成分の吸収 その8エコナとその後・・ その2

2009年09月23日

エコナとその後・・ その1

花王のエコナは大変な騒ぎになりました。

発がん性物質が含まれていたということで、びっくりした人も多いでしょう。

ただ、来るべきものが来たかという反応を持っている人も食品業界の中には多いのではないでしょうか。

まあ、派手にエコナは健康にいいと宣伝していたので、それに反感を持っている人も多く、エコナ叩きはこれからも増えて行くと思います。

ただ、別の視点から見ると、この問題はかなりやっかいです。

それだけに「エコナだけ」叩いて幕引きをしたい人々は、食品業界には多くいるのかもしれません。

さて、花王は6月に欧米で問題となっている物質がエコナから10倍以上検出されたという発表を行い、エコナの販売を中止しました。

この成分は、油脂の脱臭工程で発生します。
そのため、精製油脂なら多かれ少なかれ、この成分を含んでいます。

含んでいないのは、圧搾抽出のみ行った植物油で、オリーブオイルやゴマ油くらいななものだと思います。

ちなみに花王が問題にしているのは、グリシドール脂肪酸エステルで、
これはこれで欧米、アジアでも問題になっているのですが、
これよりもむしろグリシドール脂肪酸エステルが食塩と反応してできるクロロプロパノールの方が大きい問題となっています。

安いアミノ酸醤油に含まれている成分で、日本以外のヨーロッパやアジアでは
かなり厳しい規制を行っています。
なぜか、日本だけは醤油業界の自主規制だけで、クロロプロパノールを規制していません。

そして、欧米では醤油や酸加水分解たんぱく質だけの問題として片付けられていたのですが、分析機器の発展に伴い、この成分が様々な食品に含まれていることがわかりました。

つまり、エコナだけでは終わらない話なんです。

shin_chanz at 00:01│Comments(2) 食品の科学 

この記事へのコメント

1. Posted by mina   2009年09月23日 12:13
4 いつもブログ、掲示板にて勉強させていただいています。
エコナはいろいろな問題を含んでいて面白いと思います。植物油にしてはトランス脂肪酸も多いしジアシルグリセロールも危険性が示唆されているし生成する可能性のあるグリシドールはエポキシ基を持っているから加熱なんかしちゃって一体何と反応するか分からないし安全性がもう何年も食品安全委員会でずっと検討中というのも限りなくグレーゾーンのような気がします。
市販の菓子も食べるので厳密に避けてはいませんがマーガリンやショートニング、ヘルシー○セッタなどの変に加工した油は摂らないようにしていますが、規制がかからないようにしている日本の業界団体って恐ろしいです…今後この問題がどうなるか気になります。。
2. Posted by しんちゃん   2009年09月24日 23:14
minaさん、こんにちは

この問題の終着点には興味を持っています。

エコナ以上に問題のある食品が出てくるかどうかです。

ただ、エコナに限らず油を加熱すれば出来るものなので、そこがやっかいなんですが・・(^^;

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