ人と日本人の洗い上がりの好み。
アメリカ人はボディシャンプーを使い、肌がぬるっとした仕上がりを好みますが、
日本人は石鹸のキシキシ感が好きです。
石鹸カスが体の表面についた感触を日本人は好むわけで、同じ人間でも文化の違いで好みが分かれる例でしょう。
ただ、日本人も石鹸カスが大量につくとオイリーぽくなって、さすがにそれは気持ち悪く、体の表面に0.1g以下の量で付着するのを好むようです。

体に付着する石鹸カスを知らないうちに認識しているのですから、皮膚感覚は敏感で面白いですよね。


shin_chanz at 20:28│Comments(0) 細胞機能 

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