2007年10月28日
ナノ粒子と人間の体 その2
化粧品のナノ粒子は大きく2つに分かれると書きました。
もし、体に入った場合ですが、ナノカプセルやリポソームの場合は
免疫細胞などに食べられたり、分解したりします。
意外にナノカプセルが体内に入るとそのままの形で存在するのは、
難しいのです。
抗がん剤の中には、癌組織へうまく侵入するようにリポソームという
天然の乳化剤であるレシチンで抗がん剤を包んでいるものがあります。
ただ、単にリポソームにすると、免疫細胞が敵と錯覚して食べてしまうので、
薬がなかなか癌組織へと到達しません。(肝臓にもクッパー細胞という
異物を処理する細胞があります)
そこで、抗がん剤に使われるリポソームは表面にポリエチレングリコール(PEG)
というものでコーティングして、免疫細胞が興味を示さないように工夫されています。
PEG自体は、PEG8やPEG50など、化粧品には保湿剤として
使われることが多いのですが、これでリポソームをコーティングすると
PEG層の上に水の層ができて、この水の層によって免疫細胞は味方と
錯覚します。
アメリカ軍の戦闘機が電波吸収剤を塗って、レーダーをかいくぐる
ステルス戦闘機を開発していますが、医療用リポソームも免疫細胞の
捕食を避けるので、ステルスリポソーム(商標登録までされています)と呼ばれています。
ちなみに免疫細胞に食べられると様々な酵素で分解されます。
化粧品で使われるナノエマルジョンやリポソームは主にレシチンで出来ていますし、
レシチンは人間の体にも大量に存在する成分なので、いとも簡単に細胞内で消化されます。
また、ポリソルベート80などの合成界面活性剤に対しても
界面活性能を失活させるのに十分な分解酵素を持ち合わせています。
(要するに細胞の持つ酵素で分解できるように界面活性剤が設計されているかどうか
になりますので、すべての界面活性剤が細胞の酵素で活性を失うわけではありません)
ただ、免疫細胞や肝臓でも処理できないのが、酸化チタンなどの金属化合物です。
これらは傷口に塗らない限り皮膚内への浸透はしません。
また、皮膚内に入ったとしても毛細血管やリンパ管からさらに内部へ
入り込むというのは難しいでしょう。
体内へ入った小さな粒子の場合は、肝臓で化学的に処理されなくても、
胆汁として排出することもできます。
一方的に体内に蓄積されていくわけではありません。
金属ナノ粒子の影響については、現在アメリカや日本、欧州などで
精力的に調査されているところです。
もうしばらくすれば調査結果が公表されてくるものと思われます。
もし、体に入った場合ですが、ナノカプセルやリポソームの場合は
免疫細胞などに食べられたり、分解したりします。
意外にナノカプセルが体内に入るとそのままの形で存在するのは、
難しいのです。
抗がん剤の中には、癌組織へうまく侵入するようにリポソームという
天然の乳化剤であるレシチンで抗がん剤を包んでいるものがあります。
ただ、単にリポソームにすると、免疫細胞が敵と錯覚して食べてしまうので、
薬がなかなか癌組織へと到達しません。(肝臓にもクッパー細胞という
異物を処理する細胞があります)
そこで、抗がん剤に使われるリポソームは表面にポリエチレングリコール(PEG)
というものでコーティングして、免疫細胞が興味を示さないように工夫されています。
PEG自体は、PEG8やPEG50など、化粧品には保湿剤として
使われることが多いのですが、これでリポソームをコーティングすると
PEG層の上に水の層ができて、この水の層によって免疫細胞は味方と
錯覚します。
アメリカ軍の戦闘機が電波吸収剤を塗って、レーダーをかいくぐる
ステルス戦闘機を開発していますが、医療用リポソームも免疫細胞の
捕食を避けるので、ステルスリポソーム(商標登録までされています)と呼ばれています。
ちなみに免疫細胞に食べられると様々な酵素で分解されます。
化粧品で使われるナノエマルジョンやリポソームは主にレシチンで出来ていますし、
レシチンは人間の体にも大量に存在する成分なので、いとも簡単に細胞内で消化されます。
また、ポリソルベート80などの合成界面活性剤に対しても
界面活性能を失活させるのに十分な分解酵素を持ち合わせています。
(要するに細胞の持つ酵素で分解できるように界面活性剤が設計されているかどうか
になりますので、すべての界面活性剤が細胞の酵素で活性を失うわけではありません)
ただ、免疫細胞や肝臓でも処理できないのが、酸化チタンなどの金属化合物です。
これらは傷口に塗らない限り皮膚内への浸透はしません。
また、皮膚内に入ったとしても毛細血管やリンパ管からさらに内部へ
入り込むというのは難しいでしょう。
体内へ入った小さな粒子の場合は、肝臓で化学的に処理されなくても、
胆汁として排出することもできます。
一方的に体内に蓄積されていくわけではありません。
金属ナノ粒子の影響については、現在アメリカや日本、欧州などで
精力的に調査されているところです。
もうしばらくすれば調査結果が公表されてくるものと思われます。
shin_chanz at 00:01│Comments(8)│
│化粧品
この記事へのコメント
1. Posted by ありこ 2007年10月29日 06:54
おはようございます。
夕べ読んだのですが、難しくて・・^^;
もう一回読もうと思ったら、パート3が!
