2010年06月
2010年06月30日
日焼け止めの開発 その2
酸化チタンというのは物理的に紫外線を遮断するように思えますが、実際には違うところもあります。
酸化チタンや酸化亜鉛は金属の粉ですので、こういったものが入った日焼け止めを使うということは、ちょうど家の軒先などのコンクリートの壁に隠れて、日光を避けているような感じ。
酸化チタンや酸化亜鉛がコンクリートの役目をします。
ただ、このコンクリートの壁ですが、実は穴だらけなんです。
町の中で良く見かけるコンクリートの壁のようなものではなく、どちらかというと穴がたくさん空いたフェンスに近いようなもの。
フェンスならいくらその影に隠れても日光の多くは素通りするので、日焼けしてしまいます。
酸化チタンの粒子が大きいと、酸化チタン同士の間の隙間が多くなり、フェンスのようになってしまいます。
ただし、これは光の波長によっても大きくことなります。
顔料サイズは紫外線から見ると穴だらけのフェンスのように見えるのですが、一方モノの見え方を左右する可視光線からみると、隙間の無いコンクリートの壁。
つまり、コンクリートの後ろに隠れているものは見えず、これがファンデーションを塗ったときにしみなどを消す、「カバー力のある」という表現になります。
ただし、肌の一番表面で光を反射するため、「不自然な仕上がり」という表現もされます。
ナノ酸化チタンは全く逆で、紫外線から見ると隙間のないコンクリートの壁、そして可視光線からみると穴だらけのフェンスとなり、「自然な仕上がり」というような表現となります。
ただし、顔料酸化チタンも配合量を少なくすれば、不自然さはなくなりますが、SPFを稼げないというジレンマに陥ります。
酸化チタンや酸化亜鉛は金属の粉ですので、こういったものが入った日焼け止めを使うということは、ちょうど家の軒先などのコンクリートの壁に隠れて、日光を避けているような感じ。
酸化チタンや酸化亜鉛がコンクリートの役目をします。
ただ、このコンクリートの壁ですが、実は穴だらけなんです。
町の中で良く見かけるコンクリートの壁のようなものではなく、どちらかというと穴がたくさん空いたフェンスに近いようなもの。
フェンスならいくらその影に隠れても日光の多くは素通りするので、日焼けしてしまいます。
酸化チタンの粒子が大きいと、酸化チタン同士の間の隙間が多くなり、フェンスのようになってしまいます。
ただし、これは光の波長によっても大きくことなります。
顔料サイズは紫外線から見ると穴だらけのフェンスのように見えるのですが、一方モノの見え方を左右する可視光線からみると、隙間の無いコンクリートの壁。
つまり、コンクリートの後ろに隠れているものは見えず、これがファンデーションを塗ったときにしみなどを消す、「カバー力のある」という表現になります。
ただし、肌の一番表面で光を反射するため、「不自然な仕上がり」という表現もされます。
ナノ酸化チタンは全く逆で、紫外線から見ると隙間のないコンクリートの壁、そして可視光線からみると穴だらけのフェンスとなり、「自然な仕上がり」というような表現となります。
ただし、顔料酸化チタンも配合量を少なくすれば、不自然さはなくなりますが、SPFを稼げないというジレンマに陥ります。
2010年06月28日
日焼け止めの開発
日焼け止めは一旦諦めかけていましたが、色々情報をいただきありがとうございました。
他社品は参考にしたいと思います。
色々情報をいただくなかで、様々な商品があるんだなと再認識した次第です。
ケミカル系はたくさんあるため、今考えているのはノンケミ系である程度使えるものです。
ただ、高いSPFのものはどうかと考えています。
パウダー系の日焼け止めでもSPF50というものがありますが、結局はナノ酸化チタンをどれだけ多く入れるかに尽きます。
ナノ酸化チタンが良いか悪いかではなく、高SPFになればなるほど、ナノ酸化チタンもしくはナノ酸化亜鉛の配合量をどうするかでSPFを設計することができます。
原料メーカーのサイトなどでも、ナノ酸化チタンを何パーセント配合すればSPFがどれだけになりますよという資料が載せられていたり、またくれたりします。
まあ、こうした情報提供は当たり前といえば、当たり前。
