2008年04月
2008年04月09日
天然の日焼け止めは難しい
天然成分の日焼け止めというのがあればよいですが、
なかなか低コストで安全性が高いというものはありません。
理由は以前書きましたが、紫外線のエネルギーを吸収すると、
大抵ロクなものにならないからです。
たとえばオイルが紫外線のエネルギーを吸収すると、過酸化脂質となり、
肌を攻撃しだすのは、皆さんご承知のことだと思います。
紫外線のエネルギーは、日光程度でも当たる成分によっては
そのエネルギーをもてあまし、攻撃的な成分へと変換されてしまいます。
化粧品の日焼け止めに使われるのは、様々な成分がありますが、
たくさんの化学物質から選択されたものです。
この世の中には大変な種類の化学物質が満ち溢れているのに
紫外線を吸収しても安定に存在できるものは、如何に少ないか。
日焼け止めの有効成分として、認められているものは少ないので
このことがよくわかります。
さて、肌が作る日焼け止めというのは、メラニンが有名ですが、
もう一つ有名なアミノ酸由来の成分があります。
それはウロカニン酸です。
角層は、自らのタンパク質を分解して、保湿成分を作りますが、
そのときにヒスチジンというアミノ酸からウロカニン酸という
成分も一緒に作ります。
このウロカニン酸は、優れた紫外線吸収能力を持っていますが、
紫外線を吸収すると、化学構造が変わって、免疫抑制作用を示すようになります。
アトピーなど過剰免疫が問題になるとき、日光浴をして
免疫作用を抑える治療法がありますが、このウロカニン酸も
その免疫作用抑制にどうやら一枚かんでいるような感じです。
天然成分の日焼け止めの発見は、かなり期待されていますが、
このウロカニン酸のように優れた紫外線吸収能力は持っていても
吸収後に肌へ悪影響を及ぼすこともあります。
単に「紫外線を吸収すればよい」ということでは済まされないのが
化粧品開発のむずかしさでしょうか。
なかなか低コストで安全性が高いというものはありません。
理由は以前書きましたが、紫外線のエネルギーを吸収すると、
大抵ロクなものにならないからです。
たとえばオイルが紫外線のエネルギーを吸収すると、過酸化脂質となり、
肌を攻撃しだすのは、皆さんご承知のことだと思います。
紫外線のエネルギーは、日光程度でも当たる成分によっては
そのエネルギーをもてあまし、攻撃的な成分へと変換されてしまいます。
化粧品の日焼け止めに使われるのは、様々な成分がありますが、
たくさんの化学物質から選択されたものです。
この世の中には大変な種類の化学物質が満ち溢れているのに
紫外線を吸収しても安定に存在できるものは、如何に少ないか。
日焼け止めの有効成分として、認められているものは少ないので
このことがよくわかります。
さて、肌が作る日焼け止めというのは、メラニンが有名ですが、
もう一つ有名なアミノ酸由来の成分があります。
それはウロカニン酸です。
角層は、自らのタンパク質を分解して、保湿成分を作りますが、
そのときにヒスチジンというアミノ酸からウロカニン酸という
成分も一緒に作ります。
このウロカニン酸は、優れた紫外線吸収能力を持っていますが、
紫外線を吸収すると、化学構造が変わって、免疫抑制作用を示すようになります。
アトピーなど過剰免疫が問題になるとき、日光浴をして
免疫作用を抑える治療法がありますが、このウロカニン酸も
その免疫作用抑制にどうやら一枚かんでいるような感じです。
天然成分の日焼け止めの発見は、かなり期待されていますが、
このウロカニン酸のように優れた紫外線吸収能力は持っていても
吸収後に肌へ悪影響を及ぼすこともあります。
単に「紫外線を吸収すればよい」ということでは済まされないのが
化粧品開発のむずかしさでしょうか。
2008年04月07日
有馬温泉にいってきました
我が家から車で1時間もかからないところにある便利な温泉街。
狭い路地や坂道、ロープウェイなど風情にあふれたところです。
鬼怒川、黒川、湯布院、あわら、山代、登別・・・温泉は
会社の毎年あった慰安旅行で行く程度でした。
