2006年12月
2006年12月19日
また、またトランス脂肪酸
トランス脂肪酸というのは、やっかいでマーガリンだけでなく、
牛肉や牛乳などにも含まれています。
そのため、基本的には毎日食べているような状況です。
日本油化学会誌1998年5号には、食肉中のトランス脂肪酸の量が
掲載されています。
食肉といっても、トランス脂肪酸があるのは、牛肉や羊肉となります。
豚には、飼料に牛由来の油が混入しない限りまずトランス脂肪酸はありません。
鶏肉にも同様にトランス脂肪酸はありません。
(ベーコンやハムなどの加工肉では加工中にトランス脂肪酸ができるようです)
ここで、牛や羊にトランス脂肪酸ができるのは、胃の中に
脂肪酸へ水素を添加する細菌がいるからです。
たとえば、口溶けのよいマグロのトロのような脂身を持つ牛肉を
作ろうとして、魚油や植物油を配合した飼料を食べさせても、
胃の中の細菌が、飼料中の脂肪に水素を添加して、
トランス脂肪酸や飽和脂肪酸にするため、
室温では口溶けの悪い融点の高い脂身にしかならないのです。
素人考えでは、胃の中の細菌を除菌して、飼料を食べさせたら、
とろけるような脂肪の牛肉ができそうな気がしますが、
まあ、世の中はそんなに甘くはないのでしょう・・・(笑)
和牛のなかでトランス脂肪酸が多いのは、
ばらで5検体平均4.9%、ほかに多いのはサーロインとかた
少ないところはひれ肉で3検体平均2.7%でももやランプも
同様に少ないことがわかっています。
また、国別の牛肉では、アメリカ産と比べてもほぼ同等という結果でした。
和牛は脂肪分が多い濃厚飼料で育てられるため、
「霜降り肉」が多くなります。
肉中の脂肪分は和牛の方が多くなります。
そのため、肉100g当りでは、和牛の方がトランス脂肪酸の量は多くなります。
和牛は脂肪分が多くて柔らかく、くさみがなくて美味しいんですけどね・・
牛肉や牛乳などにも含まれています。
そのため、基本的には毎日食べているような状況です。
日本油化学会誌1998年5号には、食肉中のトランス脂肪酸の量が
掲載されています。
食肉といっても、トランス脂肪酸があるのは、牛肉や羊肉となります。
豚には、飼料に牛由来の油が混入しない限りまずトランス脂肪酸はありません。
鶏肉にも同様にトランス脂肪酸はありません。
(ベーコンやハムなどの加工肉では加工中にトランス脂肪酸ができるようです)
ここで、牛や羊にトランス脂肪酸ができるのは、胃の中に
脂肪酸へ水素を添加する細菌がいるからです。
たとえば、口溶けのよいマグロのトロのような脂身を持つ牛肉を
作ろうとして、魚油や植物油を配合した飼料を食べさせても、
胃の中の細菌が、飼料中の脂肪に水素を添加して、
トランス脂肪酸や飽和脂肪酸にするため、
室温では口溶けの悪い融点の高い脂身にしかならないのです。
素人考えでは、胃の中の細菌を除菌して、飼料を食べさせたら、
とろけるような脂肪の牛肉ができそうな気がしますが、
まあ、世の中はそんなに甘くはないのでしょう・・・(笑)
和牛のなかでトランス脂肪酸が多いのは、
ばらで5検体平均4.9%、ほかに多いのはサーロインとかた
少ないところはひれ肉で3検体平均2.7%でももやランプも
同様に少ないことがわかっています。
また、国別の牛肉では、アメリカ産と比べてもほぼ同等という結果でした。
和牛は脂肪分が多い濃厚飼料で育てられるため、
「霜降り肉」が多くなります。
肉中の脂肪分は和牛の方が多くなります。
そのため、肉100g当りでは、和牛の方がトランス脂肪酸の量は多くなります。
和牛は脂肪分が多くて柔らかく、くさみがなくて美味しいんですけどね・・
2006年12月18日
マーガリン中のトランス脂肪酸
トランス脂肪酸の続きです。
トランス脂肪酸騒動というのは、欧米のバター製造業者の逆襲なのでしょうか・(^^;
日本はバターを作る業者とマーガリンを作るところは一緒ですが、
欧米では違います。
バターは飽和脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸やコレステロールが含まれて、動脈硬化の原因になるとか
以前はネガティブキャンペーンが吹き荒れました。
バター製造業者はマーガリン屋がはじめたこのキャンペーンに
だいぶ苦しめられたみたいです。
それで、植物性のマーガリンの方が体にいいと聞いた方も多いと思います。
ここにきてマーガリンにはトランス脂肪酸が存在して、
トランス脂肪酸の危険性がガンガン囁かれ、
とうとう我が家でもバターに変わりました・・(^^;
ただ、バターは美味しいのはわかるんですけど、
パンに塗るときに溶けるまで時間がかかるので、
早く朝食を済ませたい人間にとっては、いらいらが募ります(笑)
バターに窒素を含ませてホイップしたバターだと
だいぶましになりますが、値段が高いです。
元々固体から液体になる温度が高いバターだと
どうしてもパンに塗って伸ばすまでの時間がかかってしまい、
マーガリンを好む方も多いと思います。
日本油化学会誌1998年2号には、各国のマーガリン中の
トランス脂肪酸の割合の調査報告が載っています。
それによりますと、カップタイプのマーガリンだと
ポルトガル2銘柄平均 0.9%、ベルギー5銘柄平均 1.3%、
オランダ15銘柄平均 2.7%、イギリス3銘柄平均 10.9%、