SPF50にするためにはどれだけの酸化チタンを配合しないといけないか事前にわからなければ、処方の組みようがありませんから。
ちなみにナノでない酸化チタンになるとSPF20くらいが限界と見ています。
ナノでない酸化チタンは絵の具の白色そのものです。
カバー力がある反面、舞妓さんのような不自然な肌色になります。
明らかに何か塗っているような、というのが良くわかります。
また、正面からはそれほどでも側面から見たときに不自然さが出てしまうとか、ナノでない酸化チタン、顔料サイズのものはそうした問題があるため、あまり高配合することはできません。
また、以前も書きましたが顔料サイズはとにかく隙間が多く、紫外線防御力も落ちてしまいます。
粒子が大きいと大きい日傘のように紫外線をカットしてくれるかというと逆になります。
他社品は参考にしたいと思います。
色々情報をいただくなかで、様々な商品があるんだなと再認識した次第です。
ケミカル系はたくさんあるため、今考えているのはノンケミ系である程度使えるものです。
ただ、高いSPFのものはどうかと考えています。
パウダー系の日焼け止めでもSPF50というものがありますが、結局はナノ酸化チタンをどれだけ多く入れるかに尽きます。
ナノ酸化チタンが良いか悪いかではなく、高SPFになればなるほど、ナノ酸化チタンもしくはナノ酸化亜鉛の配合量をどうするかでSPFを設計することができます。
原料メーカーのサイトなどでも、ナノ酸化チタンを何パーセント配合すればSPFがどれだけになりますよという資料が載せられていたり、またくれたりします。
まあ、こうした情報提供は当たり前といえば、当たり前。
SPF50にするためにはどれだけの酸化チタンを配合しないといけないか事前にわからなければ、処方の組みようがありませんから。
ちなみにナノでない酸化チタンになるとSPF20くらいが限界と見ています。
ナノでない酸化チタンは絵の具の白色そのものです。
カバー力がある反面、舞妓さんのような不自然な肌色になります。
明らかに何か塗っているような、というのが良くわかります。
また、正面からはそれほどでも側面から見たときに不自然さが出てしまうとか、ナノでない酸化チタン、顔料サイズのものはそうした問題があるため、あまり高配合することはできません。
また、以前も書きましたが顔料サイズはとにかく隙間が多く、紫外線防御力も落ちてしまいます。
粒子が大きいと大きい日傘のように紫外線をカットしてくれるかというと逆になります。
2010年06月25日
体の形まで変える脂肪分解剤
体についた無駄な脂肪を簡単に分解できればいいのに。
誰しもが思うことですが、実は身近にそういう薬は存在します。
ただし、脂肪は分解するが思うような体型にはしてくれません。
もっとも身近で、その効果を認識されているのがステロイド剤です。
脂肪組織に作用して、脂肪の分解を促進します。
血中の脂肪酸濃度は上昇していき、燃焼に使われます。
このステロイドですが、手足には良く効いて、脂肪をどんどん分解するため、これらの部分ではやせ衰えていきます。
問題は顔の部分。首から顔にかけて、ここに存在する脂肪細胞はステロイドが作用すると逆に脂肪増産していきます。
顔の部分が太るため、満月様顔貌という状態となり、明らかに脂肪のつく位置がおかしくなるという体型へと変貌していきます。
肩から下は痩せているのに首から上は丸々と太っているという状態。
もちろん、長くステロイド剤を服用した場合での話なので、皮膚外用で使用する場合にはこのような副作用が起こることはありません。
ただ、自己免疫に異常をきたす多くの難病にはステロイド以外に治療薬はほとんどありません。多くの難病に対して、薬は開発されていませんし、これからも開発されることはありません。(薬の開発費は膨大なため、コストに見合う薬ができないためです)
ステロイド剤は肝臓に作用すると、アミノ酸を分解してブドウ糖を作るように働きかけ、その結果、糖尿病患者は出来た糖により血糖値を高めに誘導されてしまい、色々な意味で使い方が難しい薬剤です。
誰しもが思うことですが、実は身近にそういう薬は存在します。
ただし、脂肪は分解するが思うような体型にはしてくれません。
