サプリメントは有害である。セラミドというもの 1

2007年02月25日

卑しい金属?

貴金属というと何を想像されるでしょうか?

金、プラチナ、銀、色々あるかと思います。

オリンピックでは金、銀、銅の順になっていますよね。

そもそも金属になぜ「貴い」という字を当てるのかご存知でしょうか?

「貴い」を辞書で引くと「地位・身分などがきわめて高い。」
「非常に価値がある」などと出てきます。

面白いことに英語でも金やプラチナはnoble metalと表現します。
nobleは貴族の意味ですよね。

貴金属は単に希少価値があるという意味ではないです。
化学元素で金や白金より希少価値があるものは

いくらでもありますし、単に値段が高いとかそういうのではないのです。

実は金や白金というのは、電子を与えたり奪ったりすることを
通常起こさない元素です。つまり非常に化学的に安定なものです。

一方、鉄などは酸素とくっついた方が化学的に安定となります。
そのため、鉄は時間が経つと赤茶色く錆びていく、つまり酸素とくっつくわけです。

金や白金などは酸素とは反応しないため、
ほかの元素と交わることがない「貴い存在」であるからこそ
貴金属(noble metal)と表現されるわけです。

では、逆に他の元素とくっつきやすいのは何と言うのか?

くっつきやすい元素の代表であるナトリウムは単体だと、
非常に不安定で簡単に水とも反応していきます。
そのため保存は灯油中で行う必要があります。

ナトリウムは水と反応すると水素を放出して苛性ソーダへと変化します。
爆発的に反応することもあり、金属ナトリウムを
取り扱うときには慎重にしなければなりません。

会社の先輩がこの金属ナトリウムを試験管に入れて
何気なく振っていたら、爆発を起こし、
体中に試験管の細かい破片が突き刺さったという事故がおこりました。

全身血だらけでメガネをしていなかったら、失明しているところでした。

ナトリウムだけでなく、石鹸の中和剤に使われる金属カリウムも
水と強烈に反応する元素で取扱に注意が必要なものです。

このように他の物質とくっつきやすい金属を卑金属と化学用語では表現します。

まあ、誰ともくっついていくようなものだから
昔の人は卑しいと思ったのでしょうか・・(^^;;

そういえば、手作り石鹸を作るときに油脂と
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を混ぜるだけで、石鹸ができます。

油脂は脂肪酸とグリセリンがくっついたもの。
これに苛性ソーダを混ぜると脂肪酸とグリセリンを別れさせ、
ナトリウムと脂肪酸がくっつきます。

仲良くくっついているもの同士(グリセリンと脂肪酸)を別れさせて、
自分自身(ナトリウム)がくっつくのだから、
やはり卑しいという表現はあながち間違っていないのかもしれませんね。


shin_chanz at 00:01│Comments(0) 化学の基礎 

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