MMUの電子顕微鏡写真 その1MMUの電子顕微鏡写真 その3

2008年07月18日

MMUの電子顕微鏡写真 その2

こちらはアメリカの人気ブランドのMMUの写真です。
成分の一番最初にオキシ塩化ビスマスがやってきます。

前に紹介したMMUとは何か違いますよね?

デカイ粒子(オキシ塩化ビスマス、マイカ)がまずドカーンとあって、細かい粒子(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛)があります。

この大きな板がオキシ塩化ビスマスとなります。

全体の粒子が大きいので800倍で撮りました。
(実際には2000倍でもピントを合わせています)

酸化チタンや酸化鉄などの顔料と全く大きさが違いますよね?
目で見ると、良くわかります。

肌の上に乗っかり、できるだけ落ちないようにするには
球状よりも板状の方が有利です。
それも面積が広い割りに薄い板の方がより肌に密着するというもの。

さらに酸化鉄や酸化チタン、酸化亜鉛などの顔料もこのオキシ塩化ビスマスの
板にくっつきます。つまり、小さな粒子を配合しても
結局は大きな粒子にくっつくので、全体としては大きな粒子となっていきます。

こうなると仕上がりはどうなるか別にして、
粒度の細かい酸化鉄・酸化チタン主体のMMUに比べて
吸い込みによる安全性も高くなるような気がしませんか?

余り細かい粒子で出来たものは、昔と違って今は一考の余地があると思います。
(ただし、酸化チタン・酸化鉄主体でも分散技術が無いメーカーは除きます)

MMUが大きく分けて二通りというのは、この写真と前回の写真を見比べると
お分かりになられるかと思います。

(クリックすれば大きくなります)



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shin_chanz at 01:01│Comments(3) ミネラルファンデーション(MMU) 

この記事へのコメント

1. Posted by ともこ   2008年07月18日 20:50
はじめまして。
いつも勉強させていただいております。
今回のシリーズはすごいですね。
やはり実際の画像を見せられるとインパクトがあります。
ベースメイクに使うパウダー類は粒子が大きい方が肌にふわっと乗ってソフトフォーカス効果があり
粒子が小さい方が色ムラ等のカバー力がある反面
肌の凸凹を拾ってしまうような気がするんですが
紹介されているMMUの場合はどうなんでしょうか?
オキシ塩化ビスマスが大きいと言っても肌の溝よりはうんと小さくて関係ないのでしょうか?
あと個人的にミリスチン酸亜鉛が入っていると
荒れる気がするのですが
ミリスチン酸亜鉛は特に刺激が強い成分とはされていないのでしょうか?

2. Posted by しんちゃん   2008年07月19日 14:25
ともこさん、こんにちは

文章で書いても、なかなか伝わりにくいことは写真では一発ですね。
さて、肌の凸凹ですが、皮膚の溝より基本的にMMUの成分はどれも小さいので溝に落ちていきます。
オキシ塩化ビスマスも酸化チタンより大きいといっても溝よりは小さいので落ちていきます。こちらはパール顔料である分、酸化チタンよりは艶がでますが、肌の凹みを消すほどのものではありません。
凹みを消すほどつけると、いかにも粉っぽい仕上がりになりますし、また笑ったりしたときにシワが逆に強調されるような気がします。
肌の凹みを消すのはルースパウダーで見ていただきましたが、球状の成分が効果を発揮します。凹みを球で埋めるというより、球に光が当たると、色んな方向へ光を反射するので、シワの内部を明るくして、シワ以外の部分との明暗度の差をなくすというのが基本的な発想です。モデルさんが写真を撮影するときに色んな角度から光を当てることで、しわの部分を明るくして、しわを目立たなくさせるのと似ています。(しわは他の部分より暗いため、目立ちますから)
なお、ミリスチン酸亜鉛は肌への密着性をあげるために配合がよくされます。特に刺激が強い成分ではりませんが、石鹸ですので全く刺激がないものでもありません。
ただ、ミリスチン酸亜鉛により直接の刺激か、それともパウダー類が肌につきすぎて、乾燥を引き起こしてその結果刺激を与えるのかは判断が難しいところです。
3. Posted by ともこ   2008年07月19日 21:40
なるほど〜
ポリマー入りのパウダーは付け心地が軽いので
肌にあまり密着しない大き目の粒子なのかと思ってました。
粒子が大きいからではなく
光を乱反射するからきれいに見えるんですね。
それからミリスチン酸亜鉛は金属石鹸だったんですね!
ファンデーションに少し入っているくらいなら平気なんですが
アイシャドウに入っていると瞼に刺激を感じるので
気になっていました。
非常に勉強になりました。
ありがとうございました。

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