石鹸の品質管理 アメリカの石鹸会社より その3グリセリンの規格

2008年11月09日

最近の防腐剤

最近は、様々な防腐剤が開発されています。

無添加志向が強いためか、新しい防腐剤を配合していても防腐剤無添加として売るところもあります。

スキンケア化粧品で使われる防腐剤というのは、案外限られていて、
パラベンやフェノキシエタノールというのが主でした。

自然派メーカーの中にはヒノキチオールを使用するところもありますが、
ヒノキチオールは、洗い流さない化粧品への配合量は0.1%以下と
パラベンやフェノキシエタノールより厳しい規制が布かれています。

スキンケア化粧品で、最近使われ始めたのがポリアミノプロピルビグアナイドという
防腐剤で、使用するのは自然派をイメージする化粧品会社でしょうか。

この防腐剤は、まだ知名度が低いというのが、何よりの特徴なのですが、
ただ、プラスのイオンとなって防腐効果を発揮するため、
スキンケア化粧品の成分によっては相性が悪いこともあります。

ほかには、銀イオンを使用した防腐剤もあります。
亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライトや銀ー銅ゼオライトというものです。
前者は化粧品に1%以下、後者は0.5%以下の配合量で、使用することができます。

体臭抑制目的の化粧品に配合されるケースが多かったのですが、
一般的な化粧品にも配合できるようになりました。

これらの成分は銀イオンや銅イオンの殺菌効果を利用して、
抗菌効果を発揮します。

ただ、均一に化粧品の中に分散させる必要があって、
パラベンやフェノキシエタノールのように簡単に化粧品へ溶けて
防腐効果を発揮するものと違って、使いこなしが難しそうな防腐剤です。

化粧品以外への応用を見てみると、銀イオンによる防腐効果は
古くから知られていて、公園の砂場の殺菌剤として銀が撒かれることもあります。

銀を内面コーティングした容器などもあるのですが、防腐効果は弱く(銀との接触面積が少ないため)、ただの水ならともかく栄養成分が詰まった化粧品への応用はまだまだむずかしそうな感じです。


shin_chanz at 00:01│Comments(2) 化粧品原料 

この記事へのコメント

1. Posted by さあら   2008年11月10日 08:14
こんにちわ。すっかり寒くなってきましたね?

またお尋ねさせてください。ポリアミノプロピルビグアナイドは相性の悪いものがあるということですが、具体的にはどの成分がそうなのでしょうか?
手作り化粧品を作るため、コスメの材料を売っているサイトで購入し手元に持っています。
相性には何も触れられていなかったので、適当に使ってしまいました。。
まだ残っているので、ぜひ参考に教えていただければ嬉しいです。
2. Posted by しんちゃん   2008年11月10日 22:15
さあらさん、こんにちは

あっという間に寒くなりましたね。
体調を崩さないように注意してください(^^)

さて、ポリアミノプロピルビグアナイドは、プラスのイオンになって
抗菌性を発揮します。
菌の体はマイナスイオンとなっていることが多く、プラスのイオンであるポリアミノプロピルビグアナイドが菌の体に吸着して菌を殺していきます。

つまり、こういう機構で殺菌を行うため、マイナスのイオンになる成分とくっついてしまう恐れがあります。

低分子のたとえばビタミンC誘導体などなら問題ありません。
ただ、ヒアルロン酸などは、ポリアミノプロピルビグアナイドとくっついて沈殿することがあります。(ヒアルロン酸によっては、駄目なものと大丈夫なものがあると思います)
実際には、化粧水が無色透明なら問題ありませんが、ダメなものは混ぜると白濁したり、沈殿すると思いますので、そうなった場合は、配合する成分を再考する必要があります。





> こんにちわ。すっかり寒くなってきましたね?
> またお尋ねさせてください。ポリアミノプロピルビグアナイドは相性の悪いものがあるということですが、具体的にはどの成分がそうなのでしょうか?
> 手作り化粧品を作るため、コスメの材料を売っているサイトで購入し手元に持っています。
> 相性には何も触れられていなかったので、適当に使ってしまいました。。
> まだ残っているので、ぜひ参考に教えていただければ嬉しいです。

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