2006年12月11日
おいしいトランス脂肪酸?
また、トランス脂肪酸ネタです。
トランス脂肪酸には、ちょっと仕事で悩まされていたので、
少しばかり思い入れがあります・・(笑)
どのくらいはいっているのかという分析は結構難しいです。
ガスクロマトグラフ法で、キャピラリーカラムという高い特別なカラムを
使用して分析をしないといけないので、費用はかかるし、また詳細な構造解析も
2次元NMRという最新鋭の装置を使わないといけません。
食品にトランス脂肪酸の表示が義務づけられると、
大手はともかく中小は大変だと思います。
さて、ずいぶん前になりますが、奮発して帝国ホテルで
スペインのイベリコ豚の生ハムを食べたことがあります。
なんだかワックスみたいな食感で、それほど匂いもよいと思わなかったので
そのまますぐに食べちゃいました。
たぶん、あれって本当は口の中で油を溶かして味合うものなんですね。
貧乏人なので、なんでこんなものが高いんだと思いながら
味もわからないうちに終わってしまいましたが・・(^^;;
生もので脂がのったものといえば、牛肉のタタキなどより
マグロのトロの方が好きです。
口の中で溶けていくのがよいです。
牛肉だと、高級肉は別にして、生で食べるとちょっとべたつきというか
脂っぽさを感じてしまいます。焼いたほうが脂は美味しいかな。
イベリコの生ハムを食べた時には、とろける様な脂だと
勝手に思い込んでいただけに口のなかでなかなか溶けず、
何これって感じでした。間違えて変なものが出てきたのかと(笑)
脂の美味しさの評価は色々ありますが、舌の上でとろけていくというのは、
非常に大事です。
トロが生で食べても美味しいのは、脂肪酸組成にあり、
牛脂と違って低温でも液体の脂肪酸が多いため、
口の中に入れたときに脂が口の中全体へ広がっていきます。
牛肉の場合は、脂肪酸組成にパルミチン酸やステアリン酸のような
室温で硬く固まっている脂肪酸が多いので、室温ではなかなか脂は溶けません。
ただ、トロのような脂だと、確かに生で食べても美味しいですが、
問題は酸化されやすいので、流通上問題が生じます。
そこで出てくるのが、酸化されやすい魚油や植物油の水素添加ですが、
水素添加を行うことで、油の脂肪酸組成を自由に変え、
非常に鋭い融点の油を作ることができます。
たとえば、食べる前は保形性を保っていながら、
舌であじあうとさっと溶けて広がっていくような油です。
油の融点は脂肪酸組成だけでなく、油の結晶状態によっても変わるのですが、
水素添加というのは、好みの温度で溶かすという機能性を持たせるので、
食品加工には広く使われています。
トランス脂肪酸は、微妙な融点をコントロールするのにちょうど良いので
案外と邪魔者ではなく、それなりの役割を与えられていました。
トランス脂肪酸には、ちょっと仕事で悩まされていたので、
少しばかり思い入れがあります・・(笑)
どのくらいはいっているのかという分析は結構難しいです。
ガスクロマトグラフ法で、キャピラリーカラムという高い特別なカラムを
使用して分析をしないといけないので、費用はかかるし、また詳細な構造解析も
2次元NMRという最新鋭の装置を使わないといけません。
食品にトランス脂肪酸の表示が義務づけられると、
大手はともかく中小は大変だと思います。
さて、ずいぶん前になりますが、奮発して帝国ホテルで
スペインのイベリコ豚の生ハムを食べたことがあります。
なんだかワックスみたいな食感で、それほど匂いもよいと思わなかったので
そのまますぐに食べちゃいました。
たぶん、あれって本当は口の中で油を溶かして味合うものなんですね。
貧乏人なので、なんでこんなものが高いんだと思いながら
味もわからないうちに終わってしまいましたが・・(^^;;
生もので脂がのったものといえば、牛肉のタタキなどより
マグロのトロの方が好きです。
口の中で溶けていくのがよいです。
牛肉だと、高級肉は別にして、生で食べるとちょっとべたつきというか
脂っぽさを感じてしまいます。焼いたほうが脂は美味しいかな。
イベリコの生ハムを食べた時には、とろける様な脂だと
勝手に思い込んでいただけに口のなかでなかなか溶けず、
何これって感じでした。間違えて変なものが出てきたのかと(笑)
脂の美味しさの評価は色々ありますが、舌の上でとろけていくというのは、
非常に大事です。
トロが生で食べても美味しいのは、脂肪酸組成にあり、
牛脂と違って低温でも液体の脂肪酸が多いため、
口の中に入れたときに脂が口の中全体へ広がっていきます。
牛肉の場合は、脂肪酸組成にパルミチン酸やステアリン酸のような
室温で硬く固まっている脂肪酸が多いので、室温ではなかなか脂は溶けません。
ただ、トロのような脂だと、確かに生で食べても美味しいですが、
問題は酸化されやすいので、流通上問題が生じます。
そこで出てくるのが、酸化されやすい魚油や植物油の水素添加ですが、
水素添加を行うことで、油の脂肪酸組成を自由に変え、
非常に鋭い融点の油を作ることができます。
たとえば、食べる前は保形性を保っていながら、
舌であじあうとさっと溶けて広がっていくような油です。
油の融点は脂肪酸組成だけでなく、油の結晶状態によっても変わるのですが、
水素添加というのは、好みの温度で溶かすという機能性を持たせるので、
食品加工には広く使われています。
トランス脂肪酸は、微妙な融点をコントロールするのにちょうど良いので
案外と邪魔者ではなく、それなりの役割を与えられていました。
shin_chanz at 00:01│Comments(6)│
│栄養
この記事へのコメント
1. Posted by りー 2006年12月11日 19:50
あら、しんちゃんさんがおいしそうな話題を書いてる〜w
トランス脂肪酸は最近耳にする言葉ですがド素人の私でも
よく聞くので(説明はできないまでも)気になります。