アメリカ10銘柄平均 24.8%、日本4銘柄平均 19.3%
カートンタイプのマーガリンだと
ポルトガル8銘柄平均 1.7%、ベルギー13銘柄平均 2.3%、
オランダ10銘柄平均 1.9%、イギリス16銘柄平均 8.0%、
アメリカ13銘柄平均 14.2%、日本15銘柄平均 11.1%
となっています。
かなり国によってトランス脂肪酸の量が違って、
とくにポルトガル、ベルギー、オランダになると、
この量の低さは、バター(だいたい5%くらい)より低くなります。
バターよりトランス脂肪酸が低いマーガリンが
ずいぶん前からヨーロッパでは作られているのには、ちょっと驚きでした。
まあ、トランス脂肪酸がない変わりにこれらの国のマーガリンには、
飽和脂肪酸が多くなっていますので、トランス脂肪酸が少ないから、
健康によいというわけではないので、ご注意を。
トランス脂肪酸騒動というのは、欧米のバター製造業者の逆襲なのでしょうか・(^^;
日本はバターを作る業者とマーガリンを作るところは一緒ですが、
欧米では違います。
バターは飽和脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸やコレステロールが含まれて、動脈硬化の原因になるとか
以前はネガティブキャンペーンが吹き荒れました。
バター製造業者はマーガリン屋がはじめたこのキャンペーンに
だいぶ苦しめられたみたいです。
それで、植物性のマーガリンの方が体にいいと聞いた方も多いと思います。
ここにきてマーガリンにはトランス脂肪酸が存在して、
トランス脂肪酸の危険性がガンガン囁かれ、
とうとう我が家でもバターに変わりました・・(^^;
ただ、バターは美味しいのはわかるんですけど、
パンに塗るときに溶けるまで時間がかかるので、
早く朝食を済ませたい人間にとっては、いらいらが募ります(笑)
バターに窒素を含ませてホイップしたバターだと
だいぶましになりますが、値段が高いです。
元々固体から液体になる温度が高いバターだと
どうしてもパンに塗って伸ばすまでの時間がかかってしまい、
マーガリンを好む方も多いと思います。
日本油化学会誌1998年2号には、各国のマーガリン中の
トランス脂肪酸の割合の調査報告が載っています。
それによりますと、カップタイプのマーガリンだと
ポルトガル2銘柄平均 0.9%、ベルギー5銘柄平均 1.3%、
オランダ15銘柄平均 2.7%、イギリス3銘柄平均 10.9%、
アメリカ10銘柄平均 24.8%、日本4銘柄平均 19.3%
カートンタイプのマーガリンだと
ポルトガル8銘柄平均 1.7%、ベルギー13銘柄平均 2.3%、
オランダ10銘柄平均 1.9%、イギリス16銘柄平均 8.0%、
アメリカ13銘柄平均 14.2%、日本15銘柄平均 11.1%
となっています。
かなり国によってトランス脂肪酸の量が違って、
とくにポルトガル、ベルギー、オランダになると、
この量の低さは、バター(だいたい5%くらい)より低くなります。
バターよりトランス脂肪酸が低いマーガリンが
ずいぶん前からヨーロッパでは作られているのには、ちょっと驚きでした。
まあ、トランス脂肪酸がない変わりにこれらの国のマーガリンには、
飽和脂肪酸が多くなっていますので、トランス脂肪酸が少ないから、
健康によいというわけではないので、ご注意を。
2006年12月16日
クレンジング剤 シリコーンを溶かす
クレンジング剤は、日焼け止めや耐水性のメイクを落とす必要がありますが、
そういったものには、シリコーンが基材として使われています。
落ちにくいシリコーンの代表例がジメチコンというものです。
フェニルトリメチコン、シクロメチコンなどもありますが、
こちらは大部分がオリーブオイルなどに溶けます。
ほかにも数多くのシリコーン誘導体などもあります。
ほとんどすべてのシリコーンを溶かす溶剤というのは、
環状シリコーンである、シクロメチコンやシクロペンタシロキサン、
シクロヘキサシロキサン、カプリリルメチコンなどがあります。
とくにシクロメチコンやシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンは
日焼け止めやリキッドファンデーションによく使われるものです。
こちらは徐々に数時間かけて蒸発するため、肌に残りません。
また、さらさらのさっぱりしたオイルです。
クレンジングにもシリコン系として、これらの揮発性シリコーンが
多用されます。
他には、ミリスチン酸イソプロピルやパルミチン酸イソプロピルも
ジメチコンを溶かしますので、クレンジング剤の基材に使われます。
これらは安価であるというのが非常に大きいです。
ただし、若干刺激性があります。
ほかにシリコーンの溶解力が高いものに、
イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルなどがあります。
イソノナン酸イソノニルは臭いが少ないのが特徴で、クレンジング力も
ミリスチン酸イソプロピルなどより上になります。
その他、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、
イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソデシル、
