2008年11月
2008年11月05日
石鹸の品質管理 アメリカの石鹸会社より その2
石鹸には防腐剤を加えられることがあります。
石鹸の防腐剤というのは、化粧水やクリームに配合される抗菌剤ではありません。
酸化防止剤が相当します。
特に過脂石鹸を作るときには重要となります。
石鹸メーカーが作る無添加石鹸で過脂石鹸がないのは、添加剤である酸化防止剤を配合できないからです。
酸化防止剤がない過脂石鹸は思いのほか、早く劣化していきます。
劣化すると見た目が明らかに変わってしまいます
酸化防止剤は、エデト酸などの石鹸中に含まれる金属を無力化するキレート剤が使われます。石鹸は、原料の植物油由来の金属や製造設備からの金属が混入するため、どうしても含まれる金属により酸化されていきます。
特に過脂石鹸タイプは、空気中に放置するだけでも空気中の酸素により脂肪酸が酸化され、過酸化脂質へ変化し、変色や異臭の原因となります。
そのため、石鹸中の金属を無力化するキレート剤が0.1〜0.5%程度まで配合されます。
この酸化防止剤による石鹸の安定性を見るためには、加温して放置することで確認できます。
300mlのガラス容器の底へ湿ったろ紙を置き、そこへ5gの石鹸を置いて
40℃で4〜7日放置します。
石鹸の酸化が促進され、臭いの変質によりキレート剤の有無やその量を推定することができます。
石鹸の酸化を促進するのは、何も石鹸中の金属だけでなく、包装紙に含まれる鉄や銅も酸化促進の原因となります。
そのため、石鹸に含まれる酸化防止剤は、石鹸中の金属を無力化するだけの量では不十分で、包装紙に含まれる金属の影響も防げる量が添加されます。
こうすることで、過酸化脂質によって引き起こされる異臭や変色を防ぐことができます。
石鹸の防腐剤というのは、化粧水やクリームに配合される抗菌剤ではありません。
酸化防止剤が相当します。
特に過脂石鹸を作るときには重要となります。
石鹸メーカーが作る無添加石鹸で過脂石鹸がないのは、添加剤である酸化防止剤を配合できないからです。
酸化防止剤がない過脂石鹸は思いのほか、早く劣化していきます。
劣化すると見た目が明らかに変わってしまいます
酸化防止剤は、エデト酸などの石鹸中に含まれる金属を無力化するキレート剤が使われます。石鹸は、原料の植物油由来の金属や製造設備からの金属が混入するため、どうしても含まれる金属により酸化されていきます。
特に過脂石鹸タイプは、空気中に放置するだけでも空気中の酸素により脂肪酸が酸化され、過酸化脂質へ変化し、変色や異臭の原因となります。
そのため、石鹸中の金属を無力化するキレート剤が0.1〜0.5%程度まで配合されます。
この酸化防止剤による石鹸の安定性を見るためには、加温して放置することで確認できます。
300mlのガラス容器の底へ湿ったろ紙を置き、そこへ5gの石鹸を置いて
40℃で4〜7日放置します。
石鹸の酸化が促進され、臭いの変質によりキレート剤の有無やその量を推定することができます。
石鹸の酸化を促進するのは、何も石鹸中の金属だけでなく、包装紙に含まれる鉄や銅も酸化促進の原因となります。
そのため、石鹸に含まれる酸化防止剤は、石鹸中の金属を無力化するだけの量では不十分で、包装紙に含まれる金属の影響も防げる量が添加されます。
こうすることで、過酸化脂質によって引き起こされる異臭や変色を防ぐことができます。
2008年11月03日
石鹸の品質管理 アメリカの石鹸会社より その1
せっけんの品質保証テストの第一は、脂肪酸組成の確認です。
石鹸の泡立ちや硬さ、洗いあがりなどは脂肪酸組成により、大きく左右されるからで、ガスクロマトグラフ法で脂肪酸の各割合を知ることができます。
(脂肪酸の沸点の違いを利用して、分析を行います)
