分析・品質管理

2007年07月27日

細胞毒性の信憑性って その3

細胞培養を勉強する学会に所属しているのですが、その学会誌に面白い研究が
載っていました。
(Tiss.Cult.Res.Commun 26,143-147,2007)

水道水の毒性を長年研究している先生ですが、
なんと使う培地によって毒性の判定がばらばらになるというものです。

水道水の毒性を調べる方法にコロニー形成法というものがあります。
最初にある培地で細胞を培養して、勢いをつけたところに
水道水の入った培地で培養して、健全に細胞が成育できるか判定します。

なにか細胞の成育を阻害する成分があれば、
細胞は育たずに死んでしまいますが、
問題なければ、順調に細胞は育っていきます。

ちなみに、細胞自体は顕微鏡でみないとわからないくらいの大きさです。
その小さな細胞がたくさん増えると肉眼でもわかるような小さな塊が
いくつも培地に表われてきます。

その数を数えることで、どれだけ細胞が順調に生育するか判定できます。
細胞毒性があるとコロニーはできません。
(コロニー形成法は、細菌やカビの検出試験でも使われる方法です。)

さて、このコロニー形成法で色々培地を調べてみると
使用する培地によっては、コロニーが2つや1つの場合もあれば
別の会社なら589個もできることがわかりました。
つまり、培養する細胞によっては、市販の培地自体に
何か細胞毒性を示す成分が入っているということです。

また、この細胞毒性を示す培地を滅菌して保存すると、
保存日数が増える度に細胞のコロニー形成力が向上していきます。
つまり、細胞毒性が低くなっていくということです。

細胞培養の上での技術的な注意点を指摘した論文なのですが、
細胞毒性を調べるには、適切な細胞と培地を使用しないと
間違った結論に達することあるということを示唆しています。

ネットでは化粧品の毒性判定が流行っていますが、
そもそも信頼できるデーターに基づいているのかどうかが
問題になると思われます。

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2007年07月26日

細胞毒性の信憑性って その2

今日は天神祭りでした。

大阪駅はすごい人で、今日は天気がよいだけにものすごく人出が多いのでしょう。

ちなみに大阪にずーと住んでいるんですが、いったことはないです。

帰りの環状線からいつも眺めるだけで、川に浮かぶ屋形船には情緒がありそうで、
一度は乗ってみたいと思っています(^^)

さて、3次元培養皮膚にくらべて注意が必要なのが、単細胞で行う場合です。

細胞がむき出しの状態ですから、化粧品で使われる通常の濃度では
毒性試験はできません。
測定する物質の濃度も薄い濃度で比較する必要があります。

ただ、メリットはコストが安いということ。

美白化粧品ではメラニンの合成量で、どれだけ美白効果が
強いかを比較することがありますが、そのときに使われるのが、
ヒトの皮膚がん細胞です。

がん細胞はどんどんメラニンを作っていくので、
非常に比較しやすく、また死ににくいという特徴があります。

さて、この培養細胞での実験ですが、結構データがぶれることがあります。
単細胞でも三次元培養皮膚でも、毒性が強くなったり、弱くなったりします。

一般的に、不器用で実験が下手な人がやれば、毒性が強いと判断されることも
ありますし、上手な人でも日を変えると実験結果が少し変わることもあります。

つまり、何かの化粧品の毒性が中だと判定される、
いつも中というわけではなく、下手な人なら強にもなるし、
上手な人でも弱になることもあります。

そんなにぶれるのはたまらんということで、
通常は一定の毒性を示すラウリル硫酸ナトリウムなども一緒に実験して
そのデータを比較して、相対的に毒性を考えます。

こうすることで、何かの原因で実験結果がぶれたとしても
そのときは標準で使用しているラウリル硫酸ナトリウムの結果も
同じようにぶれるようになります。

実験が下手で、測定したい物質の毒性が強く出ても
いつもよりラウリル硫酸ナトリウムのデータが強い毒性が出ているなら、
その物質の毒性は本当に強いのではなくて、か弱い細胞を使ったせいか、
実験ミスをどこかでおかしているかということを疑ったほうがよいということになります。