それほど知っているわけではありませんが、地方の温泉街だと、
旅館から外に出てもほとんど見所がないところも多いですが、
有馬は見所もあり、それなりに活気があるので、かなり気に入っています。
ただ、桜を期待していましたが・・、
ほとんど桜の木はありませんね。
うちの家の方がよっぽど桜の木は多い感じ・・(^^;;
有馬のお湯は鉄が多く赤茶色の金泉と炭酸+放射能泉の銀泉の2種類から
成り立っていますが、お湯には炭酸水素や硫酸塩、塩化物など
通常は温泉には1,2種類程度しか含まれない有効成分を
いくつも含んでいるのが特徴です。
大阪近郊には色々温泉はありますが、一度の温浴で
いくつもの有効成分で肌を癒せるのは有馬しかありません。
ただ、有馬は子供連れを断る旅館も多いので、
その辺りは防音対策をするとか改善してほしいところ。
狭い路地や坂道、ロープウェイなど風情にあふれたところです。
鬼怒川、黒川、湯布院、あわら、山代、登別・・・温泉は
会社の毎年あった慰安旅行で行く程度でした。
それほど知っているわけではありませんが、地方の温泉街だと、
旅館から外に出てもほとんど見所がないところも多いですが、
有馬は見所もあり、それなりに活気があるので、かなり気に入っています。
ただ、桜を期待していましたが・・、
ほとんど桜の木はありませんね。
うちの家の方がよっぽど桜の木は多い感じ・・(^^;;
有馬のお湯は鉄が多く赤茶色の金泉と炭酸+放射能泉の銀泉の2種類から
成り立っていますが、お湯には炭酸水素や硫酸塩、塩化物など
通常は温泉には1,2種類程度しか含まれない有効成分を
いくつも含んでいるのが特徴です。
大阪近郊には色々温泉はありますが、一度の温浴で
いくつもの有効成分で肌を癒せるのは有馬しかありません。
ただ、有馬は子供連れを断る旅館も多いので、
その辺りは防音対策をするとか改善してほしいところ。
2008年04月05日
アクリルアミド
食品で一時期騒がれたこともあります。
今は沈静化しましたが、アクリルアミドはポテトチップスや
コーヒー、ほうじ茶、中国茶、クッキー・・・・など
様々な食品に含まれていると、びっくりするような報道がありました。
アミノ酸と糖による反応(メイラード反応)によって作られる成分で、
以前に化粧品では塗る日焼け剤がこのメイラード反応を利用していると書きました。
アミノ酸の一種であるアスパラギンがこのような化学物質に変化するとは
誰も想定していませんでした。
アクリルアミド自体は、神経毒や発がん性があるとされている成分です。
食品中には微量なので、普通の食事を摂っているなら心配なさそうです。
アクリルアミドは、合成ポリマーの原料となります。
アクリルアミドを無数にくっつけたものをポリアクリルアミドといいますが、
こちらも化粧品で以前使われていました。
分野はスキンケアではなく、ヘアケアが主で、髪型をセットする
整髪剤に使用されていました。
ポリアクリルアミド自体は非常に大きな分子のため、皮膚に浸透することは
ありません。
ただ、ずいぶん昔の話ですが、このポリアクリルアミドに含まれる
未反応のアクリルアミドが問題になりました。
食品に含まれる量とどちらが多いかは定かではありませんが、
同じように批判の的となり、あっけなく整髪剤からは消えたようです。
ただ、最近は混ぜれば簡単に乳化できるお手軽乳化剤に
ポリアクリルアミドが配合されており、
このお手軽乳化剤を使用したスキンケア化粧品に結構入っています。
理由はポリアクリルアミドの感触が好きな日本人女性が多いとか。
お手軽乳化剤を使わなくてもいいはずの技術を持った大手化粧品メーカーも
わざわざポリアクリルアミドを使って、ラインアップに入れています。
ヘアケアメーカーは、ポリアクリルアミドでせっかく作った製品を廃棄する羽目に
なりましたが、時代が変わると成分への評価も大きく変わるようです。
今は沈静化しましたが、アクリルアミドはポテトチップスや
コーヒー、ほうじ茶、中国茶、クッキー・・・・など
様々な食品に含まれていると、びっくりするような報道がありました。