もっとも身近で、その効果を認識されているのがステロイド剤です。
脂肪組織に作用して、脂肪の分解を促進します。
血中の脂肪酸濃度は上昇していき、燃焼に使われます。
このステロイドですが、手足には良く効いて、脂肪をどんどん分解するため、これらの部分ではやせ衰えていきます。
問題は顔の部分。首から顔にかけて、ここに存在する脂肪細胞はステロイドが作用すると逆に脂肪増産していきます。
顔の部分が太るため、満月様顔貌という状態となり、明らかに脂肪のつく位置がおかしくなるという体型へと変貌していきます。
肩から下は痩せているのに首から上は丸々と太っているという状態。
もちろん、長くステロイド剤を服用した場合での話なので、皮膚外用で使用する場合にはこのような副作用が起こることはありません。
ただ、自己免疫に異常をきたす多くの難病にはステロイド以外に治療薬はほとんどありません。多くの難病に対して、薬は開発されていませんし、これからも開発されることはありません。(薬の開発費は膨大なため、コストに見合う薬ができないためです)
ステロイド剤は肝臓に作用すると、アミノ酸を分解してブドウ糖を作るように働きかけ、その結果、糖尿病患者は出来た糖により血糖値を高めに誘導されてしまい、色々な意味で使い方が難しい薬剤です。
2010年06月23日
体の中の水 その2
細胞内と細胞外でミネラルなどのイオンバランスが大きく違う説に進化の過程による説明があります。
それは、原始の海ではマグネシウムやカリウムなどのイオンに富んでいて、これが酵素や様々な生命反応を進ませるもっとも良い条件でありました。
ところが、海水中のナトリウムやカルシウムの濃度が高くなってくると、生命反応の妨げになりつつあり、細胞として生き残るためには、細胞内に原始の海の状態であるイオンバランスを維持する必要にせまられ、必要な成分を必要な量だけ細胞へ取り込み、濃縮させるという技を体得したというものです。
細胞は様々な化学反応を酵素を利用することで行います。
たいていの酵素は水を必要とし、水が枯渇すると必要な成分も作れなくなります。
細胞内の水や細胞外の水がなくなるというのは、脱水症という形で現れます。
気をつけないといけないのは、汗をかいて食塩を失って脱水しているのか、それとも単に水を失っているだけの脱水かどうかを見極めるという点です。
たとえば汗によって、体の塩分が流出すると、細胞内へ水が流入して、細胞が膨れ上がる他、塩分濃度の低下により、めまいが生じたり、頭痛が生じ、さらに低い濃度になると精神異常をきたして、死にいたる事もあります。
塩分を補給しないといけないのに、大量に真水を飲むことで、体内の塩分濃度が下がり、余計脱水症状が酷くなります。
逆に塩分は十分なのに塩分を多く含む飲料をあたえると、細胞内の水が細胞外へ流出し、細胞内での渇水状態に陥ることもあります。
体内の水は、塩分濃度に左右され、脱水症状が出ている場合は、真水を与えるべきなのかそれともスポーツドリンクを与えるのべきなのか、よくよく考える必要があります。
それは、原始の海ではマグネシウムやカリウムなどのイオンに富んでいて、これが酵素や様々な生命反応を進ませるもっとも良い条件でありました。
ところが、海水中のナトリウムやカルシウムの濃度が高くなってくると、生命反応の妨げになりつつあり、細胞として生き残るためには、細胞内に原始の海の状態であるイオンバランスを維持する必要にせまられ、必要な成分を必要な量だけ細胞へ取り込み、濃縮させるという技を体得したというものです。
細胞は様々な化学反応を酵素を利用することで行います。
たいていの酵素は水を必要とし、水が枯渇すると必要な成分も作れなくなります。
細胞内の水や細胞外の水がなくなるというのは、脱水症という形で現れます。
気をつけないといけないのは、汗をかいて食塩を失って脱水しているのか、それとも単に水を失っているだけの脱水かどうかを見極めるという点です。
たとえば汗によって、体の塩分が流出すると、細胞内へ水が流入して、細胞が膨れ上がる他、塩分濃度の低下により、めまいが生じたり、頭痛が生じ、さらに低い濃度になると精神異常をきたして、死にいたる事もあります。