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2007年07月25日

細胞毒性の信憑性って

最近は、化粧品の動物実験もだいぶ少なくなってきています。
どうしても動物実験しないとわからないこともありますが、
動物実験というのは、とてもお金がかかります。

現実的に動物実験を行っているのは、数十社くらいかなと思っています。

動物実験するには、動物を飼う施設も要りますし、
なにより動物実験したあとのデータ解析を行う人の年棒がやたら高い(笑)
一人いれば、営業や化粧品の処方開発者の二人くらいは雇えるかもしれません。
(単に皮膚が赤くなったかどうかと見る人ではなくて、
 組織を切り出して、細胞の動向を解析する人です)

中堅どころでも動物実験はお金はもったいないので、
そんなことに人件費を使うなら営業や処方開発にお金を使ったほうが
ましと考えるところが多いと思います。

さて、そんな中でも低コストで出来るのが細胞培養法です。
細胞培養法は、細胞を培養するインキュベーターというオーブンと
ある程度無菌にして、作業する台、そして光の吸収度を測定する機械が
あればなんとかやっていけます。

細胞培養には、主に2種類あって、生きた細胞をそのまま使う方法と
3次元培養皮膚(人工皮膚)を使う方法がそれぞれ使われています。

3次元培養皮膚というのは、その名の通り皮膚の細胞を立体的に
培養して、角質まで出来上がっているものです。

どういうメリットがあるかというと、角質層があるため、
普通の皮膚に塗るのと同じ濃度で実験を行えるというメリットです。
つまりより実際に近い形での実験ができるわけです。

ただ、自社で出来たらいいのですが、それは難しいので、
グンゼやクラボウなどの外部機関から購入する必要があり、
コストがとても高いというデメリットもあります。

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2006年10月22日

オイルの分析

化粧品のオイルの分析というと、いくつかあるのですが、
未知の試料を調べて、どういうオイルか判断する方法のひとつに
ガスクロマトグラフ法というのがあります。

オイルの特徴を決定付けるのが、その脂肪酸組成になります。

オイルはグリセリンに脂肪酸が3つくっついたものですが、
大まかに言うと、この脂肪酸が常温で液体のものが多いと液体のオイルに
固体の脂肪酸が多いと固体の油脂になります。

オイルのテクスチャやその効果が脂肪酸によって決定づけられます。

そのためオイルには固有の脂肪酸組成があります。

オリーブオイルや椿油なら、オレイン酸が多くなりますし、
やし油油ならラウリン酸、ミリスチン酸が多くなります。
マカデミアンナッツオイルなら、パルミトオレイン酸があり、
牛脂なら植物油にはない奇数脂肪酸が入っています。

脂肪酸組成を調べることで、だいたいどういうオイルが混ざっているかが
わかります。

脂肪酸はその分子の大きさや構造によって、蒸発する温度が変わっています。
つまり、その蒸発する温度を調べることで、どういう脂肪酸かということが
わかるわけです。

その脂肪酸を調べるのが下の装置となります。
中の白いストローがくるくる巻いたような部分をカラムといって、
ここに脂肪酸を吸着する粉が充填されています。

脂肪酸の化学構造の違いによって、カラムの中の粉への吸着力に
違いでて、その違いによりカラムから出てくる時間が変わってきます。

上部にいろいろメーターがついていますが、
これは空気や窒素、水素ガスの圧力を調整するメーターになります。

装置に脂肪酸を入れるのは、ちょうど注射器のような装置で、
ほんの微量注入します。装置に入れると高温で熱せられて
瞬時に気化し、高圧の窒素ガスで、その気化した脂肪酸を出口まで
押し出します。脂肪酸の種類によって、出てくる時間が違うのですが、
出口で水素を燃やして、その炎で脂肪酸が燃えると、
脂肪酸が出てきたと知らせる仕組みになっています。

だいたい600℃くらいまで揮発する成分を調べることが出来ますので、
オイルの脂肪酸組成の他、化粧水中のアルコールやグリセリン、BGなどの
量も調べることができます。


ガスクロ

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