2009年12月21日
糖化でよいこと
またまた糖化ネタです(笑)
興味深い研究がありました。
癌の研究なのですが、コラーゲンの糖化により、癌の進行が遅れるというものです。
がん細胞が全身に広がって行くには、癌が発生した部分から血管に入り込む必要があります。
ただ、がん細胞は足があるわけでもなく、自分から移動していくわけにはいきません。
徐々にがん細胞の周りの細胞を侵食して、がん細胞へ置き換えていき、そして血管に入って行くというパターンとなります。
ただ、簡単にがん細胞が増えるわけでもなく、NK細胞などが癌を見つけると攻撃して、癌の拡散を防ごうとします。
また、癌が組織外へ出て行くには、通常コラーゲンなどが組織を覆っているため、このコラーゲンを分解する必要があります。
要するに組織と組織を隔てている壁、つまりコラーゲンをどのくらいのスピードで分解できるかが、癌の拡散においてのポイントとなるようです。
がん細胞は興味深いことにコラーゲンを分解する酵素を作り出すことができます。
ただ、それは通常の細胞が作り出すものとおなじ、普通のコラーゲン分解酵素。
つまり、たいていのコラーゲンを分解することが出来るのですが、中には酵素による分解へ抵抗を示すコラーゲンも。
それが糖化した老化コラーゲン。
本来コラーゲン分解酵素で、コラーゲンは分解されていきますが、糖化したコラーゲンは分解されないもしくは分解に時間がかかるため、がん細胞の進行を食い止めていきます。
ねずみのコラーゲンを用いた実験では、老年のねずみのコラーゲンは中年や幼児のねずみコラーゲンより明らかにがん細胞の侵食を抑制したという結果が得られています。
ただ、コラーゲンの老化といっても色々ありますので、その中で人為的に糖化したコラーゲンで再びがん細胞の侵食性を調べると、癌の侵食を抑えたという結果となりました。
ヒトの肺がんは加齢と共に発症率が上がりますが、転移性という面では若年者より高齢者の方が低いとされ、コラーゲンの糖化が癌の侵食を抑制すると考えられています。
ありがたいようなありがたくないような、そんな話ですが、コラーゲンの老化もそれなりに意味があるのかもしれませんね。
FASEB J.,23(5)1510,2009
興味深い研究がありました。
癌の研究なのですが、コラーゲンの糖化により、癌の進行が遅れるというものです。
がん細胞が全身に広がって行くには、癌が発生した部分から血管に入り込む必要があります。
ただ、がん細胞は足があるわけでもなく、自分から移動していくわけにはいきません。
徐々にがん細胞の周りの細胞を侵食して、がん細胞へ置き換えていき、そして血管に入って行くというパターンとなります。
ただ、簡単にがん細胞が増えるわけでもなく、NK細胞などが癌を見つけると攻撃して、癌の拡散を防ごうとします。
また、癌が組織外へ出て行くには、通常コラーゲンなどが組織を覆っているため、このコラーゲンを分解する必要があります。
要するに組織と組織を隔てている壁、つまりコラーゲンをどのくらいのスピードで分解できるかが、癌の拡散においてのポイントとなるようです。
がん細胞は興味深いことにコラーゲンを分解する酵素を作り出すことができます。
ただ、それは通常の細胞が作り出すものとおなじ、普通のコラーゲン分解酵素。
つまり、たいていのコラーゲンを分解することが出来るのですが、中には酵素による分解へ抵抗を示すコラーゲンも。
それが糖化した老化コラーゲン。
本来コラーゲン分解酵素で、コラーゲンは分解されていきますが、糖化したコラーゲンは分解されないもしくは分解に時間がかかるため、がん細胞の進行を食い止めていきます。
ねずみのコラーゲンを用いた実験では、老年のねずみのコラーゲンは中年や幼児のねずみコラーゲンより明らかにがん細胞の侵食を抑制したという結果が得られています。
ただ、コラーゲンの老化といっても色々ありますので、その中で人為的に糖化したコラーゲンで再びがん細胞の侵食性を調べると、癌の侵食を抑えたという結果となりました。
ヒトの肺がんは加齢と共に発症率が上がりますが、転移性という面では若年者より高齢者の方が低いとされ、コラーゲンの糖化が癌の侵食を抑制すると考えられています。
ありがたいようなありがたくないような、そんな話ですが、コラーゲンの老化もそれなりに意味があるのかもしれませんね。
FASEB J.,23(5)1510,2009
shin_chanz at 00:01│Comments(0)│
│老化