動物実験代替法 その3医薬部外品の開発 その2

2009年09月14日

医薬部外品の開発

化粧品には、ただの化粧品と薬用化粧品(医薬部外品)の2種類があります。

昔は、薬用化粧品の方が有効成分の濃度が高いため、その分効果も高かったのですが、化粧品自由化により化粧品の方が有効成分濃度を高く設定することができるようになり、単純に薬用化粧品の方が効果が高いとも言えません。

化粧品の自由化以後も薬用化粧品に配合する有効成分の濃度は基本的には変わっていません。

厚生労働省に申請すれば、薬用化粧品に配合する有効成分の濃度を変えることもできるのですが、これが思った以上にかなり面倒な手続きです。

費用がかかる動物実験などのデータを含めて申請するのですが、申請したものがすぐに認められるというわけでもなく、時間も労力もかなり使わなければなりません。

そのため、一度決まった有効成分の濃度は、なかなか変わることはありません。

ちなみに新奇有効成分の開発となると、10年単位でかかることも珍しくありません。

美白成分などは、とくに時間がかかります。

用意する資料も外国での使用状況や発見の経緯に関する資料のほか、物理化学的性質に関する資料、安定性に関する資料、安全性に関する資料、そして、効能効果に関する資料が必要となります。

しかも、これらの資料を集めるには、指定された研究機関で集める必要があります。

なぜなら、いい加減な企業なら、実験をやらずにデータを捏造する可能性もあり、
国際的な基準で満たされた研究機関(人的な要求や施設に対する要求、システムに対する要求を満たした)ところでデータを取らなければなりません。

そうでないと申請書を提出しても厚生労働省が受け取ることはなく、企業側としても大変な費用を覚悟しなければなりません。

だいたい、新奇の美白成分でこういったデータを集めるのに1億程度が目安となります。

しかもデータを集めて厚生労働省に申請しても審査に年単位でかかることもあり、商売のタイミングを考えると結構むずしいものがあります。

shin_chanz at 00:01│Comments(0) 化粧品 

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