ジカプリン酸ネオペンチレングリコールなどもシリコーンを溶かすことができます。
こういう成分がないとクレンジング剤としては洗浄力が落ちることになります。
そういったものには、シリコーンが基材として使われています。
落ちにくいシリコーンの代表例がジメチコンというものです。
フェニルトリメチコン、シクロメチコンなどもありますが、
こちらは大部分がオリーブオイルなどに溶けます。
ほかにも数多くのシリコーン誘導体などもあります。
ほとんどすべてのシリコーンを溶かす溶剤というのは、
環状シリコーンである、シクロメチコンやシクロペンタシロキサン、
シクロヘキサシロキサン、カプリリルメチコンなどがあります。
とくにシクロメチコンやシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンは
日焼け止めやリキッドファンデーションによく使われるものです。
こちらは徐々に数時間かけて蒸発するため、肌に残りません。
また、さらさらのさっぱりしたオイルです。
クレンジングにもシリコン系として、これらの揮発性シリコーンが
多用されます。
他には、ミリスチン酸イソプロピルやパルミチン酸イソプロピルも
ジメチコンを溶かしますので、クレンジング剤の基材に使われます。
これらは安価であるというのが非常に大きいです。
ただし、若干刺激性があります。
ほかにシリコーンの溶解力が高いものに、
イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルなどがあります。
イソノナン酸イソノニルは臭いが少ないのが特徴で、クレンジング力も
ミリスチン酸イソプロピルなどより上になります。
その他、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、
イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソデシル、
ジカプリン酸ネオペンチレングリコールなどもシリコーンを溶かすことができます。
こういう成分がないとクレンジング剤としては洗浄力が落ちることになります。
2006年12月15日
クレンジング剤
クレンジング剤はいろいろあります。
一番落ちやすいのはオイルクレンジング剤です。
その次は、ミルククレンジングやクレンジングジェルでしょうか。
オイルクレンジングが落ちやすいのは理由があります。
それはメイク汚れというのは、オイル系の汚れなので、
オイルになじみやすいという性質を持っているからです。
水の中にオイルが溶けているミルククレンジングやクレンジングジェルだと
マッサージによりクレンジング剤の中の水分を飛ばして
メイク汚れとなじませる手間がある分、汚れは落ちにくくなります。
ただ、オイルクレンジングだとすこし油性感のある洗い上がりに対して、
ミルククレンジングやクレンジングジェルはさっぱりとした
洗い上がりとなります。
オイルクレンジングにもふき取りタイプと洗い流すタイプがありますが、
最近の流行はお風呂でも使える洗い流すタイプです。
また、一番難しいのは、クレンジングと洗顔が一体になったタイプです。
何十年も化粧品を開発しているのに、そんな簡単なことも出来ないのかと
思われる方も多いと思いますが、
クレンジングと洗顔料や石鹸と一体になるというのは、
簡単のようで、使用する界面活性剤が相反する性質のもののため、
なかなか満足のいくものが今のところ開発されていません。
まあ、クレンジングと洗顔料をあわせて普通に5千円支払う女性は
非常に多いので、わざわざ一体型を開発して、
売り上げを減らす必要もないだろうという考え方も根強くあります。
ところで、最近のメイク化粧品の特徴は、水に強いということです。
汗や涙でも落ちにくいマスカラなどが流行していますが、
シリコーンを基材としたファンデーションも多くあります。
これは耐水性を持たせて、化粧崩れをできるだけ抑えるというのが
目的なのですが、そうするとそういうメイクは石鹸や洗顔料では
落ちません。
シリコーンは石鹸を弾いてしまいますので、石鹸が水にシリコーンを
溶かし込もうとしても、溶かせないのです。
また、オリーブオイルなどのオイルにもシリコーンは溶けません。
オリーブオイルなどで、ふき取り型のクレンジングをされている方も
多いかと思われますが、残念ながら完全にシリコーンを
落とすことはできません。
ティッシュに何もつけずにメイクを拭い去ってもかなり落ちますが、
毛穴や皮膚の溝に入り込んだ汚れを拭い去るのはちょっと難しいです。
そのためクレンジング剤には、シリコーンを溶かす成分が配合されいます。
ただ、市販のクレンジング剤、とくに自然派化粧品には、
シリコーンを溶かす成分を配合せずにクレンジング剤として売られている
場合もあります。そのような商品では、残念ながらメイクを効果的に
落とすことは出来ません。
なんでそんな商品があるのかは、ちょっと謎なんですが・・(^^;;
一番落ちやすいのはオイルクレンジング剤です。
その次は、ミルククレンジングやクレンジングジェルでしょうか。
オイルクレンジングが落ちやすいのは理由があります。
それはメイク汚れというのは、オイル系の汚れなので、
オイルになじみやすいという性質を持っているからです。
水の中にオイルが溶けているミルククレンジングやクレンジングジェルだと
