唇と口紅 その2オイルの乳化

2008年10月24日

唇と口紅 その3

口紅を実際に塗ったときの色と、ディスプレイでみた色が違うということがあると思います。

一つは、唇の問題。唇の問題というか、血行が悪くなって、唇の色が真っ赤から、少し青みがかかるようになると、唇に塗ったときの色が変わるようになります。

もう一つは口紅そのものの質の問題。

口紅といっても昔ながらのオーソドックスなワックスに顔料を混ぜたものから、
シリコーンを使用してカップへ色移りを防いだもの、トリートメント性を重視したものなど、色々あってそれぞれの特徴にあわせた処方があります。

単に酸化鉄などの顔料だけでいくものから、タール色素を使用して、
赤く唇を染めてしまうものまで、赤色をつける原料にしても全然手法が違います。

若くて赤みのある唇なら、たいていのものが合いますが、
唇自体の色が悪くなってくると、それをカバーする原料が必要です。

それに使うのが、酸化チタン。日焼け止め効果もあって、元の唇の色むらを
カバーするのに使います。

ただ、この酸化チタンはワックスへ均一に分散させないと、カバー力にムラが出てしまいます。また、酸化鉄などの顔料についても同じことが言えます。

そうすると、どうなるかというと、若い女性の問題のない唇であっても
ディスプレイされた色と実際塗ったときの色が変わるという問題がでてきます。

つまり、口紅自体の質の問題です。

こうした問題をクリアするために酸化チタンや酸化鉄をシリコーンで処理することで、油剤への分散性を改善し、塗ったときの色が変わらないようにすることができます。

顔料というのは、ワックスなどの油剤と混ぜ合わせたとき、最初は分散していますが、時間の経過と共にお互いがくっつきあうようになり、色調が変化していきます。

これをうまく阻止するのが、シリコーンを使用した表面処理技術の1つとなります。

shin_chanz at 00:01│Comments(3) 化粧品 

この記事へのコメント

1. Posted by tm   2009年02月04日 15:40
5 こんにちは、いつもためになる情報をありがとうございます。さて、ここ数年アメリカで流行っているグロスで、透明かごく薄いピンクの液体なのですが唇にのせると色が変わって赤くなる、というのがあります。あれは「タール色素を使用して、赤く唇を染めてしまう」口紅と同じ原理なのでしょうか?

白人から黒人、アジア系などいろいろな肌の色の人が試してみると、それぞれ発色が違うのでいつも不思議に思っていました。体温に反応するのかな〜、とか。

ちなみに私(日本人)の唇はもともとピンク色なので口紅は普段つけないのですが、このグロスをつけるとお風呂上りのような血色の良い薔薇色に変ります。
2. Posted by しんちゃんです   2009年02月04日 20:38
tmさん、こんにちは

具体的に何かはわかりませんが、タール色素の可能性は低いと思います。
色素なら、口紅くらい濃い色味でないと、唇を染めることはできませんからね。

ちょっとわかりませんが、温度で発色させる色素を使っているのか、
あとは唇の赤色を増加させる血行促進剤も可能性があります。
唇の赤色は、ご存知のとおり血の色ですので、血行を促進することで赤みが増します。

血行を促進して赤みがついても元の唇の色(メラニンなどの量)が違うと、発色は異なります。

それにしても、グロスで唇の色が変わるのは、遊び心があって興味深いですね(笑)
3. Posted by tm   2009年02月05日 13:45
なるほど!血行促進剤かもしれませんね。このグロスは口紅やリップバームが唇についた上から塗ると、普通の透明グロスみたいで劇的な発色しないんです。スッピン唇に塗った時だけ赤くなるということは、血行促進剤が直接働きかけて血色が良くなり赤くなる、ということかもしれませんね。

お風呂上りのような赤さになるのも、納得です。謎が解けたみたいで嬉しいです、ありがとうございます

この頃のグロスは、昔に比べると質が向上したしいろんなタイプがあって楽しいです。昔のグロスは粘度が強くて、風で髪の毛が唇につくとはがれなかったり、小さい虫が飛んできて張り付いたまま逃げられないなど悲劇が発生していましたが。

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