2007年11月

2007年11月30日

頬の引きあげ・・

最近は、コラーゲンだけではなく、下がった頬を引き上げるために
糸を埋め込むサービスがあるようですね。

ロシア製の合成繊維の糸や金の糸など。

これらの糸には細かい返しついています。
返しとはバラの花についている棘みたいなものです。

この糸についた棘が一定間隔でついていて、肌へ棘が食い込むことで、
垂れ下がった頬を持ち上げてくれます。

ただし、入れたら一生というわけではなく、5,6年くらいで
元に戻るようです。

頬がうまいこと引きあがる人がいる反面、思わぬトラブルに
苦しむ方もいます。

顔の部分的に糸を通したところに疼痛が起こったり、
腫れ上がったりという部分的なことから、体がだるくなったり、
吐き気や頭痛に悩まされたりという全身的な副作用です。

大きく笑いすぎると、棘が外れて、引き上げたはずの頬が落ちたり、
また、運が悪いと顔から糸が飛び出て露出することもあります。

問題は、糸を抜こうとしても引き抜いて抜けるものではないということ。

皮膚を切開して取り除く必要があるため、顔に切り傷が残ったり、
その傷がケロイド化することもあるということです。

これらの糸はロシアやイタリア、韓国などから医者が個人輸入して
患者に埋め込むわけですが、糸を埋め込むことに懐疑的な美容外科医も多いようです。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 美容外科 

2007年11月28日

肌の細胞培養サービス(金持ち編)

プチ整形が世界的に流行しているおかげで色々な材料を顔に埋め込む
ことができるようになりました。

たとえば自分の皮膚から培養したコラーゲンを作る細胞そのものを
注入するサービスもあります。(米国)

わずかな皮膚を採取して、ラボに送れば、2ヶ月ほど培養して細胞を
増やしてくれます。老化は細胞の数が減っていくのが原因の1つですが、
それならいっそうのこと細胞そのものを肌に注入すればよいのではないかという
ことに基づいたサービスです。

ただ、残念なことに注入した細胞はたとえ自分の細胞であっても
周囲の細胞とはなかなか馴染んではくれません。

しかしながら、火傷治療の分野では、自分の細胞を培養して火傷した部位に
貼り付けるというサービスが日本でもあります。

この場合は注射器で注入するようなレベルではなく、
大きな面積の表皮をそのものを移植するわけですから、うまくなじんでくれます。

再生医療の分野ですが、この皮膚を培養する企業が証券取引所へ上場した
ということで、話題になりました。

ただ、皮膚の培養というのは、結構大変です。

理由は厳密に管理されていないと、変な菌が細胞へ入り込みやすく
また細胞が癌の一歩手前の不死化することもあるからです。

人間の血液には、不死化した細胞を取り除くために白血球等が常に
細胞を監視しています。そのため簡単には癌になりません。

培養系ではそうした監視網の中で細胞を育てるというのが、難しいため、
中には不死化してしまう細胞もあるのです。

当然、そんな細胞を体に入れるわけには行きませんから、
検査には相応のコストがかかり、とんでもない費用となります。

アメリカでは若いときに細胞を取っておき、それを何十年も冷凍保存する
というサービスもあります。

セレブ向けのサービスですが、老いたとき、冷凍していた若い細胞を
打ち込んで、細胞レベルで若返りをはかるというもの。

また、自分のではなくても死体から採取したコラーゲンを
打ち込むサービスもあります。

こういうサービスを見るとアメリカって、面白い国だなと歓心してしまいます。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 美容外科 

