2008年09月08日
地球温暖化対策
二酸化炭素削減に向けて、大手化学会社が二酸化炭素からメタノールを作る実証プラントの着工について報道がありました。
空気中の二酸化炭素を減らすには、植物の力しかないと思いますが、
工場のボイラーから出てくる高濃度二酸化炭素に対しては、
有効な技術だと思います。
二酸化炭素がやっかいなのは、非常に安定性が高いため、
化学反応の原料に使いづらいということ。
反応性が高い一酸化炭素なら、まだ使えますが、二酸化炭素はかなり安定性が高く、
たとえば精油分の抽出などに使えるくらい、他の物質との反応性が乏しいものです。
二酸化炭素抽出のエキスなどは、最近よく出回っています。
石油を使用して抽出するより、設備やランニングコストを考えると
意外と二酸化炭素を利用して抽出するほうが、石油に比べて非常にコスト高という
わけでもないので、小規模な抽出に利用されています。
地球温暖化が話題になるずいぶん昔に、日本人学者が二酸化炭素を
プラスチック原料にできる反応を見つけました。
ただ、反応性が悪いため、コスト高となり、アメリカの企業などが
精力的に研究したものの、実用化がかなり難しいという結論に達しました。
この技術があれば、排出する二酸化炭素をプラスチックに利用できるため、
プラスチックが燃えない限り、二酸化炭素を固定化することが可能です。
しかし、製造するのに石油を使いすぎては意味がなく、結局はほかの低コストのプラスチックを作ったほうがマシということになりました。
たとえば塩ビは、環境ホルモンが疑われて嫌われているプラスチックですが、
石油と海水から作ることができて、プラスチック中に占める海水の割合も多いので、
石油100%のポリエチレンなどに比べると、石油資源にやさしいプラスチックと言われます。
また、基本的に二酸化炭素の排出は自動車燃料から出てくる分が圧倒的なので、
いくら使用済みの食品トレーやPETボトルをリサイクルしても
実質的にはあまり削減効果はありません。
ガソリン1Lあれば、一体何枚ものトレーが作れることやら・・。
(ただ、リサイクルするという気持ちは大切で、この気持ちがないと他の無駄遣いの削減はむずかしいと思います)
今回の技術は一般向けではありませんが、火力発電所や大規模工場などは、
大量の二酸化炭素を排出していますので、少しでもそれが他の有益な化学製品に
置き換えれば、コスト削減につながると注目しています。
空気中の二酸化炭素を減らすには、植物の力しかないと思いますが、
工場のボイラーから出てくる高濃度二酸化炭素に対しては、
有効な技術だと思います。
二酸化炭素がやっかいなのは、非常に安定性が高いため、
化学反応の原料に使いづらいということ。
反応性が高い一酸化炭素なら、まだ使えますが、二酸化炭素はかなり安定性が高く、
たとえば精油分の抽出などに使えるくらい、他の物質との反応性が乏しいものです。
二酸化炭素抽出のエキスなどは、最近よく出回っています。
石油を使用して抽出するより、設備やランニングコストを考えると
意外と二酸化炭素を利用して抽出するほうが、石油に比べて非常にコスト高という
わけでもないので、小規模な抽出に利用されています。
地球温暖化が話題になるずいぶん昔に、日本人学者が二酸化炭素を
プラスチック原料にできる反応を見つけました。
ただ、反応性が悪いため、コスト高となり、アメリカの企業などが
精力的に研究したものの、実用化がかなり難しいという結論に達しました。
この技術があれば、排出する二酸化炭素をプラスチックに利用できるため、
プラスチックが燃えない限り、二酸化炭素を固定化することが可能です。
しかし、製造するのに石油を使いすぎては意味がなく、結局はほかの低コストのプラスチックを作ったほうがマシということになりました。
たとえば塩ビは、環境ホルモンが疑われて嫌われているプラスチックですが、
石油と海水から作ることができて、プラスチック中に占める海水の割合も多いので、
石油100%のポリエチレンなどに比べると、石油資源にやさしいプラスチックと言われます。
また、基本的に二酸化炭素の排出は自動車燃料から出てくる分が圧倒的なので、
いくら使用済みの食品トレーやPETボトルをリサイクルしても
実質的にはあまり削減効果はありません。
ガソリン1Lあれば、一体何枚ものトレーが作れることやら・・。
(ただ、リサイクルするという気持ちは大切で、この気持ちがないと他の無駄遣いの削減はむずかしいと思います)
今回の技術は一般向けではありませんが、火力発電所や大規模工場などは、
大量の二酸化炭素を排出していますので、少しでもそれが他の有益な化学製品に
置き換えれば、コスト削減につながると注目しています。
shin_chanz at 00:01│Comments(2)│
│化学の基礎
この記事へのコメント
1. Posted by こう 2008年09月08日 22:28
こんにちは。はじめまして。
とても勉強になる情報ばかりで、いつも楽しく拝見しています。
>二酸化炭素からメタノールを作る実証プラントの着工
なかなか期待できそうですね。膨大な二酸化炭素を排出する製鉄所なんかに活用できれば良いですね。また、例えば、メタノールを水素の供給源とするタイプの燃料電池など、地球環境に良い方面での使い道が広がれば、なお更良いですよね。
>地球温暖化が話題になるずいぶん昔に、日本人学者が二酸化炭素をプラスチック原料にできる反応を見つけました。
何ヶ月かまえに、その方と大手化学会社などの共同研究の記事を新聞で見ました。製造の効率化などは期待できないのでしょうかね?