塩分を補給しないといけないのに、大量に真水を飲むことで、体内の塩分濃度が下がり、余計脱水症状が酷くなります。
逆に塩分は十分なのに塩分を多く含む飲料をあたえると、細胞内の水が細胞外へ流出し、細胞内での渇水状態に陥ることもあります。
体内の水は、塩分濃度に左右され、脱水症状が出ている場合は、真水を与えるべきなのかそれともスポーツドリンクを与えるのべきなのか、よくよく考える必要があります。
2010年06月21日
体の中の水
やせた人の体内成分のうち、60%は水と言われます。
そのうち、細胞内に存在する水は2/3を占めています。
この水が枯渇すると、細胞は、エネルギーの産生や貯蔵もできず、自らの修復もできません。細胞機能自体が発揮できなくなります。
人間の体の中は、各臓器で細かく分かれているように、細胞の中もエネルギーを作り出す場所、タンパク質を造る場所などというように細かく分かれており、それぞれの機能の維持に水が必要とされます。
水が必要とされる割に、人間は水の中では暮らせません。
あくまで陸上で生活し、水は必要量のみ補いながら生活します。
体内の中の水に溶けている物質の濃度というのは、興味深いことに細胞内と細胞外では大きく異なります。
細胞外の水は、血漿や組織液になりますが、こちらには栄養素やミネラル、酸素などが溶け込んでいて、細胞は自らポンプを使って、必要な栄養分を必要な量だけ取り込みます。
そうすることで細胞内の水に溶けている成分と、細胞外の水に溶けている成分の濃度差は10倍以上違うことも珍しくありません。
必要な成分だけをポンプで汲み上げることができるため、細胞外のミネラル濃度がごく薄くても差し支えないのです。
また、細胞内と細胞外と大きく環境が異なることは、細胞にとっても大きな脅威となります。
何らかの障害で、細胞の表面に傷がつき、そこから細胞外の水が入ってくると、細胞は急激なミネラル濃度の変化に対応できず、死を迎えることもあります。
そのうち、細胞内に存在する水は2/3を占めています。
この水が枯渇すると、細胞は、エネルギーの産生や貯蔵もできず、自らの修復もできません。細胞機能自体が発揮できなくなります。
人間の体の中は、各臓器で細かく分かれているように、細胞の中もエネルギーを作り出す場所、タンパク質を造る場所などというように細かく分かれており、それぞれの機能の維持に水が必要とされます。
水が必要とされる割に、人間は水の中では暮らせません。
あくまで陸上で生活し、水は必要量のみ補いながら生活します。
体内の中の水に溶けている物質の濃度というのは、興味深いことに細胞内と細胞外では大きく異なります。
細胞外の水は、血漿や組織液になりますが、こちらには栄養素やミネラル、酸素などが溶け込んでいて、細胞は自らポンプを使って、必要な栄養分を必要な量だけ取り込みます。
そうすることで細胞内の水に溶けている成分と、細胞外の水に溶けている成分の濃度差は10倍以上違うことも珍しくありません。
必要な成分だけをポンプで汲み上げることができるため、細胞外のミネラル濃度がごく薄くても差し支えないのです。
また、細胞内と細胞外と大きく環境が異なることは、細胞にとっても大きな脅威となります。
何らかの障害で、細胞の表面に傷がつき、そこから細胞外の水が入ってくると、細胞は急激なミネラル濃度の変化に対応できず、死を迎えることもあります。
2010年06月18日
食べても太らない人・・
脂肪組織というのは、面白くて脂だけ溜め込む細胞があるかと思えば、逆に消費に長けている組織もあります。一方的に脂のみ溜め込むばかりではない点です。
脂肪を作る細胞は、血液から糖を吸い上げて脂肪へと変換します。
脂肪に変換するメリットは、脂肪の方が体積当たりに蓄えれるエネルギー量が多いためです。
食品でも脂肪が多いものは、カロリーが高いという認識をお持ちだと思いますが、炭素の量が濃縮された分、エネルギーを多く引き出せます。
そして、脂肪組織の中でも褐色脂肪組織は、貯めた脂肪を分解し、発熱を促進するという面白い機能を持っています。
動物の体温を維持するための仕組みですが、「食べても太らない人」を説明するのにこの脂肪組織の存在が語られます。
