4−n−ブチルレゾルシノール(ポーラの美白剤)

2006年10月07日

海外の美白剤

海外で使われている美白剤は、日本で使われるものと違って、
効果は強いが刺激も強いというものがいくつかあります。

一番の例は、ハイドロキノンでしょう。
日本では染毛剤に使われていますが、ハイドロキノンを
アメリカでは美白剤として使います。

ただ、漫然として使うのではなく、だいたい治療期間は
半年から1年を目処に行います。

ハイドロキノンの効果を上げるものとして、
レチノイン酸があり、日本の皮膚科でも併用して使う場合もあります。

ただし、ハイドロキノンだけでも刺激になるのに
レチノイン酸をプラスするので、さらに刺激があがります。

そこで、刺激を感じさせないようにするために
ステロイド剤も一緒に混ぜて使うこともあります。

アメリカでの治療は、ハイドロキノンとレチノイン酸に
ステロイド剤を混ぜたカクテル製剤が
患者の肌に合わせて使われます。

ただ、日本人は敏感肌のため、同じようなものは使えません。
刺激ばかりで肌が赤くなってしまい、ひりひり感が出て
そう長く使えるものではありません。

海外で使われる美白剤は、ハイドロキノンが有名ですが、
イギリスでは4−IPCが使われます。

4−IPCもハイドロキノンと同じ、強力な酸化防止剤で、
メラニンの合成をストップします。
また、ハイドロキノンより、皮膚浸透性に優れるという
特徴がありますが、毒性はハイドロキノンより強く、
量が多いと、メラニンを作る細胞を破壊します。

4−IPCは厳重に管理して使うものですが、
美白力が強い分、もっとしみを薄くしたいという患者の願望が、
適正使用を困難にします。
つまり、使いすぎてしまうという点でしょうか。

使いすぎると、メラニンを作る細胞が死に、部分的に色が抜け
白斑が生じてしまいます。

作用が強すぎるというのも罪なものです。

4−IPCやハイドロキノンのような化合物を
フェノール系と称しますが、同じようなフェノール系美白剤に
ハイドロキノンに糖をくっつけて低刺激化したアルブチンや
クラレが開発した4−ブチルレゾシノールがあります。

4−ブチルレゾルシノールも皮膚浸透性に優れていますが、
刺激性が強いため、0.2%程度ぐらいしか薬用化粧品には
配合できません。

ちなみにアルブチンや4−ブチルレゾルシノールは一部の植物が作ります。

ただ、ブチルレゾシノールはコケが作るものなので、
抽出などはできません。

shin_chanz at 23:16│Comments(2) 美白 

この記事へのコメント

1. Posted by alure   2006年11月30日 22:34
遅いコメントで申し訳ありません。

ハイドロキノンに発がん性はあるのでしょうか?
何かで発がん性ありと見て、自分で探してみましたがわかりませんでした。
もし、ご存知でしたら教えてください。
2. Posted by しんちゃん   2006年12月01日 21:45
alureさん、こんにちは

発がん性自体はないと思います。
あるとする文献もありますが、
基本的には問題ないかと思います。

ハイドロキノンで問題なのは、
美白目的で使っているのに、組織褐変症といって、
しみができてしまうことです。
アメリカではこれが問題になっています。

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