マッサージによりクレンジング剤の中の水分を飛ばして
メイク汚れとなじませる手間がある分、汚れは落ちにくくなります。
ただ、オイルクレンジングだとすこし油性感のある洗い上がりに対して、
ミルククレンジングやクレンジングジェルはさっぱりとした
洗い上がりとなります。
オイルクレンジングにもふき取りタイプと洗い流すタイプがありますが、
最近の流行はお風呂でも使える洗い流すタイプです。
また、一番難しいのは、クレンジングと洗顔が一体になったタイプです。
何十年も化粧品を開発しているのに、そんな簡単なことも出来ないのかと
思われる方も多いと思いますが、
クレンジングと洗顔料や石鹸と一体になるというのは、
簡単のようで、使用する界面活性剤が相反する性質のもののため、
なかなか満足のいくものが今のところ開発されていません。
まあ、クレンジングと洗顔料をあわせて普通に5千円支払う女性は
非常に多いので、わざわざ一体型を開発して、
売り上げを減らす必要もないだろうという考え方も根強くあります。
ところで、最近のメイク化粧品の特徴は、水に強いということです。
汗や涙でも落ちにくいマスカラなどが流行していますが、
シリコーンを基材としたファンデーションも多くあります。
これは耐水性を持たせて、化粧崩れをできるだけ抑えるというのが
目的なのですが、そうするとそういうメイクは石鹸や洗顔料では
落ちません。
シリコーンは石鹸を弾いてしまいますので、石鹸が水にシリコーンを
溶かし込もうとしても、溶かせないのです。
また、オリーブオイルなどのオイルにもシリコーンは溶けません。
オリーブオイルなどで、ふき取り型のクレンジングをされている方も
多いかと思われますが、残念ながら完全にシリコーンを
落とすことはできません。
ティッシュに何もつけずにメイクを拭い去ってもかなり落ちますが、
毛穴や皮膚の溝に入り込んだ汚れを拭い去るのはちょっと難しいです。
そのためクレンジング剤には、シリコーンを溶かす成分が配合されいます。
ただ、市販のクレンジング剤、とくに自然派化粧品には、
シリコーンを溶かす成分を配合せずにクレンジング剤として売られている
場合もあります。そのような商品では、残念ながらメイクを効果的に
落とすことは出来ません。
なんでそんな商品があるのかは、ちょっと謎なんですが・・(^^;;
2006年12月13日
水素添加する化粧品原料
水素添加というのは、酸化しやすいものを酸化しにくくする技術です。
たとえば、レシチンという原料があります。
レシチンはクリームなどに使われる卵や大豆に含まれている成分ですが、
酸化しやすい原料でもあります。
それはレシチンには酸化しやすい、つまり酸素とくっつく部分があるからで、
この欠点をなくしたのが、水添レシチンというものです。
自然派化粧品の中には、水添レシチンは合成界面活性剤という主張があります。
水素を加えるからなんでしょうが、水素を加えてもレシチンは
天然に存在するレシチンと変わりません。
レシチンの脂肪酸部分がリノール酸からステアリン酸に変わるだけで、
ステアリン酸がついたレシチンは普遍的に自然に存在するからです。
こんなこと水添レシチンの化学構造式を書けばすぐにわかることなんですが、
水添レシチンを合成界面活性剤だという自然派化粧品の人間は
レシチンの化学構造をあまり知らないようで、困ったものです。
高校の化学の授業をさぼったんでしょうね(笑)
ちなみに油脂に水素を添加して作る原料には、
主にリンス剤の原料や高級アルコールなどがあります。
脂肪酸に上手に水素をつけると脂肪酸からアルコールに変化します。
(たとえば封をあけておいておいたお酒が酸化して
お酢に変わりますが、水素を添加すると反応が逆に進み
お酢からエタノールに変化します。)
高級アルコールはさらに界面活性剤の原料となり、
かなりの種類の界面活性剤が作られていきます。
たとえば、レシチンという原料があります。
レシチンはクリームなどに使われる卵や大豆に含まれている成分ですが、
酸化しやすい原料でもあります。
それはレシチンには酸化しやすい、つまり酸素とくっつく部分があるからで、
この欠点をなくしたのが、水添レシチンというものです。
自然派化粧品の中には、水添レシチンは合成界面活性剤という主張があります。
水素を加えるからなんでしょうが、水素を加えてもレシチンは
天然に存在するレシチンと変わりません。
レシチンの脂肪酸部分がリノール酸からステアリン酸に変わるだけで、
ステアリン酸がついたレシチンは普遍的に自然に存在するからです。
こんなこと水添レシチンの化学構造式を書けばすぐにわかることなんですが、
水添レシチンを合成界面活性剤だという自然派化粧品の人間は
レシチンの化学構造をあまり知らないようで、困ったものです。
高校の化学の授業をさぼったんでしょうね(笑)
ちなみに油脂に水素を添加して作る原料には、
主にリンス剤の原料や高級アルコールなどがあります。
脂肪酸に上手に水素をつけると脂肪酸からアルコールに変化します。
(たとえば封をあけておいておいたお酒が酸化して
お酢に変わりますが、水素を添加すると反応が逆に進み
お酢からエタノールに変化します。)
高級アルコールはさらに界面活性剤の原料となり、
かなりの種類の界面活性剤が作られていきます。
2006年12月11日
おいしいトランス脂肪酸?
