遺伝子によって、運命が決まってしまうのか?生物農薬

2009年02月11日

農業いろいろ

遺伝子組み換え作物というのは、昆虫の遺伝子を組み込んだようなものが
よく取り上げられていますが、少ない肥料を有効に利用するものや
育てるのに必要な水が少なくて済むものなど地道に改良されたものもあります。

おそらく遺伝子組み換え作物が最も有効な場所というのは、
食料が常に不足していて飢餓が蔓延しているアフリカでしょう。

食料があれば救える命がたくさんあります。

ところが、意外にもアフリカではほとんど遺伝子組み換え作物が植えられていません。

もともと水が少ない地域。本来なら日本より進んだ灌漑設備がないと
水が不足して、農業がむずかしく、またトラクターなどの農機具も不足しています。

遺伝子組み換え作物はアメリカで大量に植えられていますが、
いちいち畑を耕さなくても作物を植えることができるので、省力化が図れ、
土壌改善により雑草が減って、雨による土壌流出が減り、土地が豊かになるというメリットがあるからです。

たとえば、日本では、土地を耕さず、作物を育てるというのは無理なので、
土地をトラクターなどで耕した上で、作物を植えますが、台風や長雨が降ると
表面の土が雨で流されてしまいせっかく撒いた肥料や農薬の効果も薄まるという問題があります。

当然、必要以上に農薬や肥料が撒かれ、それが土と共に河川に流出して、
富栄養化を促進し、環境悪化につながっていきます。

資源の少ないアフリカには、土地を耕さなくても作物を育てることができる
遺伝子組み換え作物は向いてそうな感じですが、実はたとえ飢餓が蔓延していても
遺伝子組み換え作物を植えさせないという方針の国が多いようです。

それは、ヨーロッパへ輸出するための有機栽培を行う農場の存在のためで
農場経営者は政権中枢部に強力なコネが持ち、遺伝子組み換え作物が植えられるのを徹底的に防いでいます。

少しでも遺伝子組み換え作物が植えられると、その国から輸出される食品は
たとえ有機栽培を行っていても、完全な有機栽培とは認められなくなるからです。

日本のように豊かな国なら、お金を出せばいくらでも自分の信条にあった食料を
購入することができますが、アフリカはとにかく食料がないと明日まで生きれるかどうかがわからない土地柄です。

農業の省力化ができて、農薬や肥料も少なくて済む遺伝子組み換え作物は
資源の少ないアフリカにとって、非常に向いているような気がしていますが、
未だ国民が飢餓で何人死のうが、遺伝子組み換え作物を食べたくないヨーロッパ人向けの食料を確保するためにGM作物を拒否しています。

農場で作られた作物は、輸出されるだけで、貧しい国民の口には入りませんし、
いつまでそんなことを続けるのかなと考えてしまいます。

作物の育ちにくい土地には作物を植えないのが自然なのか、
テクノロジーをフルに利用して作り出した作物を植えるのがよいのか
難しいところですが、ただ、食料によって助かる命があるのなら、
遺伝子組み換え作物であっても植えたらよいのではと思います。


shin_chanz at 00:00│Comments(2) 植物の知識 

この記事へのコメント

1. Posted by hana   2009年02月13日 21:55
いつも楽しく拝見させていただいています。
ですが、今回はとてもショックで、思わずコメントさせていただきました。
食料不足が深刻なアフリカでごく少数の人々の利権のために、多くの人たちの未来が失われているなら、とても悲しいです。また、そんなことを今までぜんぜん知らずにいたことも、とてもショックでした。
遺伝子組み換え食品の影響はよくわかりませんが、EU側の査定基準が国単位というのもとても厳しいですね。
明日はバレンタインデー。以前、カカオ農場で過酷な労働条件のもと働いている子供達をみて、とても複雑な気持ちになりました。自分は搾取している側にいることを、せめてこういった事実を忘れずにいなければと思いました。
貴重なお話ありがとうございました。
2. Posted by しんちゃん   2009年02月15日 21:48
hanaさん、こんにちは

困っている人たちを助ける技術があるのに、それが活用されないというのは残念なことです。遺伝子改良作物の中でも環境に対する抵抗性をもつ品種も選んで植えればよいとも思うのですが、なかなかそういったこともむずかしいようです。
今は石油の値段が高ければ食品を石油の代わりに使える時代なので、アフリカでもある程度食料を作らないと、厳しいことになると思うのですが。

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