寒冷下に置かれた動物などではこの組織が必要で、ふるえなくても熱を発生させ体温を維持することが可能となります。人間でも新生児の体温維持にこの組織が関与しています。
健康で体調がよければ、この脂肪組織の活性は高く、脂肪を酸化し、エネルギーではなく熱に変えています。
文字通り脂肪を燃焼させる組織というべきでしょうか。
肥満になるとこの組織は大幅に減少しているか、もしくは無くなっています。
つまり、この組織が本当に必要な人には無く、健康ですらりとした人には残っており脂肪や糖を燃やして、熱に変えています。
食べても太らない人は、腸からの栄養素の吸収が悪いとか、脂肪分解ホルモンの分泌量が多いとか、そういった部分もあるかもしれませんが、この脂肪を「消費する」褐色脂肪組織の存在も無視できません。
誰でも生まれてきたときから、体温維持に活躍する褐色脂肪組織。
昔から肥満治療のターゲットにされていますが、未だに成功していません。
この組織を無くすと、復活はかなり難しいようです。
脂肪を作る細胞は、血液から糖を吸い上げて脂肪へと変換します。
脂肪に変換するメリットは、脂肪の方が体積当たりに蓄えれるエネルギー量が多いためです。
食品でも脂肪が多いものは、カロリーが高いという認識をお持ちだと思いますが、炭素の量が濃縮された分、エネルギーを多く引き出せます。
そして、脂肪組織の中でも褐色脂肪組織は、貯めた脂肪を分解し、発熱を促進するという面白い機能を持っています。
動物の体温を維持するための仕組みですが、「食べても太らない人」を説明するのにこの脂肪組織の存在が語られます。
寒冷下に置かれた動物などではこの組織が必要で、ふるえなくても熱を発生させ体温を維持することが可能となります。人間でも新生児の体温維持にこの組織が関与しています。
健康で体調がよければ、この脂肪組織の活性は高く、脂肪を酸化し、エネルギーではなく熱に変えています。
文字通り脂肪を燃焼させる組織というべきでしょうか。
肥満になるとこの組織は大幅に減少しているか、もしくは無くなっています。
つまり、この組織が本当に必要な人には無く、健康ですらりとした人には残っており脂肪や糖を燃やして、熱に変えています。
食べても太らない人は、腸からの栄養素の吸収が悪いとか、脂肪分解ホルモンの分泌量が多いとか、そういった部分もあるかもしれませんが、この脂肪を「消費する」褐色脂肪組織の存在も無視できません。
誰でも生まれてきたときから、体温維持に活躍する褐色脂肪組織。
昔から肥満治療のターゲットにされていますが、未だに成功していません。
この組織を無くすと、復活はかなり難しいようです。
2010年06月16日
日焼け止め
日焼け止めを発売したいとずーと考えているのですが、なかなか実現しません。
要望も多く、揃えたいアイテムだと思っています。
ただ、市販の日焼け止めも成分に少し目を瞑ればなかなか良いものが揃っています。
機能性という面では安い日焼け止めの方が、肌にべっとりついて汗でも流れず、日焼け止めとしての機能を果たします。
私のほうには、自然志向の方の要望が多いため、紫外線錯乱剤のみで、天然系オイルを利用し、乳液タイプを作りたいのですが、これがなかなか難しい。
紫外線錯乱剤である酸化チタンは非常にすべりが悪く、表面処理する必要があるのですが、自然派でいきたいと考えていますので、すべりを良くするための大抵の処理剤が使えません。
シリコーンを使えば、簡単に感触が良く、使い勝手もいいものが出来ることはわかっていますが、ノンシリコーンタイプで考えていますので、シリコーンは使えません。
また、伸びをよくするためには天然オイルだけでは無理があり、何度モニターテストを行っても、必ず評価が良いのは、合成オイルを使用したもの。
石油系成分は独特な感触を持ち、オイルの伸びやすさを見ると、天然のオイルに比べて、かなり軽い感触でありながら、酸化チタンを上手く分散させるという特徴を持っています。
酸化チタンのような、ギシギシとする粉を高配合すると、かならずテクスチャに問題が生じ、その解決ができないと市場では受け入れられないでしょう。
石鹸で落とせて、可能な限り合成成分を排除し、それなりに心地よく使える日焼け止めというのは、本当に難しいです。
