おいしい油 その1おいしい油 その3

2008年06月25日

おいしい油 その2

ブランド牛の霜降り肉は、脂肪がナノ粒子となっていると界面化学の文献で読んだことがあります。

本当ににそれがおいしさにつながるかどうかは良くわかりません。
単に電子顕微鏡でみたら、そういう結果だったということにすぎませんから。

以前、合成霜降り肉の広告が大手新聞に載って問題となったことがありました。
この場合、天然の霜降り肉のように見せかけたのが、問題でした。

「脂肪注入肉」というのは、外食産業では良く使われているようで、
油を注入しただけでは、硬くなった肉を柔らかくするのは難しいです。
そのため繊維を切る処理も機械で施すようですが、
中にはタンパク質分解酵素を使用する場合もあるようです。

まあ、肉の下ごしらえに植物のタンパク質分解酵素を利用するというのは
家庭でもやることなので、たいしたことではないのかもしれませんが。

油は単独で舐めても特に美味しく感じるものではありません。

ただ、料理に油を添加してやると旨みが増強することがあります。

油も低温でローストして使うかどうかでもだいぶ変わりますし、
味覚の変化というのものは面白いものです。

また、油は、油っこさを感じさせますが、
面白いのは、必ずしも油の含有量に比例していないことです。

たとえば、単に油を水に乳液状に溶かしてやると、
油分が35%以上となると油っこさを感じるようになります。

一方、マヨネーズのような脂質が70%も入っているものが
油っこさを感じにくいこともあります。

水への溶け方や他の成分の共存によって、本来油っこくて気持ち悪いはずのものが
美味しく食べれるようになっていくのです。

ちなみに化粧品の世界でも同じように、油分の配合量が多くても
乳化の仕方で、オイリーさを軽減することができます。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 食品の科学 

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