また、トランス脂肪酸ネタです。
トランス脂肪酸には、ちょっと仕事で悩まされていたので、
少しばかり思い入れがあります・・(笑)
どのくらいはいっているのかという分析は結構難しいです。
ガスクロマトグラフ法で、キャピラリーカラムという高い特別なカラムを
使用して分析をしないといけないので、費用はかかるし、また詳細な構造解析も
2次元NMRという最新鋭の装置を使わないといけません。
食品にトランス脂肪酸の表示が義務づけられると、
大手はともかく中小は大変だと思います。
さて、ずいぶん前になりますが、奮発して帝国ホテルで
スペインのイベリコ豚の生ハムを食べたことがあります。
なんだかワックスみたいな食感で、それほど匂いもよいと思わなかったので
そのまますぐに食べちゃいました。
たぶん、あれって本当は口の中で油を溶かして味合うものなんですね。
貧乏人なので、なんでこんなものが高いんだと思いながら
味もわからないうちに終わってしまいましたが・・(^^;;
生もので脂がのったものといえば、牛肉のタタキなどより
マグロのトロの方が好きです。
口の中で溶けていくのがよいです。
牛肉だと、高級肉は別にして、生で食べるとちょっとべたつきというか
脂っぽさを感じてしまいます。焼いたほうが脂は美味しいかな。
イベリコの生ハムを食べた時には、とろける様な脂だと
勝手に思い込んでいただけに口のなかでなかなか溶けず、
何これって感じでした。間違えて変なものが出てきたのかと(笑)
脂の美味しさの評価は色々ありますが、舌の上でとろけていくというのは、
非常に大事です。
トロが生で食べても美味しいのは、脂肪酸組成にあり、
牛脂と違って低温でも液体の脂肪酸が多いため、
口の中に入れたときに脂が口の中全体へ広がっていきます。
牛肉の場合は、脂肪酸組成にパルミチン酸やステアリン酸のような
室温で硬く固まっている脂肪酸が多いので、室温ではなかなか脂は溶けません。
ただ、トロのような脂だと、確かに生で食べても美味しいですが、
問題は酸化されやすいので、流通上問題が生じます。
そこで出てくるのが、酸化されやすい魚油や植物油の水素添加ですが、
水素添加を行うことで、油の脂肪酸組成を自由に変え、
非常に鋭い融点の油を作ることができます。
たとえば、食べる前は保形性を保っていながら、
舌であじあうとさっと溶けて広がっていくような油です。
油の融点は脂肪酸組成だけでなく、油の結晶状態によっても変わるのですが、
水素添加というのは、好みの温度で溶かすという機能性を持たせるので、
食品加工には広く使われています。
トランス脂肪酸は、微妙な融点をコントロールするのにちょうど良いので
案外と邪魔者ではなく、それなりの役割を与えられていました。
トランス脂肪酸には、ちょっと仕事で悩まされていたので、
少しばかり思い入れがあります・・(笑)
どのくらいはいっているのかという分析は結構難しいです。
ガスクロマトグラフ法で、キャピラリーカラムという高い特別なカラムを
使用して分析をしないといけないので、費用はかかるし、また詳細な構造解析も
2次元NMRという最新鋭の装置を使わないといけません。
食品にトランス脂肪酸の表示が義務づけられると、
大手はともかく中小は大変だと思います。
さて、ずいぶん前になりますが、奮発して帝国ホテルで
スペインのイベリコ豚の生ハムを食べたことがあります。
なんだかワックスみたいな食感で、それほど匂いもよいと思わなかったので
そのまますぐに食べちゃいました。
たぶん、あれって本当は口の中で油を溶かして味合うものなんですね。
貧乏人なので、なんでこんなものが高いんだと思いながら
味もわからないうちに終わってしまいましたが・・(^^;;
生もので脂がのったものといえば、牛肉のタタキなどより
マグロのトロの方が好きです。
口の中で溶けていくのがよいです。
牛肉だと、高級肉は別にして、生で食べるとちょっとべたつきというか
脂っぽさを感じてしまいます。焼いたほうが脂は美味しいかな。
イベリコの生ハムを食べた時には、とろける様な脂だと
勝手に思い込んでいただけに口のなかでなかなか溶けず、
何これって感じでした。間違えて変なものが出てきたのかと(笑)
脂の美味しさの評価は色々ありますが、舌の上でとろけていくというのは、
非常に大事です。
トロが生で食べても美味しいのは、脂肪酸組成にあり、
牛脂と違って低温でも液体の脂肪酸が多いため、
口の中に入れたときに脂が口の中全体へ広がっていきます。
牛肉の場合は、脂肪酸組成にパルミチン酸やステアリン酸のような
室温で硬く固まっている脂肪酸が多いので、室温ではなかなか脂は溶けません。
ただ、トロのような脂だと、確かに生で食べても美味しいですが、
問題は酸化されやすいので、流通上問題が生じます。
そこで出てくるのが、酸化されやすい魚油や植物油の水素添加ですが、
水素添加を行うことで、油の脂肪酸組成を自由に変え、
非常に鋭い融点の油を作ることができます。
たとえば、食べる前は保形性を保っていながら、
舌であじあうとさっと溶けて広がっていくような油です。
油の融点は脂肪酸組成だけでなく、油の結晶状態によっても変わるのですが、
水素添加というのは、好みの温度で溶かすという機能性を持たせるので、
食品加工には広く使われています。
トランス脂肪酸は、微妙な融点をコントロールするのにちょうど良いので
案外と邪魔者ではなく、それなりの役割を与えられていました。
2006年12月10日