次に石鹸中のアルカリもテスト項目の一つ。
石鹸中の未反応苛性ソーダや苛性ソーダが空気中の二酸化炭素と反応して出来る炭酸ソーダの量をはかります。薬事法でも苛性ソーダの残存量は厳しく制限されており、
残存する苛性ソーダは刺激の原因となります。
ただし、最近は石鹸の乾燥段階で、石鹸の原料である脂肪酸を加えて、
泡立ちの改良や肌当たりがマイルドになるような過脂石鹸が多くなっています。
しかしながら、無添加石鹸などは、脂肪酸を加えず昔ながら石鹸であるため、
過剰の苛性ソーダが残っていることがあり、0.02〜0.05%くらいが
刺激を与えない苛性ソーダの量とされています。
過剰のアルカリは石鹸の酸化防止剤として働きますが、
多すぎると肌への明らかな刺激物となるため、全くのゼロではなく、
0.02〜0.05%という微妙な濃度となっています。
次のテスト項目は食塩量となります。
食塩の量が多いと、石鹸を色々な形に変形させるのが困難となり、
練りだしやカッティング、型打ちが困難となります。
しかも、ひび割れを生じる原因ともなりかねません。
これに対して食塩の量が少ないと、軟らかく粘着性を帯び、プレスによる型打ちが
困難となります。そのため、食塩量は石鹸中に0.4〜0.6%が望ましいとされています。
そして、次の項目には水分量があります。
105℃で2時間程度、オーブンで加熱して水分を蒸発させ、残った固形分から
水分量を計算します。水分量のコントロールも経済性と工程上極めて重要なポイントとなります。水分量が多いと、石鹸の流動性が悪くなり、次の工程に進みにくくなるからです。通常、12−13%にコントロールして、製造されます。
ただし、包装中に石鹸中の水分はどんどん蒸発していき、6%程度までになることもしばしばあります。
石鹸の泡立ちや硬さ、洗いあがりなどは脂肪酸組成により、大きく左右されるからで、ガスクロマトグラフ法で脂肪酸の各割合を知ることができます。
(脂肪酸の沸点の違いを利用して、分析を行います)
次に石鹸中のアルカリもテスト項目の一つ。
石鹸中の未反応苛性ソーダや苛性ソーダが空気中の二酸化炭素と反応して出来る炭酸ソーダの量をはかります。薬事法でも苛性ソーダの残存量は厳しく制限されており、
残存する苛性ソーダは刺激の原因となります。
ただし、最近は石鹸の乾燥段階で、石鹸の原料である脂肪酸を加えて、
泡立ちの改良や肌当たりがマイルドになるような過脂石鹸が多くなっています。
しかしながら、無添加石鹸などは、脂肪酸を加えず昔ながら石鹸であるため、
過剰の苛性ソーダが残っていることがあり、0.02〜0.05%くらいが
刺激を与えない苛性ソーダの量とされています。
過剰のアルカリは石鹸の酸化防止剤として働きますが、
多すぎると肌への明らかな刺激物となるため、全くのゼロではなく、
0.02〜0.05%という微妙な濃度となっています。
次のテスト項目は食塩量となります。
食塩の量が多いと、石鹸を色々な形に変形させるのが困難となり、
練りだしやカッティング、型打ちが困難となります。
しかも、ひび割れを生じる原因ともなりかねません。
これに対して食塩の量が少ないと、軟らかく粘着性を帯び、プレスによる型打ちが
困難となります。そのため、食塩量は石鹸中に0.4〜0.6%が望ましいとされています。
そして、次の項目には水分量があります。
105℃で2時間程度、オーブンで加熱して水分を蒸発させ、残った固形分から
水分量を計算します。水分量のコントロールも経済性と工程上極めて重要なポイントとなります。水分量が多いと、石鹸の流動性が悪くなり、次の工程に進みにくくなるからです。通常、12−13%にコントロールして、製造されます。
ただし、包装中に石鹸中の水分はどんどん蒸発していき、6%程度までになることもしばしばあります。