それから、二酸化炭素を資源として、有益な化粧品原料が、、、なんて期待できたりしますか??(笑)
とても勉強になる情報ばかりで、いつも楽しく拝見しています。
>二酸化炭素からメタノールを作る実証プラントの着工
なかなか期待できそうですね。膨大な二酸化炭素を排出する製鉄所なんかに活用できれば良いですね。また、例えば、メタノールを水素の供給源とするタイプの燃料電池など、地球環境に良い方面での使い道が広がれば、なお更良いですよね。
>地球温暖化が話題になるずいぶん昔に、日本人学者が二酸化炭素をプラスチック原料にできる反応を見つけました。
何ヶ月かまえに、その方と大手化学会社などの共同研究の記事を新聞で見ました。製造の効率化などは期待できないのでしょうかね?
それから、二酸化炭素を資源として、有益な化粧品原料が、、、なんて期待できたりしますか??(笑)
2. Posted by しんちゃん 2008年09月09日 21:39
こうさん、こんにちは
> なかなか期待できそうですね。膨大な二酸化炭素を排出する製鉄所なんかに活用できれば良いですね。また、例えば、メタノールを水素の供給源とするタイプの燃料電池など、地球環境に良い方面での使い道が広がれば、なお更良いですよね。
製鉄所や製紙会社など石炭を大量に燃やす企業で二酸化炭素の排出を
減らすようにできたら一番なんですが(^^)
> 何ヶ月かまえに、その方と大手化学会社などの共同研究の記事を新聞で見ました。製造の効率化などは期待できないのでしょうかね?
まだ、研究が始まったばかりなので、まだどうなるのかわかりません。
ただ、二酸化炭素の排出権という大きな利権が絡むようなら
多くの企業が研究に着手して、ある程度発展していくのではと思います。
> それから、二酸化炭素を資源として、有益な化粧品原料が、、、なんて期待できたりしますか??(笑)
二酸化炭素を原料にしたのは、すでにあります。尿素がそうです。
肥料の尿素もすべて二酸化炭素を原料にして作っています。
ただ、尿素では結局、大気に戻っていきますし、一時的に二酸化炭素を減らすだけなので、樹脂にして永久に封じこめるのがよいのですが、なかなか難しいようです。
こればかり性能と価格が見合わないと、採用が進みませんからね。
大手企業のようにメタノールに変換できれば、かなり用途が広がりますので、
メタノール製造に使う石油や天然ガスが減らせれば、そちらの方が正解なのかなと思います。
> なかなか期待できそうですね。膨大な二酸化炭素を排出する製鉄所なんかに活用できれば良いですね。また、例えば、メタノールを水素の供給源とするタイプの燃料電池など、地球環境に良い方面での使い道が広がれば、なお更良いですよね。
製鉄所や製紙会社など石炭を大量に燃やす企業で二酸化炭素の排出を
減らすようにできたら一番なんですが(^^)
> 何ヶ月かまえに、その方と大手化学会社などの共同研究の記事を新聞で見ました。製造の効率化などは期待できないのでしょうかね?
まだ、研究が始まったばかりなので、まだどうなるのかわかりません。
ただ、二酸化炭素の排出権という大きな利権が絡むようなら
多くの企業が研究に着手して、ある程度発展していくのではと思います。
> それから、二酸化炭素を資源として、有益な化粧品原料が、、、なんて期待できたりしますか??(笑)
二酸化炭素を原料にしたのは、すでにあります。尿素がそうです。
肥料の尿素もすべて二酸化炭素を原料にして作っています。
ただ、尿素では結局、大気に戻っていきますし、一時的に二酸化炭素を減らすだけなので、樹脂にして永久に封じこめるのがよいのですが、なかなか難しいようです。
こればかり性能と価格が見合わないと、採用が進みませんからね。
大手企業のようにメタノールに変換できれば、かなり用途が広がりますので、
メタノール製造に使う石油や天然ガスが減らせれば、そちらの方が正解なのかなと思います。