続トランス脂肪酸
トランス脂肪酸自体はずいぶん前から業界では問題になっていました。
おそらく20年前から問題視されていました。
ようやく「表に出された」という感じですが、日本の製油メーカーでは
一番規制が厳しいデンマークの基準をクリアしたものを供給し始めていますし
変な海外の食品を食べない限り、問題はないと思います。
ちなみに日本の食品では、たしかカレーのルーに
トランス脂肪酸が多く含まれています。
油脂への水素添加は酸化しやすい魚油を改質して
オリーブオイルのような脂肪酸組成にしたりするメリットがあります。
食品に多く使われる油のうち、脂肪酸の融点はステアリン酸が一番高くて、
次にパルミチン酸となります。
オレイン酸やリノール酸、リノレン酸は2重結合というものがあって、
融点が低くなります。
二重結合があると、そこへ酸素がくっつくので、酸素がくっつく前に
水素を最初からつければ油脂は安定になっていいじゃんということで
水素を添加します。
水素をつける量によって、少量ならリノレン酸をオレイン酸に
もしくはリノール酸をオレイン酸にすることができ、
大量ならリノレン酸からステアリン酸へと変化します。
水素添加は、化粧品向けにはあまり使われません。
量的にまとまっているのは、柔軟剤の原料向けでしょうか。
主には食品向けになります。
液体の植物油や魚油に水素を添加すると融点が高くなって、
室温で液体であったものが、ペースト状になったりします。
欧米でトランス脂肪酸でよく食べられるのは、
水素添加すると少し甘い芳香が出る場合があり、
それがまた欧米人好みであるのも大きいです。
ポテトフライやフライドチキンなどはトランス脂肪酸が
ちょっと入っている方が彼らは美味しいと感じます。
日本人はどちらかというとサラダ油に代表されるような
液体タイプの油が好みです。
菜種を絞って作った赤い菜種油は赤水と呼ばれて、
こんがり黄金色のてんぷらを作るにはなくてはならないものです。
さすがにアメリカでも外食チェーンはトランス脂肪酸フリーを
謳い文句にしはじめましたが、コストがかなり高くなるので、
なかなか簡単にはいかないようです。
おそらく20年前から問題視されていました。
ようやく「表に出された」という感じですが、日本の製油メーカーでは
一番規制が厳しいデンマークの基準をクリアしたものを供給し始めていますし
変な海外の食品を食べない限り、問題はないと思います。
ちなみに日本の食品では、たしかカレーのルーに
トランス脂肪酸が多く含まれています。
油脂への水素添加は酸化しやすい魚油を改質して
オリーブオイルのような脂肪酸組成にしたりするメリットがあります。
食品に多く使われる油のうち、脂肪酸の融点はステアリン酸が一番高くて、
次にパルミチン酸となります。
オレイン酸やリノール酸、リノレン酸は2重結合というものがあって、
融点が低くなります。
二重結合があると、そこへ酸素がくっつくので、酸素がくっつく前に
水素を最初からつければ油脂は安定になっていいじゃんということで
水素を添加します。
水素をつける量によって、少量ならリノレン酸をオレイン酸に
もしくはリノール酸をオレイン酸にすることができ、
大量ならリノレン酸からステアリン酸へと変化します。
水素添加は、化粧品向けにはあまり使われません。
量的にまとまっているのは、柔軟剤の原料向けでしょうか。
主には食品向けになります。
液体の植物油や魚油に水素を添加すると融点が高くなって、
室温で液体であったものが、ペースト状になったりします。
欧米でトランス脂肪酸でよく食べられるのは、
水素添加すると少し甘い芳香が出る場合があり、
それがまた欧米人好みであるのも大きいです。
ポテトフライやフライドチキンなどはトランス脂肪酸が
ちょっと入っている方が彼らは美味しいと感じます。
日本人はどちらかというとサラダ油に代表されるような
液体タイプの油が好みです。
菜種を絞って作った赤い菜種油は赤水と呼ばれて、
こんがり黄金色のてんぷらを作るにはなくてはならないものです。
さすがにアメリカでも外食チェーンはトランス脂肪酸フリーを
謳い文句にしはじめましたが、コストがかなり高くなるので、
なかなか簡単にはいかないようです。
2006年12月06日
トランス脂肪酸
ニューヨーク市でのトランス脂肪酸の規制が大々的に報道しました。
トランス脂肪酸というのは、油脂を水素添加するときに
副生する脂肪酸のことです。
ところで、何のために水素添加を行うかというと、
大豆油や菜種油などそのままでは保存中に酸化して(酸素とくっついて)
食べると毒になる植物油を改質するために行う作業です。
酸素とくっつく前に先に水素と反応させることで、
酸素のくっつく場所をなくして、油脂の保存性を上げるという作業です。
ただし、水素は簡単に油脂とくっつくわけではありません。
水素をくっつかせるためには、高温で高圧にしないといけませんので、
その反応条件により、トランス脂肪酸が出来てしまいます。
トランス脂肪酸になると、常温で液体のはずの脂肪酸が硬く固まりに
なってしまいます。
脂肪酸は細胞膜などの成分になりますので、今まで流動性を保っていた
細胞膜がトランス脂肪酸を取り込むと流動性がなくなり、
細胞機能がおかしくなってきます。
ただ、トランス脂肪酸は反芻動物の胃袋にいる細菌によって
生み出されることもありますので、牛や羊の肉や乳製品にも
基本的に含まれてしまいます。
しかしながら、牛由来のトランス脂肪酸には共役リノール酸という