2007年11月27日

美容外科のスーパーヒアルロン酸

スーパーヒアルロン酸といえば、資生堂が開発したヒアルロン酸が有名。

ただ、以前に電車へ乗っているとき、スーパーヒアルロン酸を肌に打ち込んで、
しわをなんとかしまっせという美容外科医のおっちゃんが写っている
広告を見かけました。

美容外科では、困ったことにヒアルロン酸とは全く違うアクリルアミドなどへ
ヒアルロン酸と名づける不届きもの(医者)がいるようです。

化粧品では、合成ポリマーをヒアルロン酸と呼ぶなどありえない話ですが、
ヒアルロン酸と呼んだほうが患者が受けがいいということで、
嘘をつく場合もあります。

中国ではなく、ロシアでもなく、日本での話し。

まあ、わずかに10年ほど前だったかな。

美容外科で使われる材料なのですが、日本産は基本的にありません。

すべて海外からの輸入です。

しかも商社を通してでなく、医者の個人輸入。

日本で承認されてない材料を使うのですから、まともな商社は介在しません。

外国人が美容外科の材料をスーツケースにたくさん詰め込んで、
行商して回るというのが、今も行われています。

しかもアクリルアミドはしわとり用のゲルですが、
ウクライナや中国で作られています。

高分子化学を知っている人間なら、簡単に重合させて作れるものですが、
日本では顔に埋め込む材料としてはわざわざやる人間はいません。

そのため、どこかの国から怪しげなブローカーがやってきては、
材料を美容外科医に売りさばいているのです。

ちなみに、医者の個人輸入は、診断や治療目的に輸入する場合、
薬事監視専門官に転売せずに自分の責任で使うということを報告すれば
認められます。
(個人輸入は国内未承認の癌治療薬の輸入などにも広く使われています)

あとは税関に厚生労働省確認済みの輸入報告書を税関に出せばよいだけです。

ただし、承認薬の場合、何か問題があったら製薬会社が責任を取ってくれますが、
個人輸入の場合は・・・。

しわをとるために顔に入れた材料が原因で、体に不具合が起こったら辛いですよね。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 美容外科 

2007年11月25日

ひさしぶりに東京へ

仕事の打ち合わせで都内に行ってきました。

神奈川には今年何度も行きましたが、23区内は久しぶりです。

やっぱり、気温が大阪より低いな〜と実感しました。

東京駅から「殺人的なラッシュ」を想像していたのですが、
9時前では京浜東北線はそれほど混んでおらず、
あれって感じで・・・(^^;;

一昔前に東京へ行ったときには、駅の外まで人が並んでいるのをみて
とんでもないところだと驚きましたが、東京駅から地方に向かう線は
混雑もマシのようですね。

仕事が午前中で終わったので、このまま帰っても、もったいないので、
東京見物にでも行こうかと考えた矢先、うちのチビが発熱したとの連絡が。

もうすぐ8ヶ月になるチビですが、とうとう風邪をこじらせたようで、
慌てて帰ることに。

湿度や部屋の温度が下がり過ぎないように気をつけていて、
さらに母乳育ちなので免疫力もそこそこあるかなと期待していたのですが、
甘かったですね。

まあ、平熱より3度高いくらいなので、インフルエンザではないのですが、
免疫力をつけるには風邪を引くしかないとは言え、
熱がなかなか引かず、ぐったりしているチビを見ているとなんだか・・。

同時に顔の皮膚も大荒れして、ステロイドを使用することになりましたが、
まさかブログでステロイドに触れた後、わが子が使うハメになるとは
思いもよりませんでした。

母屋でも母が熱を出して、風邪を引いてしまっていますし、
皆さんもくれぐれもお気をつけてください。




shin_chanz at 00:04|PermalinkComments(0) プライベート 

2007年11月24日

アレルギーを起こしやすい成分 その2

各成分ごとの結果では、1989〜92年に行われたものと、
1993年〜1996年に行われた2種類の結果があります。

これは年代が変わると、成分に反応する人が増えるか減るかを見ています。

たとえば各原料の不純物が問題の場合、精製度があがることで、
皮膚がかぶれることが大きく低減することがあります。

一番、アレルギー性が高いのは、ヘアーダイ、つまり毛染めですね。
もともとヘアーダイはアレルギーが起こることを前提にしている商品です。

普通、化粧品というのは、アレルギーが起こらないのが当たり前のはずですが、
毛染めはまずパッチテストを行って、安全を確認した人だけ使ってくださいという
異色の化粧品(医薬部外品)です。

(あんまり関係ない話ですが、ヘアケアを専門にする企業でも
ヘアーダイの安全性を疑うところもあって、ヘアーダイに手を出さなかった
企業も多いのですが、そういうところは時流に乗り遅れて、
ヘアーダイを手がけている企業と業績に大変な差が生じています)

