基剤の違いによる浸透性基剤の違いによる浸透性 その3

2009年03月11日

基剤の違いによる浸透性 その2

同じ成分を配合したとき、効果が高いのは軟膏で、ローションが一番弱いと書きました。

それでは刺激が一番高いのは、ローション、ゲル、クリーム、軟膏の中で何なると思われますか?

実のところ、浸透性を良くするというのは、刺激性があがってしまうこともあり、一般的には軟膏剤がもっとも刺激が強いとされています。

ただ、軟膏剤の基剤による刺激というのは、ほとんど無視しえるものかもしれません。医薬品の場合、往々にして刺激が強いのは、その有効成分だからです。

ちなみに皮膚薬の場合、塗る場所は正常な皮膚ではなく、痛んだ皮膚となります。
じゅくじゅくしているところや、乾燥してガサガサになっている場合もあり、ほんの数ミリ離れただけでも皮膚の状態は激変している場合もあります。

クリーム剤の場合、じゅくじゅくしているところには適していません。

軟膏剤の場合は、乾燥している部分もじゅくじゅくしている部分もどちらにも使用できます。

こういった皮膚の状態により、一般的には軟膏剤が処方されるようです。

ステロイドの軟膏基材によって、吸収性が異なるという実験は40年前に行われています。

1.プロピレングリコール+ワセリン、2.ワセリン、3.水性クリーム
4.油性クリーム、5.マクロゴール(PEG)だと

最も薬剤を浸透させたのが1で、その次が油性クリーム、そして水性クリームとなります。
ワセリンも浸透させますが、水性クリームに比べるとだいぶ劣り、もっともダメなのはマクロゴールでした。マクロゴールは化粧品でもPEG−32として配合されることがありますが、ステロイドとくっついてしまうので、皮膚には移行しにくくなります。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 化粧品 

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