おいしいものはあまり体に良くない、なんて悲しい話も
聞きますが、口の中で溶ける味わいは捨てがたいです。;
(お菓子などでもチョコレートやクリームなど同じ楽しみ方で口内でじっくり味わって食べてまーす)
トランス脂肪酸は最近耳にする言葉ですがド素人の私でも
よく聞くので(説明はできないまでも)気になります。
おいしいものはあまり体に良くない、なんて悲しい話も
聞きますが、口の中で溶ける味わいは捨てがたいです。;
(お菓子などでもチョコレートやクリームなど同じ楽しみ方で口内でじっくり味わって食べてまーす)
2. Posted by たく 2006年12月11日 21:11
漫画美味しんぼの中では、ハモンイベリコだったかな?イベリコ豚をえらくうまく食べてました。口に入れた瞬間これはウマイ!てなもんで。すると彼等は口中が相当温かったのか。基礎体温が高いということか。どうでもいいですか?(笑)
3. Posted by しんちゃん 2006年12月12日 22:26
りーさん、こんにちは
トランス脂肪酸は最近よくテレビなどでも
報道されるようになりましたね。
まあ、なんでも結局は食べ過ぎないように
するのが一番という結論に達します。
ただ、日本人の油の摂取量は少ないので、
日本食を食べている限りは
さほどトランス酸は問題にならないですよ。
トランス脂肪酸は最近よくテレビなどでも
報道されるようになりましたね。
まあ、なんでも結局は食べ過ぎないように
するのが一番という結論に達します。
ただ、日本人の油の摂取量は少ないので、
日本食を食べている限りは
さほどトランス酸は問題にならないですよ。
4. Posted by しんちゃん 2006年12月12日 22:53
たくさん、こんにちは
さあ、美味しいイベリコ豚は口の中で
とろけるのかも知れません(笑)
世の中、美味しいと言われるものは
いろいろありますが、食べてみると
あんまりわかんなかったりします・・(^^;;
さあ、美味しいイベリコ豚は口の中で
とろけるのかも知れません(笑)
世の中、美味しいと言われるものは
いろいろありますが、食べてみると
あんまりわかんなかったりします・・(^^;;
5. Posted by D-PiPi 2006年12月12日 23:40
こんばんは。
ポルトガル、オランダ、ベルギーは10年前からマーガリンがトランスフリーなんですか?
欧米では日本とは違う構造脂質がお菓子や食品に使われていることは聞いたことがあります。
食品安全委員会の資料ではデンマーク、アメリカ、カナダそしてWHOの勧告しか載っていませんでした。
http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
EUの欧州食品安全機関(EFSA)HPに説明がありました。
TFA( トランス脂肪酸)は、ガスクロマトグラフィーや高圧液体クロマトグラフィで精度の高い測定ができるようです。
ただ今のところ、自然に存在する食品に適用できる分析法はないとのことです。
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/en.html
デンマークの大学の学食やレストランで食事をしたことがあります。
すごいボリュームで、男性でも食後のデザートは、シュガーレスクリームのケーキです(^^;
ポルトガル、オランダ、ベルギーは10年前からマーガリンがトランスフリーなんですか?
欧米では日本とは違う構造脂質がお菓子や食品に使われていることは聞いたことがあります。
食品安全委員会の資料ではデンマーク、アメリカ、カナダそしてWHOの勧告しか載っていませんでした。
http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
EUの欧州食品安全機関(EFSA)HPに説明がありました。
TFA( トランス脂肪酸)は、ガスクロマトグラフィーや高圧液体クロマトグラフィで精度の高い測定ができるようです。
ただ今のところ、自然に存在する食品に適用できる分析法はないとのことです。
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/en.html
デンマークの大学の学食やレストランで食事をしたことがあります。
すごいボリュームで、男性でも食後のデザートは、シュガーレスクリームのケーキです(^^;
6. Posted by しんちゃん 2006年12月13日 23:49
D-PiPi さん、こんにちは
ポルトガル、オランダ、ベルギーのマーガリンが
すべてとは言いませんが、かなりトランス脂肪酸は少ないようです。
食品安全委員会の資料には記載されていない
1998年の文献に載っています。
これは硬化油中のトランス脂肪酸の量を報告した
団体が発表したものです。
マーガリンに含まれている具体的な量を書くと
何かと問題になるので、あえて教えないことにしたのかもしれません。
ヨーロッパは、確かに食事の量は多いような気がします。
スープとかも底が深くてたっぷり入っているし、
メインにたどり着く前にお腹いっぱいになります。
でも、デンマークには、留学されておられたのですか?
ポルトガル、オランダ、ベルギーのマーガリンが
すべてとは言いませんが、かなりトランス脂肪酸は少ないようです。
食品安全委員会の資料には記載されていない
1998年の文献に載っています。
これは硬化油中のトランス脂肪酸の量を報告した
団体が発表したものです。
マーガリンに含まれている具体的な量を書くと
何かと問題になるので、あえて教えないことにしたのかもしれません。
ヨーロッパは、確かに食事の量は多いような気がします。
スープとかも底が深くてたっぷり入っているし、
メインにたどり着く前にお腹いっぱいになります。
でも、デンマークには、留学されておられたのですか?