植物主義で面白い日焼け止めがあれば、ぜひご紹介ください。
要望も多く、揃えたいアイテムだと思っています。
ただ、市販の日焼け止めも成分に少し目を瞑ればなかなか良いものが揃っています。
機能性という面では安い日焼け止めの方が、肌にべっとりついて汗でも流れず、日焼け止めとしての機能を果たします。
私のほうには、自然志向の方の要望が多いため、紫外線錯乱剤のみで、天然系オイルを利用し、乳液タイプを作りたいのですが、これがなかなか難しい。
紫外線錯乱剤である酸化チタンは非常にすべりが悪く、表面処理する必要があるのですが、自然派でいきたいと考えていますので、すべりを良くするための大抵の処理剤が使えません。
シリコーンを使えば、簡単に感触が良く、使い勝手もいいものが出来ることはわかっていますが、ノンシリコーンタイプで考えていますので、シリコーンは使えません。
また、伸びをよくするためには天然オイルだけでは無理があり、何度モニターテストを行っても、必ず評価が良いのは、合成オイルを使用したもの。
石油系成分は独特な感触を持ち、オイルの伸びやすさを見ると、天然のオイルに比べて、かなり軽い感触でありながら、酸化チタンを上手く分散させるという特徴を持っています。
酸化チタンのような、ギシギシとする粉を高配合すると、かならずテクスチャに問題が生じ、その解決ができないと市場では受け入れられないでしょう。
石鹸で落とせて、可能な限り合成成分を排除し、それなりに心地よく使える日焼け止めというのは、本当に難しいです。
植物主義で面白い日焼け止めがあれば、ぜひご紹介ください。
2010年06月14日
様々な分野で使われるシリコーン
シリコーン、自然派には嫌われる成分ですが、意外と食品に使われています。
用途は油の酸化防止と消泡、離形剤としてです。
家庭用の油にはシリコーンが酸化防止剤として使われることはまれというかほとんど無いと思います。ビタミンEやビタミンC誘導体が使われるだけでしょう。
業務用の油には逆に結構な割合で入っています。
主として酸化防止剤。合成の酸化防止剤もありますが、それよりも安くつきます。
とくに揚げ物をするフライ油には欠かせないぐらい入っています。
シリコーンが直接油の酸化防止を行うというより、フライ油の表面に浮き上がり、空気との接触を減らします。
つまり、通常は油の上は空気ですが、シリコーンが入っていると、油の上がシリコーン、その上が空気となるわけです。
空気との接触が減るため、酸化防止に威力を発揮します。
ファミリーレストランやファーストフード店へ行かれた時、店の外に使った油の空缶をチェックしてみてください。
ラベルに表示されていることも多いです。
ちなみに惣菜などで使われる油にシリコーンが入っていても惣菜に表示する義務は無いため、どういう油を使っているかはわかりません。
ただ、ファーストフードやファミリーレストランで油の酸化状態をこまめにチェックしていますので、一概にそこの油が体に悪いともいえません。
油が酸化して出来る過酸化脂質の方が明らかにシリコーンより体には負担となるためです。
シリコーンが入っていない油を使用していても、減った分の油をさし油しながら使っている天ぷら屋の油の方が酸化は進んでいますので、そっちの方が危ないでしょう。
なお、消泡剤としては、天ぷらを揚げる時の泡、豆腐等の煮豆の泡等、製造の際に発泡が問題となる場合に使われます。
離形剤はパンやクッキーなど型に入れて焼いたとき、綺麗に型から外すために使われます。こちらはミネラルオイルも良く使われます。型に離型剤を塗っているのと塗っていない場合では、かなり仕上がりに差がでるためよく使われていると思います。
用途は油の酸化防止と消泡、離形剤としてです。
家庭用の油にはシリコーンが酸化防止剤として使われることはまれというかほとんど無いと思います。ビタミンEやビタミンC誘導体が使われるだけでしょう。
業務用の油には逆に結構な割合で入っています。
主として酸化防止剤。合成の酸化防止剤もありますが、それよりも安くつきます。
とくに揚げ物をするフライ油には欠かせないぐらい入っています。
シリコーンが直接油の酸化防止を行うというより、フライ油の表面に浮き上がり、空気との接触を減らします。