アミノ酸と糖による反応(メイラード反応)によって作られる成分で、
以前に化粧品では塗る日焼け剤がこのメイラード反応を利用していると書きました。
アミノ酸の一種であるアスパラギンがこのような化学物質に変化するとは
誰も想定していませんでした。
アクリルアミド自体は、神経毒や発がん性があるとされている成分です。
食品中には微量なので、普通の食事を摂っているなら心配なさそうです。
アクリルアミドは、合成ポリマーの原料となります。
アクリルアミドを無数にくっつけたものをポリアクリルアミドといいますが、
こちらも化粧品で以前使われていました。
分野はスキンケアではなく、ヘアケアが主で、髪型をセットする
整髪剤に使用されていました。
ポリアクリルアミド自体は非常に大きな分子のため、皮膚に浸透することは
ありません。
ただ、ずいぶん昔の話ですが、このポリアクリルアミドに含まれる
未反応のアクリルアミドが問題になりました。
食品に含まれる量とどちらが多いかは定かではありませんが、
同じように批判の的となり、あっけなく整髪剤からは消えたようです。
ただ、最近は混ぜれば簡単に乳化できるお手軽乳化剤に
ポリアクリルアミドが配合されており、
このお手軽乳化剤を使用したスキンケア化粧品に結構入っています。
理由はポリアクリルアミドの感触が好きな日本人女性が多いとか。
お手軽乳化剤を使わなくてもいいはずの技術を持った大手化粧品メーカーも
わざわざポリアクリルアミドを使って、ラインアップに入れています。
ヘアケアメーカーは、ポリアクリルアミドでせっかく作った製品を廃棄する羽目に
なりましたが、時代が変わると成分への評価も大きく変わるようです。
2008年04月03日
ポリマーいろいろ その4
植物性ポリマーで使い心地のよいものは、あることはあるのですが、
非常に高価であったりします。
一時期オクラから抽出したものが出回っていましたが、
最近はあまり聞きません。
菌が作るポリマーだと、乳酸菌が作るヒアルロン酸が有名ですが、
納豆菌のつくるポリグルタミン酸もそれなりに使われているポリマーです。
菌系で一番よく使われているのは、やはりキサンタンガムでしょうか。
こちらは糖をくっつけたポリマーで、合成ポリマーや天然ポリマーは
塩が多いとゲル化しないのですが、キサンタンガムは強いゲルを作ります。
寒天も天然海草が作るポリマーで、人間の消化酵素では消化できないため
ダイエット食品に使われますが、カップへつきにくい口紅に
寒天を利用したりして、わずかですが、化粧品に使われています。
なかなか天然のポリマーをそのまま使うというのは、
化粧品には難しく、一部が利用されているのに過ぎません。
最近はジェルのような油分の少ない軽いアイテムが好まれますが、
このジェルを作るカルボマーのような使い心地を出せるポリマーが
天然にはありません。
使い心地を研究して、ポリマーの分子構造を決めていく
有機合成法に打ち勝つには、天然系では難しいところがあります。
非常に高価であったりします。
一時期オクラから抽出したものが出回っていましたが、
最近はあまり聞きません。
菌が作るポリマーだと、乳酸菌が作るヒアルロン酸が有名ですが、
納豆菌のつくるポリグルタミン酸もそれなりに使われているポリマーです。
菌系で一番よく使われているのは、やはりキサンタンガムでしょうか。
こちらは糖をくっつけたポリマーで、合成ポリマーや天然ポリマーは
塩が多いとゲル化しないのですが、キサンタンガムは強いゲルを作ります。
寒天も天然海草が作るポリマーで、人間の消化酵素では消化できないため
ダイエット食品に使われますが、カップへつきにくい口紅に
寒天を利用したりして、わずかですが、化粧品に使われています。
なかなか天然のポリマーをそのまま使うというのは、
化粧品には難しく、一部が利用されているのに過ぎません。
最近はジェルのような油分の少ない軽いアイテムが好まれますが、
このジェルを作るカルボマーのような使い心地を出せるポリマーが
天然にはありません。
使い心地を研究して、ポリマーの分子構造を決めていく
