多価アルコール類 1多価アルコール類 3

2007年06月08日

多価アルコール類 2

多価アルコール類で最も重要なのは2つです。

1つがグリセリン
原料:油脂の分解、プロピレンからの合成
天然グリセリンの原料には2種類あって、牛脂やラードからの動物油脂由来と
パームや菜種などの植物由来のものです。

値段は動物由来のものの方が安くなっています。
いわゆる狂牛病のおかげで、BSE混入があると疑われているため、
ユーザーが嫌って動物由来のグリセリンは使わないからです。

グリセリン製造時には高圧、高熱をかけるため、
たとえBSEが混入しても不活性化します。

ただ、世間様は疑わしきは使わないという原則で、
用途が限られ値段も下がり気味です。

植物由来のグリセリンは、脂肪酸を作るときに副生物として出来たものを
精製して作っていましたが、近年はバイオ燃料を作る過程で出てくる
グリセリンも数多く出回っています。

昔は石鹸をケン化法で作るときに出きた廃液からもグリセリンを
精製していました。
しかしながら、石鹸の廃液だと、不純物が多すぎて、
精製設備は腐食されるのに出来たグリセリンの質が悪いということで、
コスト合わなくなり、5年ほど前からグリセリン製造メーカーは
石鹸廃液の買い上げを中止しています。

10年くらい前に比べて、グリセリンの価格は6割にまで落ちています。
バイオ燃料由来で大量に発生するのにその用途が見つからず
下水に流せば、富栄養化を起こし水環境を破壊するので、
仕方なく焼却処分にするほどです。

最近は、燃やすのももったいないということで、
凍結した道路に従来の塩化カルシウムなどの変わりに
グリセリンをまくという道路の不凍化剤としての用途も開発されてきました。

化粧品に配合する場合は、やはり保湿効果の高さは見逃せません。
肌の表面だけでなく、浸透して保湿を行います。
ただ、大量に配合するとべとつきなどがでるのが難点です。

石油由来の保湿剤の価格が半年毎にどんどん上がっているので、
コストの安い植物系グリセリンへの処方変更が盛んに行われているのが、
ここ近年の化粧品の特徴です。


shin_chanz at 00:01│Comments(0) 化粧品原料 

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