つまり、通常は油の上は空気ですが、シリコーンが入っていると、油の上がシリコーン、その上が空気となるわけです。
空気との接触が減るため、酸化防止に威力を発揮します。
ファミリーレストランやファーストフード店へ行かれた時、店の外に使った油の空缶をチェックしてみてください。
ラベルに表示されていることも多いです。
ちなみに惣菜などで使われる油にシリコーンが入っていても惣菜に表示する義務は無いため、どういう油を使っているかはわかりません。
ただ、ファーストフードやファミリーレストランで油の酸化状態をこまめにチェックしていますので、一概にそこの油が体に悪いともいえません。
油が酸化して出来る過酸化脂質の方が明らかにシリコーンより体には負担となるためです。
シリコーンが入っていない油を使用していても、減った分の油をさし油しながら使っている天ぷら屋の油の方が酸化は進んでいますので、そっちの方が危ないでしょう。
なお、消泡剤としては、天ぷらを揚げる時の泡、豆腐等の煮豆の泡等、製造の際に発泡が問題となる場合に使われます。
離形剤はパンやクッキーなど型に入れて焼いたとき、綺麗に型から外すために使われます。こちらはミネラルオイルも良く使われます。型に離型剤を塗っているのと塗っていない場合では、かなり仕上がりに差がでるためよく使われていると思います。
2010年06月12日
物質の大きさ その2
小さい粒子がぶつかって大きな粒子へと成長していく。
コップの水に加えた油を攪拌してみるとその様子が良くわかります。
攪拌している途中では、細かい粒子であっても、攪拌を止めれば無数の粒子がぶつかり合い、一つの大きな粒子になります。
乳液やクリームは、主として水の中に油が溶けているような状態ですが、時間が経てば一つの油へ成長します。ただ、それには5年、10年もかかることがあり、製造から数年は安定という状態で使用しています。
10年前にナノサイズの乳化が話題になりましたが、ナノ乳化が難しいのは、長期に安定できないことです。
一旦、ナノサイズで乳化できても、粒子同士がぶつかり、すぐに大きなサイズとなります。
粒子同士がぶつからないようにはどうすればよいのか。
乳化剤をたくさん入れても意味は無いです。
乳化剤は油を水へ溶かしますが、粒子同士のぶつかりを阻害してくれるわけではありません。
クリームなどの乳化剤は主には非イオン性のものが使われます。
ここにイオン性のものを使用すると、ちょうど同じ電荷のものは反発するという反発力を利用して、ある程度乳化を安定させることもできますが、これも永遠にできることではありません。
同じように高分子のゲル化剤、たとえばカルボマーのようなものを使えば、こちらも粒子の表面に取り付いて、他の粒子とぶつからないようにしますが、完全ではありません。
なかなか粒子同士の衝突を防ぐというのは思うようにいかないものです。
油の例を出しましたが、酸化チタンや金、銀などの金属も同様です。
これらも水に分散した粒子は激しく運動していて、粒子同士がぶつかると、くっつき大きな固まりへと変化していきます。
当然、配合したときは「ナノ粒子」であってもいつのまにか「ナノ」どころか目に見える大きさまで成長していくこともあります。
溶けないものへ溶かすというのは、色々と苦労が尽きません。
コップの水に加えた油を攪拌してみるとその様子が良くわかります。
攪拌している途中では、細かい粒子であっても、攪拌を止めれば無数の粒子がぶつかり合い、一つの大きな粒子になります。
乳液やクリームは、主として水の中に油が溶けているような状態ですが、時間が経てば一つの油へ成長します。ただ、それには5年、10年もかかることがあり、製造から数年は安定という状態で使用しています。
10年前にナノサイズの乳化が話題になりましたが、ナノ乳化が難しいのは、長期に安定できないことです。
一旦、ナノサイズで乳化できても、粒子同士がぶつかり、すぐに大きなサイズとなります。
粒子同士がぶつからないようにはどうすればよいのか。
乳化剤をたくさん入れても意味は無いです。
乳化剤は油を水へ溶かしますが、粒子同士のぶつかりを阻害してくれるわけではありません。
クリームなどの乳化剤は主には非イオン性のものが使われます。