酸化チタンなどの金属化合物は皮膚には入らないということは、日焼け止めなんかは大丈夫なのですね。
去年あたりから出ている白金ナノコロイド。
あのサプリはどうなんだろう?
化粧品はどうなんだろう?と
疑問なのですが、今後の調査待ちなのでしょうかね。
夕べ読んだのですが、難しくて・・^^;
もう一回読もうと思ったら、パート3が!
酸化チタンなどの金属化合物は皮膚には入らないということは、日焼け止めなんかは大丈夫なのですね。
去年あたりから出ている白金ナノコロイド。
あのサプリはどうなんだろう?
化粧品はどうなんだろう?と
疑問なのですが、今後の調査待ちなのでしょうかね。
2. Posted by しんちゃん 2007年10月30日 23:17
ありこさん、こんにちは
難しかったですか・・(^^;;
もうちょっとわかりやすく書くように気をつけます。
白金ナノコロイドの化粧品はナノコロイドを乳化剤で包んでいます。
そうしないと白金なので、比重が重たくたとえば水に溶かしても時間経過と共に底の方へ沈んでしまいます。
白金自体はナノサイズですが、乳化剤で包むとこの一包みが大きなサイズとなりますので、せいぜい角質層の奥くらいの浸透でしょうか。
そこから先は肌との親和性がないとなかなか行きません。
サプリなども乳化剤で包まれているし、そもそも腸の細胞からは吸収されないと思います。
腸細胞の中に入っても細胞内で通すものと排出するものと厳密に区別していますからね。
昔から人間と馴染みのある成分でないと基本的には腸からは吸収できない仕組みになっています。
難しかったですか・・(^^;;
もうちょっとわかりやすく書くように気をつけます。
白金ナノコロイドの化粧品はナノコロイドを乳化剤で包んでいます。
そうしないと白金なので、比重が重たくたとえば水に溶かしても時間経過と共に底の方へ沈んでしまいます。
白金自体はナノサイズですが、乳化剤で包むとこの一包みが大きなサイズとなりますので、せいぜい角質層の奥くらいの浸透でしょうか。
そこから先は肌との親和性がないとなかなか行きません。
サプリなども乳化剤で包まれているし、そもそも腸の細胞からは吸収されないと思います。
腸細胞の中に入っても細胞内で通すものと排出するものと厳密に区別していますからね。
昔から人間と馴染みのある成分でないと基本的には腸からは吸収できない仕組みになっています。
3. Posted by ありこ 2007年10月31日 08:13
おはようございます。
>もうちょっとわかりやすく書くように気をつけます。
いぇいぇ〜・・私のレベルの問題です^^;
初歩的な質問なのですが、「角質層の奥くらい」・・というのは・・?角質層?顆粒層?有棘層?基底層?
その部分で乳化剤のカプセルが溶解?して白金ナノがもっと浸透するって事はないのでしょうか?
さらに初歩的なことを聞いてしまいますが・・
ナノ化した成分は細胞の中まで浸透するものなのですか?それとも細胞間隙を浸透していくのでしょうか?
そのどちらも期待されて作られているのでしょうか?
>もうちょっとわかりやすく書くように気をつけます。
いぇいぇ〜・・私のレベルの問題です^^;
初歩的な質問なのですが、「角質層の奥くらい」・・というのは・・?角質層?顆粒層?有棘層?基底層?
その部分で乳化剤のカプセルが溶解?して白金ナノがもっと浸透するって事はないのでしょうか?
さらに初歩的なことを聞いてしまいますが・・
ナノ化した成分は細胞の中まで浸透するものなのですか?それとも細胞間隙を浸透していくのでしょうか?
そのどちらも期待されて作られているのでしょうか?