ヘアーダイの色素の次に陽性率が高いのは、香料類です。

ムスクやローズ油などが高くなっています。

プロピレングリコール(PG)が5%と10%でパッチテストが
行われていますが、10%では1.9%の人が肌に合わないのに対して、
5%では0.7%となっています。
見事に配合濃度が低くなると、その分肌合わない人も
減るという結果がでていますね。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 化粧品 

2007年11月23日

アレルギーを起こしやすい成分

化粧品は様々成分から成り立っています。

たとえば化粧水。保湿する成分だけではだめで、
肌なじみをよくする成分やすーとしてお手入れをしたと実感させる成分、
品質を保持するための防腐剤や着色料。心地よい香りのする香料など
いろいろなものから成り立っています。

その中でも特にアレルギーを起こしやすいものがありました。
まあ、昔の表示指定成分というものです。

その他にも色々肌に合わない成分があります。

下の表は市民病院で化粧品による接触皮膚炎を起こした患者が
どの成分で皮膚病となったかをパッチテストで調査したものです。

各成分の名前がありますが、Noがパッチテストに参加した人の数です。
D2、D3、D7が成分に反応した人の数です。

D2はパッチテストをしたあと、パッチをはがして30分後、
D3はパッチをはがして翌日、D7はパッチをはがして、4〜5日後です。

意外かと思われますが、パッチテストをしてもすぐに反応がでるわけではありません。
何日か経ってからの方が反応が強くでることもあります。
そのため、わざわざ4〜5日後にも調査をしているわけです。

(図をクリックしていただければ大きな画像となります。)

パッチテスト結果1

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 化粧品 

2007年11月21日

ニキビの新しい治療薬

来年、ようやく新しい治療薬が登場します。

皮膚科で処方されるため、受診が必要となりますが、そこそこ期待できる薬です。

欧米では20年くらい前から導入が進んでいますが、
日本ではなかった部類の薬です。

いわゆるビタミンA系の薬品で、アダパレンといわれるものです。

これでようやく欧米とのニキビ治療に追いつけるというもの。

アダパレンの特徴は二つあって、一つにはコメドを作らせない
予防的なもの。

もう一つは、ニキビの炎症をくい止めるというもの。

アダパレンは、皮脂を作る細胞に働きかけ、皮脂腺が大きくなるのを防ぎ、
皮脂を作る細胞の増殖を抑えます。

皮脂を作らなくなるので、皮脂による毛穴の炎症が起きにくくなったり
コメドのように皮脂が溜まるということも少なくなります。

ただし、皮脂の量が少なくなるので、乾燥肌になりやすくなりますが、
ただ、目立つ大きなニキビが出来にくくなるので、メリットは大きいと思えます。

10年くらい前から一部の皮膚科で個人輸入されて
高価に処方されていましたが、保健薬となるため、安く使うことができます。

ニキビは炎症がひどくなるとケロイドになりやすくなります。

これで完全に治るわけではありませんが、少なくとも今よりニキビ治療は
前進するはずですので、ニキビで困っている方は利用したい選択肢だと思います。






shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(5) ニキビ 

2007年11月20日

ステロイド

ステロイド。

皮膚病においてはなくてはならない薬剤です。
一般の塗り薬にもステロイドが配合されているものもあり、身近な薬品です。

一方、アトピー患者は、ステロイドの連用で、薬害に苦しむ人達もいます。

だいたいの方のイメージというのは、恐ろしく効く薬であるが、
使い続けると危険というものだと思います。

ステロイドの発明は、案外歴史が浅く、発明されてから60年も経っていません。

もともと植物に含まれる成分だったのですが、それでは皮膚病への効果が弱く、
また副作用も強いため、化学的に構造を修正し、様々なタイプのステロイドが
現在、販売されています。

1951年にアメリカで発明されたステロイド薬は、まさに皮膚病の特効薬でした。
大抵の急性皮膚炎はステロイドを使用することで、一旦治るからです。

ただ、ステロイドを長期に連用して、急に止めると皮膚炎が再発します。
そうして顔に塗り続けると、毛細血管が拡張し、
顔が赤くなるようになります。

酒飲みの赤い顔に似ているから1977年にドイツで酒さ様皮膚炎と名づけられました。

本来ステロイドが原因の皮膚炎なのですが、アメリカでは口の周辺によって
起こるので、口囲皮膚炎とも名づけられました。

不幸なのは、ステロイドが原因かどうかすぐにはわからなかったことです。

ようやく日本でステロイドが原因であるということから
ステロイド皮膚炎と名づけられましたが、1985年のことになります。

ステロイド皮膚炎というのは、どのくらい連用されると
起こるのでしょうか。

一説によると非常に弱いステロイドであっても半年くらい連用すれば
ステロイド皮膚炎となる可能性が高くなります。

ただし、顔の場合は、非常に吸収されやすい部位であるので、
皮膚炎になっても1週間程度の使用が一旦の目安となります。

一週間使っても治らないようなら、皮膚炎の原因について
何か見落としている可能性があります。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(0) 皮膚病 

