2006年12月06日
トランス脂肪酸
ニューヨーク市でのトランス脂肪酸の規制が大々的に報道しました。
トランス脂肪酸というのは、油脂を水素添加するときに
副生する脂肪酸のことです。
ところで、何のために水素添加を行うかというと、
大豆油や菜種油などそのままでは保存中に酸化して(酸素とくっついて)
食べると毒になる植物油を改質するために行う作業です。
酸素とくっつく前に先に水素と反応させることで、
酸素のくっつく場所をなくして、油脂の保存性を上げるという作業です。
ただし、水素は簡単に油脂とくっつくわけではありません。
水素をくっつかせるためには、高温で高圧にしないといけませんので、
その反応条件により、トランス脂肪酸が出来てしまいます。
トランス脂肪酸になると、常温で液体のはずの脂肪酸が硬く固まりに
なってしまいます。
脂肪酸は細胞膜などの成分になりますので、今まで流動性を保っていた
細胞膜がトランス脂肪酸を取り込むと流動性がなくなり、
細胞機能がおかしくなってきます。
ただ、トランス脂肪酸は反芻動物の胃袋にいる細菌によって
生み出されることもありますので、牛や羊の肉や乳製品にも
基本的に含まれてしまいます。
しかしながら、牛由来のトランス脂肪酸には共役リノール酸という
有用なトランス脂肪酸も、多少含まれているので、トランス脂肪酸を
厳しく規制しても酪農家保護のため、牛のトランス脂肪酸を
規制しない国もあります。
まあ、酪農家の方が製油会社に勤める人間より数は多いですからね・・(^^;
日本では、トランス脂肪酸はあまり問題にはなっていません。
もともと油脂の消費量が少ないのが大きいのですが、
食事の好みが欧米人と違うことが大きいので、
日本人のトランス脂肪酸摂取量はそれほど問題にはなっていないようです。
なお、油脂の改質技術には目覚しいものがあって、
かなりの低トランス脂肪酸の量となる水素添加技術や
水素添加しなくてもエステル交換で油脂を改質する技術が開発されているので、
アメリカで騒ぐほど日本では問題にならないような気がします。
トランス脂肪酸というのは、油脂を水素添加するときに
副生する脂肪酸のことです。
ところで、何のために水素添加を行うかというと、
大豆油や菜種油などそのままでは保存中に酸化して(酸素とくっついて)
食べると毒になる植物油を改質するために行う作業です。
酸素とくっつく前に先に水素と反応させることで、
酸素のくっつく場所をなくして、油脂の保存性を上げるという作業です。
ただし、水素は簡単に油脂とくっつくわけではありません。
水素をくっつかせるためには、高温で高圧にしないといけませんので、
その反応条件により、トランス脂肪酸が出来てしまいます。
トランス脂肪酸になると、常温で液体のはずの脂肪酸が硬く固まりに
なってしまいます。
脂肪酸は細胞膜などの成分になりますので、今まで流動性を保っていた
細胞膜がトランス脂肪酸を取り込むと流動性がなくなり、
細胞機能がおかしくなってきます。
ただ、トランス脂肪酸は反芻動物の胃袋にいる細菌によって
生み出されることもありますので、牛や羊の肉や乳製品にも
基本的に含まれてしまいます。
しかしながら、牛由来のトランス脂肪酸には共役リノール酸という
有用なトランス脂肪酸も、多少含まれているので、トランス脂肪酸を
厳しく規制しても酪農家保護のため、牛のトランス脂肪酸を
規制しない国もあります。
まあ、酪農家の方が製油会社に勤める人間より数は多いですからね・・(^^;
日本では、トランス脂肪酸はあまり問題にはなっていません。
もともと油脂の消費量が少ないのが大きいのですが、
食事の好みが欧米人と違うことが大きいので、
日本人のトランス脂肪酸摂取量はそれほど問題にはなっていないようです。
なお、油脂の改質技術には目覚しいものがあって、
かなりの低トランス脂肪酸の量となる水素添加技術や
水素添加しなくてもエステル交換で油脂を改質する技術が開発されているので、
アメリカで騒ぐほど日本では問題にならないような気がします。
shin_chanz at 00:01│Comments(4)│
│栄養
この記事へのコメント
1. Posted by D-PiPi 2006年12月09日 18:11
こんにちは。
欧米の食生活では、トランス脂肪酸はかなり重要視されるんでしょうね。
アメリカでは訴訟が起きたり、規制が出たり
完全にレストランからトランス脂肪を排除した街まであります。
ただ、心疾患の原因はトランス脂肪酸だけではなく
高脂肪食や喫煙、アルコールの過剰摂取も要因なので総合的に考えるべきというのが専門分野の考え方です。
食品安全委員会が平成19年までトランス脂肪酸の評価資料調査に入っています。
トランス脂肪酸でわからない部分があります。
完全に水素添加されていれば安全で
部分水素添加するのが危険なんですか?