有用なトランス脂肪酸も、多少含まれているので、トランス脂肪酸を
厳しく規制しても酪農家保護のため、牛のトランス脂肪酸を
規制しない国もあります。
まあ、酪農家の方が製油会社に勤める人間より数は多いですからね・・(^^;
日本では、トランス脂肪酸はあまり問題にはなっていません。
もともと油脂の消費量が少ないのが大きいのですが、
食事の好みが欧米人と違うことが大きいので、
日本人のトランス脂肪酸摂取量はそれほど問題にはなっていないようです。
なお、油脂の改質技術には目覚しいものがあって、
かなりの低トランス脂肪酸の量となる水素添加技術や
水素添加しなくてもエステル交換で油脂を改質する技術が開発されているので、
アメリカで騒ぐほど日本では問題にならないような気がします。
トランス脂肪酸というのは、油脂を水素添加するときに
副生する脂肪酸のことです。
ところで、何のために水素添加を行うかというと、
大豆油や菜種油などそのままでは保存中に酸化して(酸素とくっついて)
食べると毒になる植物油を改質するために行う作業です。
酸素とくっつく前に先に水素と反応させることで、
酸素のくっつく場所をなくして、油脂の保存性を上げるという作業です。
ただし、水素は簡単に油脂とくっつくわけではありません。
水素をくっつかせるためには、高温で高圧にしないといけませんので、
その反応条件により、トランス脂肪酸が出来てしまいます。
トランス脂肪酸になると、常温で液体のはずの脂肪酸が硬く固まりに
なってしまいます。
脂肪酸は細胞膜などの成分になりますので、今まで流動性を保っていた
細胞膜がトランス脂肪酸を取り込むと流動性がなくなり、
細胞機能がおかしくなってきます。
ただ、トランス脂肪酸は反芻動物の胃袋にいる細菌によって
生み出されることもありますので、牛や羊の肉や乳製品にも
基本的に含まれてしまいます。
しかしながら、牛由来のトランス脂肪酸には共役リノール酸という
有用なトランス脂肪酸も、多少含まれているので、トランス脂肪酸を
厳しく規制しても酪農家保護のため、牛のトランス脂肪酸を
規制しない国もあります。
まあ、酪農家の方が製油会社に勤める人間より数は多いですからね・・(^^;
日本では、トランス脂肪酸はあまり問題にはなっていません。
もともと油脂の消費量が少ないのが大きいのですが、
食事の好みが欧米人と違うことが大きいので、
日本人のトランス脂肪酸摂取量はそれほど問題にはなっていないようです。
なお、油脂の改質技術には目覚しいものがあって、
かなりの低トランス脂肪酸の量となる水素添加技術や
水素添加しなくてもエステル交換で油脂を改質する技術が開発されているので、
アメリカで騒ぐほど日本では問題にならないような気がします。
無理なダイエットはハゲのもと・・
食べ物が美味しい季節となっていて、ついあれこれと食べ過ぎる方も
多いかと思います。
それで、急なダイエットを考えられる方もおられるかもしれません。
ここで問題です
体重50キロの女性の方が一日必要なカロリーを1500キロカロリーと
仮定すると、24時間絶食すれば、脂肪は何グラム減るでしょうか?
1.すべて脂肪でまかない167gの脂肪が減る。
2.脂肪は必要カロリーの半分の88gで残りはグリコーゲンでまかなう
3.脂肪は必要カロリーの80%の133gで残りはアミノ酸でまかなう。
ちなみに脂肪は1g=9キロカロリーなので、
1500キロカロリーだと1500÷9=167gに相当します。
なお、脳は脂肪を燃やすことはできず、ブドウ糖かケトンしか
エネルギー源にはなりません。
人間の主要なカロリーは、炭水化物で摂るのが最もよいとされています。
たとえば、肌によいからといって、アミノ酸主体の高たんぱく料理で
脂肪と糖を減らせば、なんとなくダイエットと美容に
よいような気がするかもしれません。
しかしながら、脳は重さは大してないのにかなりのカロリーを
消費する器官です。しかも、ブドウ糖かケトンしかエネルギーとして
使えません。
高たんぱく料理で炭水化物が少ないと、どうなるのか。
アミノ酸からブドウ糖を作る反応が肝臓で行われます。
糖新生というもので、これが肝臓に負担をかけますので、
一見ダイエットと美容を両立させるように見えるたんぱく質主体の
エネルギー摂取は健康を徐々に害していきます。
さて、問題の回答ですが、3となります。
脂肪として133g、そしてアミノ酸を65g消費して、
エネルギーを作り出します。
ブドウ糖が連なったグリコーゲンも肝臓などに蓄えられていますが、
こちらは一時的なときにさっと対応するためのものです。
長期的な飢餓になると、アミノ酸と脂肪がエネルギー元となっていきます。
アミノ酸は、主に筋肉組織のアミノ酸が分解されていきます。
人間には、髪の毛や皮膚、爪など、アミノ酸を大量に必要としている箇所が
ありますので、そちらにまわされたり、ブドウ糖になったりします。
ダイエットで炭水化物や脂肪を極端に抑えて、タンパク質をとっても
アミノ酸は大量に分解され、エネルギー源として利用されます。
つまり、体は「美容」より「生きること」を選択します。
たとえダイエットで肌や髪用としてアミノ酸を十分に摂ったつもりでも
肌や髪には回らずブドウ糖になっていきますので、
肌はがさがさになり、爪は変形し、髪の毛は抜け
ところどころハゲてきます。
無理なダイエットはハゲの原因といわれますが、
これでご理解いただけましたよね?
