オイルの乳化酸化チタンのコーティング

2008年10月29日

HLB法

乳化剤は、水に溶ける部分と油に溶ける部分によって成り立っています。

このそれぞれの部分の大きさの割合を評価して乳化剤を分類するのに
HLB法というのがあります。

油に溶けやすいものなら、HLBは1に近づいていきますし、
水に溶けやすいものならHLBは40くらいにもなります。

さらには、乳化したい油もHLBで分けると、乳化したい油を
溶かすのに必要な乳化剤もだいたいわかるようになります。

かなり古い考え方ですが、手作り化粧品では、乳化剤単体で
オイルを乳化することもあり、果たしてそのオイルを乳化剤で
うまく乳化できるかどうかは、HLBを用いて推察することもできます。

たとえばローズマリー軟膏に使われるワセリンのHLBは10.5で、
クリームに良く使われるミツロウは10〜16となります。

これに対して乳化剤は、ポリソルベート40がHLB15.6、
ポリソルベート60がHLB14.9、ポリソルベート65がHLB10.5、
ポリソルベート80がHLB15、ポリソルベート85がHLB11となります。

ワセリンを乳化したい場合はポリソルベート65を使用すればよいですし、
単品だけでなく、HLBの低いものと高いものを混ぜて、
ワセリンのHLB10.5にあわせるようにしても構いません。

手作り材料店から乳化剤のHLBを教えてもらえれば、乳化についての幅が広がると思います。

まあ、HLBの計算は結構面倒ですし、プロの化粧品屋も複合乳化剤を使用する傾向にあります。


shin_chanz at 00:01│Comments(3) 界面活性剤 

この記事へのコメント

1. Posted by とも   2008年10月30日 07:38
5 初めまして!中々ここまで詳しい情報を載せているサイトがなかったので、勉強になります!

今までは巷の情報に流され『マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄』というシンプルな成分こそ良いと思っていましたのでタルク、オキシ塩化ビスマス…などをわざわざ避けてきました。このブログで何となく効果が見えてきましたが、今使っているサンプル(海外MMU)、以下の4つについて、shinさん的な判断(利点や欠点)を伺いたいです。
1『酸化チタン、酸化亜鉛、セルライトマイカ、酸化鉄、窒化ホウ素、ステアリン酸Mg』
2『二酸化チタン、セリサイトカオリン、カオリン、酸化鉄、酸化亜鉛』
3『マイカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、二酸化ケイ素』
4『パール、マイカ、オキシ塩化ビスマス、二酸化チタン、酸化鉄』
今まで酸化亜鉛は肌の消炎、修復に良いと聞いていたため、選んだ品々です。

不躾に個人的な質問でお許しくださいm(__)m
2. Posted by しんちゃん   2008年10月30日 22:15
ともさん、こんにちは

酸化亜鉛は消炎効果があります。傷薬やオムツかぶれに使われるほどです。
ただ。健康な肌なら消炎効果は特に必要ありませんので、それほど重要視されることもないかと。
たとえば、敏感肌に酸化亜鉛を塗っても普通肌になることはありません。
しかしながら、酸化チタンほど白くなりませんので、UVカット剤には適しています。

さて、1のステアリン酸Mgは確実に酸化チタンや酸化亜鉛のコーティング剤となります。肌への密着性はあがるので、活性酸素防止や使用感向上のためのコーティング剤です。窒化ホウ素は、タルクのような使用感のもので、面白い成分だと思います。

3の二酸化ケイ素は酸化チタンのコーティング剤の可能性があります。

どちらかというと酸化チタンや酸化亜鉛が最初にくるときしみやすくなる場合があります。パフで使わないので、あまり関係ないかもしれませんが、マイカやパールが最初にくるほうが使用感はよいと思います。

なお、結局は仕上がり感が大事なので、とりあえず全て使われて、夕方になってもくすみにくいものを使われたらよいと思いますよ。
3. Posted by とも   2008年10月31日 02:47
5 早々に、丁寧かつ、詳しいお返事をいただき、感謝です!!!
取り寄せたサンプル各社、コーティング剤が違うので、考えるほど何を選べばよいか解らなくなっていました(汗)仰るようにとりあえず、仕上がりと、肌のトラブルの有無で選んでみます!
トゥベールさんのファンデも是非試してみたいと思います。

追伸:『敏感肌に酸化亜鉛を塗っても普通肌になることはありません。』…というのは目からウロコでした!てっきり肌が改善されていくと思い込んでいました^^;
これからも勉強させていただきます!

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