よくわからない部分です(^^;
欧米の食生活では、トランス脂肪酸はかなり重要視されるんでしょうね。
アメリカでは訴訟が起きたり、規制が出たり
完全にレストランからトランス脂肪を排除した街まであります。
ただ、心疾患の原因はトランス脂肪酸だけではなく
高脂肪食や喫煙、アルコールの過剰摂取も要因なので総合的に考えるべきというのが専門分野の考え方です。
食品安全委員会が平成19年までトランス脂肪酸の評価資料調査に入っています。
トランス脂肪酸でわからない部分があります。
完全に水素添加されていれば安全で
部分水素添加するのが危険なんですか?
よくわからない部分です(^^;
2. Posted by しんちゃん 2006年12月09日 21:19
D-PiPiさん、こんにちは
部分水添というのは、リノール酸やリノレン酸を
オレイン酸にする作業です。
完全水添、極度水添というのは、
リノール酸、リノレン酸、オレイン酸を
ステアリン酸にする作業です。
完全に水添されている方が
トランス脂肪酸は増えますので、
完全水添が安全というわけではないです。
部分水添というのは、リノール酸やリノレン酸を
オレイン酸にする作業です。
完全水添、極度水添というのは、
リノール酸、リノレン酸、オレイン酸を
ステアリン酸にする作業です。
完全に水添されている方が
トランス脂肪酸は増えますので、
完全水添が安全というわけではないです。
3. Posted by D-PiPi 2006年12月10日 23:35
こんばんは。
ありがとうございます。
カリフォルニアでトランス脂肪酸を排除するのに貢献した団体のBan Trans Fats.com が部分水素添加が問題で完全添加されたものは問題にならないと説明してるんです。
人工的に作られたトランス脂肪酸を問題にしています。
消費者団体なので、よくわかりません(^^;
それに関して食品安全委員会には特に説明がないんです。
欧州は、反芻動物の乳製品や肉製品の脂肪の主なるトランス脂肪酸は単不飽和脂肪酸(オレイン酸)の異性体であるとしています。
人工も天然に存在するものも同じリスクなのか不明です。
ありがとうございます。
カリフォルニアでトランス脂肪酸を排除するのに貢献した団体のBan Trans Fats.com が部分水素添加が問題で完全添加されたものは問題にならないと説明してるんです。
人工的に作られたトランス脂肪酸を問題にしています。
消費者団体なので、よくわかりません(^^;
それに関して食品安全委員会には特に説明がないんです。
欧州は、反芻動物の乳製品や肉製品の脂肪の主なるトランス脂肪酸は単不飽和脂肪酸(オレイン酸)の異性体であるとしています。
人工も天然に存在するものも同じリスクなのか不明です。
4. Posted by しんちゃん 2006年12月11日 23:09
D-PiPiさん、こんにちは
ちょっと大ぼけしていました。
自分で書いているのですが、
完全に水素を添加したものは、
ステアリン酸になるので、トランス脂肪酸は
ありません。
完全に水素を添加せずに少し止めておいたものに
トランス脂肪酸が多くなります。
トランス脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸
リノレン酸の異性体になります。
基本的にオレイン酸のトランス脂肪酸である
エライジン酸は、天然も人工のものも
同じような問題になります。
ちょっと大ぼけしていました。
自分で書いているのですが、
完全に水素を添加したものは、
ステアリン酸になるので、トランス脂肪酸は
ありません。
完全に水素を添加せずに少し止めておいたものに
トランス脂肪酸が多くなります。
トランス脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸
リノレン酸の異性体になります。
基本的にオレイン酸のトランス脂肪酸である
エライジン酸は、天然も人工のものも
同じような問題になります。