2007年11月19日

熱で細胞を活性化する

蒸しタオルで肌が活性化すると書きました。

どういう根拠があると思われますか。

培養ヒト繊維芽細胞モデル(コラーゲンを作る細胞)において、
熱を与えることによりMMP−1とMMP−3というコラーゲン分解酵素が
作られ、コラーゲンの生まれ変わりを促進するとともに、
弱い刺激を反復して受けることにより、細胞の防御力が高まり、
鍛え上げられることにより、老化が遅れるという実験結果があります。

強い刺激では、細胞はあっけなく死んでしまいますが、
弱い刺激を反復して与えることが重要です。

そうえば、熱を肌に与えることで、アンチエイジングを行う機械がありますね。
レーザーではなく、もっと手軽なヤツ。

所有率が高いと思われるのがナショナルのイオンスチーマー。
あれは、肌の表面が40℃以上になるように設計されています。

40℃というのが、重要で、この温度でヒートショックプロテインという
タンパク質が作られ、熱刺激によるコラーゲン合成を促進します。

1日10分で毎日行うのが効果的とか。

我が家もお嫁さんのために買ってあげました。
でも、毎日やらないので、それほど効果がないような。

肌を鍛えるのは、中高生の部活と同じで、毎日の刺激が大切なんです(笑)

40℃くらいの弱い熱刺激は、細胞の酸化ストレスへの抵抗力を高めます。

あまり聞いたことがないかもしれませんが、細胞内では糖の酸化ということが
ストレスの原因の一つになります。熱刺激はこの酸化した糖の排出を高めるための
タンパク質を作るように働きかけますので、案外と蒸しタオルや
イオンスチーマーというのは、侮れない美容法なのです。

ただし、若い人に弱いのですが、老人には勧められない美容法でもあります。
それは、癌の一歩手前の細胞が40℃の温度刺激により、DNAが切れて
癌化することが示唆されているからです。
つまり、紫外線を浴びすぎて遺伝子がおかしくなっている細胞にとっては
熱刺激は癌化を促進する可能性があるのです。
(Oncogene,18,5638,1999)

だからといって、温かいお風呂を止めるわけにはいきませんが、
蒸しタオル美容法もほどほどが大切とご理解ください。

shin_chanz at 00:02|PermalinkComments(7) 老化 

2007年11月17日

蒸しタオル美容法

さまざまな美容法がありますが、お手軽なのは蒸しタオル美容法でしょう。

たとえば、目を閉じて蒸しタオルを目の上において、ぼーとするだけでも
血行促進を促し、目の疲れを癒す効果があります。

同じようにパックのように蒸しタオルを顔に当てて、
ぼーとするだけでも効果があります。

シートパックを行い、その上から蒸しタオルを当てれば、
温熱効果もあり、成分の吸収もよくなります。

また、肌を温めて、効果を引き出すというのは、
最新の美容施術にも当てはまります。

たとえば、レーザー治療。しわとりなどもレーザーで出来ますが、
そのメカニズムは真皮にレーザーを当てると真皮の水分にレーザーが
吸収されて、局所的に短時間で50℃くらいの熱に変わります。

そうすると熱のショックでコラーゲンを作る細胞が活性化され
コラーゲン合成促進が高まるというもの。

さすがに50℃のお湯を顔にずーと当てると細胞が死に
つまり、火傷しますが、レーザーは一瞬なので、
皮膚のほかの細胞が死ぬ前に熱を加えるのを止めるというのが妙技なのです。

最新の機械を用いて、新しい理論で肌をケアするのかと思えば、
案外、やっているこことは肌の中の水を温めるという単純なことなんですね。

shin_chanz at 10:17|PermalinkComments(0) 老化