多いかと思います。
それで、急なダイエットを考えられる方もおられるかもしれません。
ここで問題です
体重50キロの女性の方が一日必要なカロリーを1500キロカロリーと
仮定すると、24時間絶食すれば、脂肪は何グラム減るでしょうか?
1.すべて脂肪でまかない167gの脂肪が減る。
2.脂肪は必要カロリーの半分の88gで残りはグリコーゲンでまかなう
3.脂肪は必要カロリーの80%の133gで残りはアミノ酸でまかなう。
ちなみに脂肪は1g=9キロカロリーなので、
1500キロカロリーだと1500÷9=167gに相当します。
なお、脳は脂肪を燃やすことはできず、ブドウ糖かケトンしか
エネルギー源にはなりません。
人間の主要なカロリーは、炭水化物で摂るのが最もよいとされています。
たとえば、肌によいからといって、アミノ酸主体の高たんぱく料理で
脂肪と糖を減らせば、なんとなくダイエットと美容に
よいような気がするかもしれません。
しかしながら、脳は重さは大してないのにかなりのカロリーを
消費する器官です。しかも、ブドウ糖かケトンしかエネルギーとして
使えません。
高たんぱく料理で炭水化物が少ないと、どうなるのか。
アミノ酸からブドウ糖を作る反応が肝臓で行われます。
糖新生というもので、これが肝臓に負担をかけますので、
一見ダイエットと美容を両立させるように見えるたんぱく質主体の
エネルギー摂取は健康を徐々に害していきます。
さて、問題の回答ですが、3となります。
脂肪として133g、そしてアミノ酸を65g消費して、
エネルギーを作り出します。
ブドウ糖が連なったグリコーゲンも肝臓などに蓄えられていますが、
こちらは一時的なときにさっと対応するためのものです。
長期的な飢餓になると、アミノ酸と脂肪がエネルギー元となっていきます。
アミノ酸は、主に筋肉組織のアミノ酸が分解されていきます。
人間には、髪の毛や皮膚、爪など、アミノ酸を大量に必要としている箇所が
ありますので、そちらにまわされたり、ブドウ糖になったりします。
ダイエットで炭水化物や脂肪を極端に抑えて、タンパク質をとっても
アミノ酸は大量に分解され、エネルギー源として利用されます。
つまり、体は「美容」より「生きること」を選択します。
たとえダイエットで肌や髪用としてアミノ酸を十分に摂ったつもりでも
肌や髪には回らずブドウ糖になっていきますので、
肌はがさがさになり、爪は変形し、髪の毛は抜け
ところどころハゲてきます。
無理なダイエットはハゲの原因といわれますが、
これでご理解いただけましたよね?
2006年12月04日
みかんを食べ過ぎると・・・
これからの季節、こたつに入ってみかんを食べる機会が
増えてきます。
とくにお子さんなんかは、食べ過ぎてしまうこともあるかと思います。
小さな体なのにみかんを食べ過ぎると、皮膚が黄色くなることがあります。
私も一度なったことがって、驚きました。
なぜか、足底やてのひら、鼻などが黄色くなります。
原因は、カロチンが角質層と皮下脂肪に沈着することで起こります。
とくに害はないですが、同じように黄色くなる黄疸と間違えないように
しないといけません。こちらは肝機能に異常をきたして起こるものですが、
かゆみなどが伴います。
一般的には、血中のカロチン濃度が0.5mg/dlを超えると
症状が出てくるようです。
食べすぎで出てくる場合は、よいのですが、
とくにカロチン含有食品を食べ過ぎずに症状が出た場合は、
肝臓障害や高脂血症が疑われます。
肝臓障害では、カロチンがビタミンAに転換されなくて、
いつまでもカロチンとして、血液の中にいることになります。
高脂血症では、カロチンが脂溶性のため、血液中の脂質の量が
多くなるためにカロチンが溶けやすくなり発症します。
カロチンを含む食品は、みかんなどのかんきつ類の他、
かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、トウモロコシ、卵黄、バターなどがあります。
増えてきます。
とくにお子さんなんかは、食べ過ぎてしまうこともあるかと思います。
小さな体なのにみかんを食べ過ぎると、皮膚が黄色くなることがあります。
私も一度なったことがって、驚きました。
なぜか、足底やてのひら、鼻などが黄色くなります。
原因は、カロチンが角質層と皮下脂肪に沈着することで起こります。
とくに害はないですが、同じように黄色くなる黄疸と間違えないように
しないといけません。こちらは肝機能に異常をきたして起こるものですが、
かゆみなどが伴います。
一般的には、血中のカロチン濃度が0.5mg/dlを超えると
症状が出てくるようです。
食べすぎで出てくる場合は、よいのですが、
とくにカロチン含有食品を食べ過ぎずに症状が出た場合は、
肝臓障害や高脂血症が疑われます。
肝臓障害では、カロチンがビタミンAに転換されなくて、
いつまでもカロチンとして、血液の中にいることになります。
高脂血症では、カロチンが脂溶性のため、血液中の脂質の量が
多くなるためにカロチンが溶けやすくなり発症します。
カロチンを含む食品は、みかんなどのかんきつ類の他、
かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、トウモロコシ、卵黄、バターなどがあります。