ここにイオン性のものを使用すると、ちょうど同じ電荷のものは反発するという反発力を利用して、ある程度乳化を安定させることもできますが、これも永遠にできることではありません。
同じように高分子のゲル化剤、たとえばカルボマーのようなものを使えば、こちらも粒子の表面に取り付いて、他の粒子とぶつからないようにしますが、完全ではありません。
なかなか粒子同士の衝突を防ぐというのは思うようにいかないものです。
油の例を出しましたが、酸化チタンや金、銀などの金属も同様です。
これらも水に分散した粒子は激しく運動していて、粒子同士がぶつかると、くっつき大きな固まりへと変化していきます。
当然、配合したときは「ナノ粒子」であってもいつのまにか「ナノ」どころか目に見える大きさまで成長していくこともあります。
溶けないものへ溶かすというのは、色々と苦労が尽きません。
2010年06月09日
物質の大きさ
ナノより小さい成分を売り物にするものが出てきているようです。
ただ、水に溶ける成分ではナノ以下は当たり前の世界。
なぜかというと、油の場合は、水に溶けないため、必ず油同士で集まり一定の大きさとなります。
たとえば水を入れたコップに植物油を少量入れて、激しく攪拌してみてください。
油の粒子は攪拌しているときは多少細かく分散します。
しかし、攪拌を止めると油同士がくっつき大きな油滴となります。
一方、水に溶ける成分は成分同士がくっつくのは界面活性剤など一部を除いてはまれで、通常は単体で存在します。
そして、分子の大きさによって、ナノより小さいものもあれば、ナノより大きいものもあります。
たとえばビタミンC誘導体はナノより小さく、ピコメートルのサイズとなります。
コラーゲンはナノメートルのサイズですが、これを加水分解して作った加水分解コラーゲンは、ピコメートルもしくはオングストロームのサイズになるため、ピココラーゲンと表現するメーカーもあります。
「ピコ」と「オング」の呼称はナノより優れているという表現として、今後広がって行く可能性があります。
では水に溶けない成分はどうなるかというと、ナノより小さく存在する場合もあります。
一番簡単なのが、界面活性剤の濃厚液に溶かした油で、完全に可溶化されているので、ナノより小さなサイズでも存在します。
界面活性剤が薄い濃度となると別で、小さく分散させても粒子同士がぶつかって大きくなっていく運命には逆らえません。
粒子は大きくなればなるほど、安定となりますので、小さい粒子はいつかなくなります。
そのため、油を乳化させたクリームやジェルは非常に不安定な状態とも言えます。
ただ、水に溶ける成分ではナノ以下は当たり前の世界。
なぜかというと、油の場合は、水に溶けないため、必ず油同士で集まり一定の大きさとなります。
たとえば水を入れたコップに植物油を少量入れて、激しく攪拌してみてください。
油の粒子は攪拌しているときは多少細かく分散します。
しかし、攪拌を止めると油同士がくっつき大きな油滴となります。
一方、水に溶ける成分は成分同士がくっつくのは界面活性剤など一部を除いてはまれで、通常は単体で存在します。
そして、分子の大きさによって、ナノより小さいものもあれば、ナノより大きいものもあります。
たとえばビタミンC誘導体はナノより小さく、ピコメートルのサイズとなります。
コラーゲンはナノメートルのサイズですが、これを加水分解して作った加水分解コラーゲンは、ピコメートルもしくはオングストロームのサイズになるため、ピココラーゲンと表現するメーカーもあります。
「ピコ」と「オング」の呼称はナノより優れているという表現として、今後広がって行く可能性があります。
では水に溶けない成分はどうなるかというと、ナノより小さく存在する場合もあります。
一番簡単なのが、界面活性剤の濃厚液に溶かした油で、完全に可溶化されているので、ナノより小さなサイズでも存在します。
界面活性剤が薄い濃度となると別で、小さく分散させても粒子同士がぶつかって大きくなっていく運命には逆らえません。
粒子は大きくなればなるほど、安定となりますので、小さい粒子はいつかなくなります。
そのため、油を乳化させたクリームやジェルは非常に不安定な状態とも言えます。