コラーゲンの知識 その2加水分解アミノ酸と醤油

2008年12月05日

コラーゲンと手作り石鹸

タンパク質は、酸やアルカリ、そして酵素によって分解することで、アミノ酸がいくつかくっついたペプチドになり、さらに分解するとアミノ酸となります。

コラーゲンの加水分解物は、化粧品にマイクロコラーゲンなどして配合されているほか、ドリンク剤にもコラーゲンドリンクとして入っています。

コラーゲンを分解することで、ゲル化性能がなくなり、ドリンク剤へ高濃度に
配合することが出来ます。

このタンパク質の加水分解物ですが、製法によってかなり安全性が左右されることが
わかりました。

通常、化粧品では苛性ソーダでゼラチンを煮ることで、加水分解コラーゲンを
作ることが出来ます。
たとえば手作り石鹸を作るよりはるかに低い濃度の苛性ソーダにより
数時間で分解され、ゼラチンは加水分解コラーゲンとなります。

あとはこれを酸で中和して、生成した食塩を抜くことで加水分解コラーゲンが
出来上がります。

ただ、コラーゲンの加水分解物は、結構ニオイがきついこともあります。
理由は、タンパク質を分解するときにアミノ酸の一部も分解して、
ニオイが強い成分が外れてくるからです。

もともとアミノ酸は魚が腐ったときにでるようなニオイが強い成分がいくつか化学結合して出来上がったもの。
それが元の原料に戻ることでニオイが発生します。

酸性側なら、ニオイは発生しないのですが、中性からアルカリ性になると
ニオイが強くなります。そのため、ゼラチンを手作り石鹸に配合すると
肌に良さそうという思惑とは別に、時間経過と共に変な臭いがたってくるという
こともありえます。

コラーゲンの加水分解物は色々ありますが、たとえば健食のアミノコラーゲンなどは
コラーゲンを加水分解したあと、臭いの成分を除去していますので、
手作り石鹸に配合するなら、こういったものを使ったほうが無難でしょう。

ただ、コラーゲンの加水分解物は、苛性ソーダと反応して、苛性ソーダを
消費します。
ケン化が終了したものにまぜても石鹸からアルカリを取りますので、
泡立ちが悪くなります。
そのため、コラーゲンの加水分解物を混ぜる場合は、アルカリ量を減らさずに作った石鹸に少量混ぜるほうが無難というもの。

市販のおそろしく高額の石鹸も石鹸素地は安い石鹸とそう変わりません。
違うのは、アミノ酸などを配合することで、洗いあがりに変化をもたせて、多少なりとも違いを持たせていること。

その少しの違いが何十倍以上の価格差をもたらすのですから、実に石鹸の世界は興味深いと思います(笑)

shin_chanz at 00:01│Comments(0) コラーゲン 

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