エレクトロポレーションの疑問石鹸の大量生産 その2

2010年01月18日

石鹸の大量生産

石鹸は昔ながらの製造法や脂肪酸中和法など様々な方法で作られます。

釜焚き石鹸はヨーロッパの中小企業や日本の中小企業で作っている方法です。
大きな釜に油脂とアルカリ、水をほり込んで作ります。
蒸気で釜を熱しながら、石鹸を炊きますが、型に流す石鹸が出来上がるまで1週間かかります。

1週間ずーと焚いているのではなく、けん化したあと、食塩水を加えて、石鹸とアルカリ廃液を分けるという作業を行います。

通常、石鹸液は過剰のアルカリと石鹸液、グリセリンの混合物なのですが、過剰のアルカリがあると危なくて使えません。

そこでこの危険なアルカリ成分を抜くべく、食塩水を加えるのです。
食塩水を加えると石鹸分は上層にアルカリとグリセリンを含んだ廃食塩水は下層に分れます。

そして下層の廃食塩水を抜けば、石鹸液が出来上がります。
この作業を塩析といい、一度の塩析ではアルカリが抜けない為、何度か塩析を繰り返します。
少量の石鹸を作るならともかく、工場で大量の石鹸を作る場合、塩析を行ってもすぐには石鹸液と食塩水には分かれません。一夜静置する必要があります。
特に仕上げ塩析になると2日くらい静置して、丁寧にアルカリを除きます。

けん化にも時間がかかりますが、この塩析工程にも時間をかけるのが、伝統的な石鹸作りとなります。

ただ、ヨーロッパでは、自然主義派にこの製造方法の受けは良くありません。

日本では無添加石鹸大手がこの方法で石鹸を作っていて、恐らく丁寧に時間をかけて石鹸を作っていると一般消費者に受け止められていますが、ヨーロッパでは石油を大量消費する釜焚き法ではなく、コールドプロセス法など、石油資源の消費が少ない製造法が注目されています。(手作り石鹸ではコールドプロセスが多いでしょう)

釜焚き法は、ケン化も塩析も全工程が95℃以上に加熱し、それが一週間も長く行われる為、(加熱のために)石油を大量消費し、その結果、炭酸ガスの発生量が多いという(一般には見えにくい)環境汚染が問題視されています。


shin_chanz at 00:00│Comments(0) 化粧品 

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