4. Posted by ありこ 2007年10月31日 08:16
よく読めば・・
>そこから先は肌との親和性がないとなかなか行きません
↑これに答えは集約されているのですね^^;
>そこから先は肌との親和性がないとなかなか行きません
↑これに答えは集約されているのですね^^;
5. Posted by しんちゃん 2007年10月31日 23:15
ありこさん、こんにちは
角質層は顆粒層の上ですね。
そこから下にいくかどうかは、ちょっとわかりません。もうちょっとよく調べる必要があります。
また、角質層内への浸透ですが、ナノ化しても角質層の死んだ細胞の内側を通るのは無理です。
そのため細胞と細胞の隙間に入ることが必要で、この隙間がナノサイズなので、ナノ化ということが重要になります。(ナノ化しなくても入るものは入っていきます)
あと、乾燥肌や敏感肌の方はこの隙間が大きく開いています。よく入る分、トラブルも多くなります。
保湿剤などは角質層の外側にいる方が保湿効果が高くなることもありますし、なんでもかんでもナノ化すればいいというわけではありません。
角質層は顆粒層の上ですね。
そこから下にいくかどうかは、ちょっとわかりません。もうちょっとよく調べる必要があります。
また、角質層内への浸透ですが、ナノ化しても角質層の死んだ細胞の内側を通るのは無理です。
そのため細胞と細胞の隙間に入ることが必要で、この隙間がナノサイズなので、ナノ化ということが重要になります。(ナノ化しなくても入るものは入っていきます)
あと、乾燥肌や敏感肌の方はこの隙間が大きく開いています。よく入る分、トラブルも多くなります。
保湿剤などは角質層の外側にいる方が保湿効果が高くなることもありますし、なんでもかんでもナノ化すればいいというわけではありません。
6. Posted by ありこ 2007年11月01日 19:41
しんちゃんさま・・こんばんは。
あまりに沢山書きすぎて・・エラーが出て・・消えちゃいました〜〜(涙
またまたちょこっと質問です。
細胞の中への浸透が難しいのは死んだ角質細胞だからですか?それとも仮に細胞間隙から顆粒層以下にも浸透したとすると、生きた細胞ならば細胞内への浸透はあるんでしょうか?
一般的にナノ化をさせると基底層あたりまで浸透していくようなイメージがあるので、ならばイオン導入などはもう不要?という感じもしていたのですが、イオン導入は皮下1〜2mm程度だったのでやっぱり意味はありそうですね。
あまりに沢山書きすぎて・・エラーが出て・・消えちゃいました〜〜(涙
またまたちょこっと質問です。
細胞の中への浸透が難しいのは死んだ角質細胞だからですか?それとも仮に細胞間隙から顆粒層以下にも浸透したとすると、生きた細胞ならば細胞内への浸透はあるんでしょうか?
一般的にナノ化をさせると基底層あたりまで浸透していくようなイメージがあるので、ならばイオン導入などはもう不要?という感じもしていたのですが、イオン導入は皮下1〜2mm程度だったのでやっぱり意味はありそうですね。
7. Posted by しんちゃん 2007年11月01日 22:01
ありこさん、こんには
このコメント欄は使いにくくて字数が多いと消えてしまいます。
さて、生きた細胞層まで到達すると細胞内へ浸透することは可能です。
ただ、ナノカプセルにする乳化剤によっても細胞内への浸透性は変わり、一般的にはレシチンでナノカプセルを作ります。
細胞自体がレシチンで出来ているため、親和性が高いからです。細胞内への遺伝子導入などにもレシチンカプセル(リポソーム)は使われます。
イオン導入は、水溶性の成分の浸透性を上げるのでよいですよ。ナノカプセルで包める量はそれほど多くありませんで、大量に導入する場合は、イオン導入が有利です。
このコメント欄は使いにくくて字数が多いと消えてしまいます。
さて、生きた細胞層まで到達すると細胞内へ浸透することは可能です。
ただ、ナノカプセルにする乳化剤によっても細胞内への浸透性は変わり、一般的にはレシチンでナノカプセルを作ります。
細胞自体がレシチンで出来ているため、親和性が高いからです。細胞内への遺伝子導入などにもレシチンカプセル(リポソーム)は使われます。
イオン導入は、水溶性の成分の浸透性を上げるのでよいですよ。ナノカプセルで包める量はそれほど多くありませんで、大量に導入する場合は、イオン導入が有利です。
8. Posted by ありこ 2007年11月03日 20:47
そうなのですね!
まだまだ解らない事が山盛りですが
ちょこっとつづ解ってきた気がします^^
ありがとうございます。
それにしてもしんちゃんはあちこちに色々書いておられるのですね・・これからちょっと覗きに行ってきま〜す
まだまだ解らない事が山盛りですが
ちょこっとつづ解ってきた気がします^^
ありがとうございます。
それにしてもしんちゃんはあちこちに色々書いておられるのですね・・これからちょっと覗きに行ってきま〜す