有機合成法に打ち勝つには、天然系では難しいところがあります。
2008年04月01日
ポリマーいろいろ その3
化粧品原料で一番安いポリマーは、石油から合成した合成系と思われがちですが、
実は天然系になります。なんでもかんでも石油から作ったものが安いわけはないです。
天然系ポリマーですが、なかなかの実力を持っていて、合成界面活性剤を
使用したシャンプーなどは天然系ポリマーが無ければ、
使い心地が悪くて、とても使えない代物になってしまいます。
市販のシャンプーで、洗っているときやお湯ですすぐ時に指どおりが悪いとか、
髪の毛が指にからむとか、髪の毛同士が絡み合う、髪の毛がギシギシなる
ということは、いまどきの安いシャンプーでもないと思います。
たまに外国の化粧品をわかっていない人が開発したシャンプーでは
洗髪時の指どおりが悪くて、ついでにギシギシなるようなものもありますが、
普通はありません。
以前にも書いたような気もしますが、合成シャンプーの洗い心地の良さというのは、
天然ポリマーを配合することで解決しました。
正確には、天然ポリマーを化学修正した半合成天然ポリマーですが。
髪の毛のギシギシ感というのは、指と髪の毛の摩擦が高いときにおきます。
それでは、その摩擦を減らせばよいのですが、オイルなどを配合しても
それほど効果はありません。だいたい摩擦を減らすほど、オイルを髪の毛に
つけると、まず洗髪したときの爽快感などなく、油がまだ残っているような
感じとなってしまいます。
そこで登場したのが、シャンプーの成分とくっつき、髪の毛同士の摩擦を
減らすポリマーです。これは、セルロースをプラスのイオンとなるように
修正したポリマーなのですが、シャンプー中の界面活性剤とくっつくことで、
摩擦を減らす潤滑油の働きに変わります。
カチオン化セルロースといいますが、インドのグアー豆から採取した
天然ポリマーであるグアーガムを修正したカチオン化グアーガムも
よく使われています。
シャンプーへの配合量は極微量で、ある程度髪の毛のコンディショニング性も
あるということで、半合成天然ポリマーというのは、シャンプーには
無くてはならない存在です。
実は天然系になります。なんでもかんでも石油から作ったものが安いわけはないです。
天然系ポリマーですが、なかなかの実力を持っていて、合成界面活性剤を
使用したシャンプーなどは天然系ポリマーが無ければ、
使い心地が悪くて、とても使えない代物になってしまいます。
市販のシャンプーで、洗っているときやお湯ですすぐ時に指どおりが悪いとか、
髪の毛が指にからむとか、髪の毛同士が絡み合う、髪の毛がギシギシなる
ということは、いまどきの安いシャンプーでもないと思います。
たまに外国の化粧品をわかっていない人が開発したシャンプーでは
洗髪時の指どおりが悪くて、ついでにギシギシなるようなものもありますが、
普通はありません。
以前にも書いたような気もしますが、合成シャンプーの洗い心地の良さというのは、
天然ポリマーを配合することで解決しました。
正確には、天然ポリマーを化学修正した半合成天然ポリマーですが。
髪の毛のギシギシ感というのは、指と髪の毛の摩擦が高いときにおきます。
それでは、その摩擦を減らせばよいのですが、オイルなどを配合しても
それほど効果はありません。だいたい摩擦を減らすほど、オイルを髪の毛に
つけると、まず洗髪したときの爽快感などなく、油がまだ残っているような
感じとなってしまいます。
そこで登場したのが、シャンプーの成分とくっつき、髪の毛同士の摩擦を
減らすポリマーです。これは、セルロースをプラスのイオンとなるように
修正したポリマーなのですが、シャンプー中の界面活性剤とくっつくことで、
摩擦を減らす潤滑油の働きに変わります。
カチオン化セルロースといいますが、インドのグアー豆から採取した
天然ポリマーであるグアーガムを修正したカチオン化グアーガムも
よく使われています。
シャンプーへの配合量は極微量で、ある程度髪の毛のコンディショニング性も
あるということで、半合成天然ポリマーというのは、シャンプーには
無くてはならない存在です。