動物が作る天然系界面活性剤微生物が作る天然系界面活性剤 その2

2009年03月23日

微生物が作る界面活性剤

天然系の界面活性剤は様々な分野で応用されています。

もちろん、天然と合成とどこで線を引くのかでだいぶ変わります。

たとえば石鹸は、油脂を苛性ソーダで分解して作りますが、
苛性ソーダは天然には存在しない成分で、人工的に合成されます。

さらに100℃で、苛性ソーダと油脂を何時間もかけて化学反応させますが、
この程度なら天然界面活性剤として分類する場合もあります。

ただ、バイオ技術を扱う企業なら高温やそもそも天然に存在しない
化学物質を使用するのでは、完全な天然系とは言えないのではないかと考えるところもあり、その考え方は様々です。

天然に存在する界面活性剤といえば、植物が作るレシチンやサポニン
そして、動物が作る胆汁酸やレシチン、微生物が作る糖やアミノ酸系界面活性剤があります。

天然系界面活性剤の研究は化粧品会社が多いように思えますが、その利用はレシチンなど限られた成分を使う程度です。

自然界から新奇な界面活性剤を探してくるということは行いません。
日本では薬事法で使える界面活性剤が法律で決められていましたし、
低コストで提供されないと使えないため、もっぱら性能を自由に設計できる合成系を
検討するほうが経済的メリットも大きいと思います。

ただ、合成界面活性剤の性能向上より、天然系界面活性剤で合成界面活性剤より
優れたものがあるのではないかと精力的に探索する業界もありました。

意外にもバリバリの合成化学を専門とし、膨大な売り上げを上げる企業集団です。

微生物が作る界面活性剤については、数十年前に巨額の研究費が投じられ、現在では様々な分野で利用が始まっています。

化粧品では、微生物系界面活性剤は一時的にありましたが、コストが高すぎるため利用拡大には至らず、供給がストップしました。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 界面活性剤 

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